「親の会」結成研修会報告
平成16年2月14日(土)、結成後初めての研修会を山形盲学校の会議室を借りて開催した。在学生と卒業生の親及び教職員合せて24名が参加した。また、小さい子供のためにプレールームも借りて遊ばせ、家族ぐるみの参加者もいました。
事務局からこれまでの経過報告がありました。昨年の10月に開催された山形盲学校90周年記念式典に参加した元・前PTA会長と現PTA三役が懇談会を持ち、席上で「親の会」が話題になりました。その懇談会に参加した6人のメンバーが昨年12月13日に再度集まり早速「親の会」を結成した旨の報告があった。
研修会では工藤会長より、「親の会」を結成する意義について、レジメに基づき、自分の子供について話をしながら、親として情報の交換と学習を積み重ね、子供たちの社会的自立を支援していこうと訴えました。
会長の話しの内容
○ 長男が卒業して7年目の春が巡ってきました。
この7年間、それ以前の12年の在学期間、合わせると約20年の間、子供のために何が出来たろうか。親として最良の進路を用意出来たのか。否、何も出来なかったのではないか。「親の会」が結成された昨年の12月から、自問自答の時間が増えています。
○ 普通の小学校に入れないと言われて、何も知らずに山盲小学部に入学させた日から「視覚障害」の世界に足を踏み入れた現実を理解するまでは多くの時間を要しました。
入学してからも、眼科の名医がいると聞くと、県内外問わず、駆け回りました。しかし、診察を繰り返す度に結果は同じでした・・・・・。
○ 視覚障害児(者)を扶養している親御さんの気持ちは十分すぎるほど解ります。それは、私もあなた方と一緒だからです。
家庭を支えながらの忙しい毎日、その中での子供さんのお世話、頭がさがります。
○ 子供の卒業共に学校に忘れてきたものを最近思い出す機会がありました。昨年10月に挙行された「山盲90周年記念式典」に出席し、子供達に接した時でした。
後輩の皆さんのために何かお手伝い出来ることはないだろうかと。
錯覚かも知れませんが、50歳を過ぎ、少しは時間と心の余裕が増えてきたように思える昨今です。
○ 私達「親の会」は、それぞれの子供にあった社会的自立ができるよう、可能な限り支援をしていくことを確認しました。そして、その大きな目標が現実のものになるよう、多くの方々から情報と指導を頂きながら、子供達一人一人について、「最良の道」を提供出来るよう親同士が学習を重ねて行くことになりました。
○ 社会的自立が就業とすれば、最近の社会環境はますます厳しい状況になってきています。
高等教育を修めた若者でさえ定職を持たず、将来の計画が見えない生活が余儀なくされている現実を見ると深い憂いを覚えずにはいられません。
○ さて、子供達の進路を見てみると、短絡かも知れませんが、@資格を生かした自営(治療院等)、A一般会社や医療機関のスタッフ、B施設入所(更正施設、授産施設、作業所等)、C家業手伝い、補助等が思いつきます。一人一人の障害程度、能力を十分理解し、可能な選択肢を親自らが見極めることがスタートと考えます。
○ これからは、「環境」「福祉」「教育」の三大要素を基本とした社会形成が進展する者と思われます。その中で、視覚に頼らない職業があるような気がします。皆さんの英知を結集してその開拓が出来ればすばらしいことだと思います。
また、各職場、施設を訪問し、子供達の様子や経営者、同僚の話を伺うことも実現したいと考えています。
○ 個から集団になった場合に有利になることがあります。
例えば、官公庁や地域団体への要望、要請活動で大きな力になったり、各種団体との交流が容易になります。また、豊富な情報を共有することが可能で、仲間意識の向上、団結により精神的に満たされることにもなります。
更に、子供達同士、あるいは、他人の親と接する機会が増えることによって人間形成の上で大きなインパクトを与えることが出来ると確信しています。
○「親の会」が組織されましたが、これから皆さん共に実績づくりを進め、少しずつ着実に大きくして行きたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
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平成16年2月14日 「親の会」を結成する意義について ○ 目 的 ○ 社会的自立 A新たな就業の開拓 B職場環境の充実 ○ 人から集団へ @各種要望(陳情)、要請の重み A他の団体との交流促進 B豊富な情報量 C精神衛生の向上 D子供の人間形成 |
次に、渡辺校長先生より、「『親の会』に期待するもの」という題で話をしてもらいました。
