綴り字のシーズン
Bee Season
監督:スコット・マクギー、デビッド・シーゲル 脚本:ナオミ・フォナー・ギレンホール 原作:マイラ・ゴールドバーグ 
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ 音楽:ピーター・ナシェル
出演:リチャード・ギア、ジュリエット・ビノシュ、フローラ・クロス、マックス・ミンゲラ、ケイト・ボスワース
2005年アメリカ/105分/配給:20世紀フォックス映画
公式サイト http://www.foxjapan.com/movies/beeseason/

 大学教授ソール・ナウマンの11歳の娘イライザは、ある日、学校のスペリング・コンテストで優勝して才覚を表すと、続けて地区大会、州大会と順調に勝ち進んでいく。娘の才能に学術的な興味を抱いたソールは、イライザにスペリングの特訓を施すが、そのために今までは理想的と思われていた幸せな家庭に徐々にほころびが生まれていき……。
 全米では熱狂的な人気を博すというスペリング・コンテスト(単語を聞いてそのスペルを言い当てる)をモチーフに、家族の崩壊と再生を描いたヒューマン・ドラマ。映像や音もキレイだったけど、なんというか"家族の再生"以外にも難しいテーマが内包されてるような気がした。宗教観とか。そんな感じ。お母さんの過去についてとか、結局は明確にされないから、不満が残る人もいるかもしれないけど、個人的にはそのくらいの想像の余地があるほうが好きだが。イライザ役のフローラ・クロスはパッと見でお母さん役のジュリエット・ビノシュに似てるなぁ……と思ったけど、当初この役にはダコタ・ファニングの名も挙がっていたそうだが、フローラ・クロスがジュリエット・ビノシュ似だから選ばれたんだとか。でも、顔だけじゃなくて演技もいいっすよ。お兄さん役のマックス・ミンゲラはアンソニー・ミンゲラの息子。脚本家のナオミ・フォナーは、マギー&ジェイク・ギレンホール姉弟の母。
☆☆★★★


椿三十郎
Sanjuro
監督・脚本:黒澤明 脚本:菊島隆三、小国英雄 原作:山本周五郎
出演:三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三、団令子、志村喬、藤原釜足、入江たか子、清水将夫
1962年日本/96分/配給:東宝

 上役の不正を暴こうと村はずれの神社に集まっていた9人の若侍の密談をたまたま耳にした浪人の三十郎は、正義感には溢れても知略に乏しい彼らの助太刀を買って出ることになるが……。
 『用心棒』の三十郎が再び登場する続編。といっても、ストーリーに繋がりはないので、続編というよりは姉妹編。どっちを先に観ても問題はないと思うけど、こちらのほうがよりユーモラスで気軽な印象。だけど最後の一騎打ちの壮絶さはこちらのほうが上。三十郎シリーズはもっと観たかったなぁ。