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香川スペシャル
「義経」トークショー

2005年7月23日放送
香川県歴史博物館にて

宮内敦士(佐藤継信役)
諏訪部章夫プロデューサー
司会 古賀一アナウンサー(NHK高松放送局)



司会 まず、諏訪部さん。あの、義経というとですね、これまでも何度も大河ドラマに題材として挙がってるんですが、今回のですね、義経、なんかテーマですとか視点というのはあったんでしょうか?
諏訪部章夫(以下、諏訪部) え〜、テーマってのはドラマですから、基本的には楽しんで頂ければよろしいんですけども。
テーマはね、1つだけ、簡単ですよ。人との繋がりという事です。絆ということです。
要するに家族の絆、仲間の絆、義経主従たちの仲間、兄弟の絆、夫婦の絆、そういう絆です。
今、非情に残念なことなんですけど、やっぱりなんとなくいろんな新聞紙を賑わすのは、なんとなく人として当たり前のことですよね。
人と係わってくってのはね、なんかそれが、今ちょっとやや希薄になりつつあるんでね。
え〜、ここの登場人物も宮内くんも全てそうですよ。
全員絆を求めて、絆に笑って絆に泣いて、その絆を一生懸命求めてる。
彼らは義経主従、強い絆があるわけ。
宮内くんは、まぁ後で詳しく話しますけど、この継信というのは残念なことながら屋島で義経を庇って死んでいくという、まぁ感動的なシーンがねありますけど。
そういう人との係わり方というのがね、今回のドラマのテーマです。
本当は非情に哀しいことですよね、こんなことをやらなきゃいけないってのは。ちょっと嫌なんですけどね。
まぁそういったようなことをね、え〜、今回のドラマで、え〜、ま、やれればいいかなと思いますね。
司会 義経の周りの方たちですね、郎党の方たちは本当に印象深い人たちが多いですよね。
諏訪部 そうですね。
司会 いろいろいらっしゃいますけども、あの、主従関係とかですね、なんかコンセプトというのはあったんですか?
諏訪部 え〜とね、じゃあ、ちょっと話しましょう。
まぁ、義経というのは、え〜、母親と別れて鞍馬寺から1人で奥州に行く途中でいろんな部下と会う。
1番最初に部下に、1の家来と今でも時々セリフで言ってます喜三太という男がいますね。
彼は1番の家来なんですね。彼は都の孤児ですよ。あの当時はもう、要するに、あの〜まぁ、これは映像上とか描きませんけども、ものすごい状態が悪かったとかそういったもんで、もう都にはもう孤児が。
弁慶は、だって、ね、皆さんご存知のように叡山の、もう要するにはみ出し僧みたいなもんで、ただ一心に義経に惚れたという男ですね。
3番目の伊勢三郎というのは盗賊です。
元は自分の父親が源氏だとかなんとか言ってますけど、ま〜どうなんだか知りませんけどね。基本的には盗賊ですよね。
4番目は駿河次郎という、これは船乗りさんですよ。
皆、いろんな職種というか、なんかバラバラの人間たちがとにかく集まって、それで、奥州に入って初めて武家の兄弟、継信・忠信というのがくっついて、この要するに家来達6人がずーっとこれ家族のようにして暮らしてくんですね。
ですから、継信以外はそれぞれいろんなまぁ職というかいろんな経歴がこうあるから、わりとあのキャスティングの時も、わりと個性的な、言葉アレですけど、顔の濃い方たちをわりと選んだつもりでいるんですけどね。
まぁ、南原さんとかね、うじきくんとかね、喜三太くんとか。
え〜、それでそういう人たち、あと継信・忠信はどうしようかなと。
彼らは唯一武士なんですよ。佐藤の家っていうのは、要するに奥州ではかなりの名門の家ですから。そこのえ〜兄弟が義経の中に加わるってなってくると、また濃い顔でも困るなという感じになって。
僕はね、今回のキャスティングで平家側ってのは、あの当時1番絶頂期を極めてますから、雅さ綺麗さ、割とイケメン、そういうのを揃えた。
いや、決して宮内くんがイケメンではないってことではなくて(場内笑)、宮内くんもイケメンですけどもね(場内笑)。違うイケメンで、イケメンプラス逞しさでね。
で、宮内くんの弟の、今度14日にも海東君が来るそうですが(注:宮内さんと海東さんが8月14日にさぬき高松まつりにゲスト出演しました)、え〜その2人を選んでね、そういう取り合わせにしたんですね。
あ〜、だからその6人、義経入れて7人が常に家族、家族でやってですね。誰がお父さんかお母さんか知りませんけどね。その都度その都度、皆助け合ってケンカしながら、笑いながらいろんなことがあるんだけど。
それで、彼は屋島で1番最初に死んじゃうというね。
そういうような、そのようなコンセプトでなんか主従というか家来達は選びました。
司会 いろんなそのキャラクターの中でですね、あの実際に演技されていて現場はどんな雰囲気なんですか?
宮内敦士(以下、宮内) もう主従メンバーのシーンは、ホントにあの一致団結して。
その団結力というかあって、特にそのベテランの方がですね、松平健さんにしろ、うじきさんにしろ、南原さんにしろ、え〜その3方が僕達、えー僕も若くはないですが、若手を引っ張って、え〜良い雰囲気作りを築いて頂いたって感じですか。