これからは障害が分った時点から個別の支援計画を作ることになった。盲学校では「ひとみくらぶ」と言う視覚に障害がある乳幼児を持つ保護者の集いを開いている。また、就学前の教育相談を行っています。このように入口(入学前)の対応は出来ていますが、出口(卒業後)の対応には不安がある。卒業生からいろいろなことについて相談を受ている。このような時に、「親の会」と言う組織として動けることは心強い。また、視覚障害者福祉協会が行政に対して視覚障害者の老人ホームの要望を出している。このようなことも一緒に取り組めるのではないか。最後に、学校として場所の提供や人材について協力していきます。
と言う内容であった。出口の問題や課題については次のようにまとめられるのではないか。
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平成15年度第27回山形県特殊教育諸学校PTA連合会研修大会 『卒業後の進路にかかわる取り組みと課題』 山形県立山形盲学校 近年の高等部普通科卒業後の進路、としては主に次の3つが考えられます。 @ 保健理療科や理療科専攻科に進み、あんまマッサージ指圧師・鍼師・灸師の受 験資格を得て(保健理療科は、あんまマッサージ指圧師の受験資格のみ)、国家試 験を通った後、医院や治療院等に就職、あるいは開業をする。 A 一般企業へ就職する。(主に弱視の生徒) 進路先は、学校側と連携をし、様々な進路の情報を得て、親子で話し合いながら決定しております。 ここで、進路にかかわる課題をいくつか述べたいと思います。 保健理療科や理療科専攻科に進んだ生徒でも、自分で生活していく力が身についていないことが指摘されています。また理療師として就職したとしても、仲間とのコミュニケーションがうまく取れなかったり、様々な社会の厳しさの中で挫折してしまう生徒もおります。今後は理療師をめざす晴眼者も増えてくることが予想されていますので、今までよりも就職先の確保は難しくなってくると思われます。在学中に生活自立できる力や働く上での基本をしっかり身につけさせることが必要と思います。 弱視の生徒の中に、一般企業への就職を希望する生徒がいます。これまでは理解ある企業のおかげで、現場実習、さらに就職もさせていただきましたが、一般的にはまだまだ視覚障害に対しての理解が浅く、近年は、雇用情勢の悪化も影響し、労先の確保が難しい状況になってきています。今後は視覚障害者が従事することのできる職種を積極的に見つけていく必要があると思われます。 施設や作業所の利用を希望する場合ですが、県外には視覚障害者を対象とする施設がいくつかあり、そこに入所している卒業生も幾人かいます。しかし近年は、地域で生活することを希望する生徒や保護者が多くなってきています。ただ県内には視覚障害者を対象とする施設や作業所がありませんので、知的障害者か身体障害者の施設や作業所にお世話になっている状況です。今年度4月からは支援費制度が施行され、利用したいサービスを自分で選べるようになりました。しかし現実はなかなか希望どおりにはいかないようです。視覚に障害がある子どもを、地域で積極的に受け入れていただけるような活動をしていく必要があると考えます。 |
その後、参加者全員の自己紹介を行った。
「卒業後が不安である」、「勉強していきたい」、「『親の会』に期待をしている」等いろいろ意見や感想が出された。あるお母さんからは、卒業を間近に控え切実に悩んでいる話が出された。それは、子供も気に入って行く予定をしていた施設(小規模作業所)が、施設が新しくなり、知的障害者の更生施設(デイサービスセンター付設)に変わることになったのです。その結果、身体障害者には利用しにくいものになってしまうので、どうすればよいのかと言うことでした。昨年4月からスタートした支援費制度により、指定を受けようとする施設はサービス内容に規制を受けるようになったのです。障害者福祉制度に大改革があったので、勉強する必要性を強く感じました。
最後に、事務局より平成16年度の事業計画の説明がありました。
研修会については、@県や市町村の福祉担当者を招き「障害者福祉制度について」の講演、A県視覚障害者福祉協会との意見交換会、B就職関係ではハローワーク職員からの障害者の就業状況や制度の説明、C施設(小規模作業所等)職員等の話を聞く会などを考えていることを説明がありました。また、親子交流会や卒業生との交流会も計画していることの説明がありました。そして、次回の研修会は今日の議論を踏まえ研修内容を検討することが説明された。
そのほかに、「親の会」としては障害者が住みやすい町づくり、生活環境作りにも取り組んでいく必要があります。
やれることを少しづつ積み重ねていくことを確認して閉会した。
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