司会 長い期間一緒にいると、それ相当なんかホントの仲間という感じ。
宮内 そうですね。
本当にお芝居ではなく、う〜ん、ホントのね、あの絆というかそういうものはもう僕が死んでしまうシーンあたりは、本当にあの傑出してたというか、なってたんじゃないかと思います。

司会 他にあの印象に残った方っていうのは? 共演された方で。
宮内 それはもう、皆さん本当そうなんですけど。
滝沢くんにしろ、滝沢くんは本当に生真面目で、本当に誠実に真面目に演技する姿は本当に尊敬に値しますし、松平さんもその自然の中に、ちょっと外して笑わせるようなところとか。
まぁ、共演、実際にはしていないですが平幹二郎さんの空気がね、あの〜ホントにちょこっと見させて頂いたんですけど、その時の空気とか画面に映ってる空気とかって、すごくう〜ん羨ましい、すごく勉強になります。

司会 あの〜、ムードメーカーというと誰になるんですか?
宮内 それはもう、南原さんとうじきさんですかね。それに喜三太がちょっと合いの手入れてくる。(笑)
僕ら兄弟は本当に
(両手を前に出して前しか見えなくなるというジェスチャーをして)こうなっちゃう方なんで、どうしても、役にこういうふうに入り込んじゃう方なんで。
最初のうちはあの、耳に入ってこなかったんですが、その、段々慣れてくるうちに、あの南原さんとうじきさんのお喋りになんか入っていけて、お付き合いできるようになりましたけどね。はい、後半は。

諏訪部 なんかチームに分かれてんでしょ? ヤング組とアダルト組。(笑)
宮内 そうです、そうなんです。
諏訪部 きみは、宮ちゃん、どっちなの?
宮内 ぼくは中間なんですよ。
諏訪部 (笑)
宮内 海東くんとは10ぐらい違いますから。
司会 あ、はいはいはい。
宮内 喜三太の伊藤くんとは、もう12、3、4くらい違いますね。
諏訪部 滝沢、海東、伊藤淳史はヤング組。
で、マツケン、南原、うじきがアダルト組なんだ。
要するに、じいちゃん組だ、おっちゃん組。
宮内 そうですね。
諏訪部 え〜、宮ちゃんは中間だな。
宮内 そうですね。どっちにいこうか迷ってたんですけどね、なるべく若い方とくっついて。
司会 (笑)南原さんはそれこそ香川出身ですんで、(客席に向かって)ホント皆さんも注目して見てらっしゃると思うんですが、南原さんとあの、こう話す内容とかで想い出に残ったことってございますか?
宮内 う〜ん、まぁ芝居とは直接関係ないですけど、芝居終わったロケとかね。
ロケ先で終わって、南原さん率先して「じゃあ行くぞ、飲みに行くぞ」みたいな感じで。
え〜、その飲みの場でね、よく女性の話したり、あの〜その、ね、子供生まれて子供の話とか。
う〜ん、そういうなんか結構、僕なんかお笑いファンですから、あのずっと憧れの人ですから。
どうしてもそういう気ィ遣って頂いて嬉しかった。

司会 普段から明るいんですか? 南原さん。
宮内 明るいですよ。
諏訪部 (笑)
宮内 ホントに南原さんとうじきさんというのは、僕ら緊張するから、結構リラックスさせるように、うん、お話してくださるんですけど。
司会 じゃあドラマの中と同じように、笑わせてっていう。
宮内 そうですね。まさにうん、伊勢三郎ですね。
(一部敬称略)


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