辛子明太子の原料って何?
その答えは、『 スケトウダラの卵巣 』です!!
スケトウダラは、漢字で助宗鱈、英語でWalleye pollack、学名でTheragra chalcogrammaと書きます。
名前の由来はいくつか説がありますが、人手のいる魚だから助っ人タラ、佐渡近海でよく獲れていたことにちなんで、「佐(すけ)」「渡(と)」ダラと呼ばれる説があります。
また、江戸時代までは、朝鮮半島から伝わっていた「メンタイ(明太魚)」の呼び名が一般的に使われていました。
そうしたことから今でも、スケトウダラの卵巣の塩蔵品を唐辛子で調味したものを「明太子」と呼んでいます。
それなら、「鱈子(タラコ)」はマダラの卵巣?と思うかもしれませんが、これはスケトウダラの卵巣からつくられたものです。
スケトウダラは、北太平洋北部と日本海、オホーツク海、ベーリング海に広く分布しています。
生息水温は10℃以下で、2〜5℃の極寒の海域に多く生息しています。
弊社では、ベーリング海ダッチハーバー沖合で漁獲されたアラスカ産スケトウダラの卵巣のみを原料としています。
上記のものを仕入れているのには理由があります。
それは、アメリカではスケトウダラの親の漁獲を厳しく規制し、資源を管理しているため乱獲傾向はなく、
もし多年魚が減っている状態と判断されたなら、次の年には漁獲数の割当量を減らす等の厳しい資源管理が行われています。
そのため、比較的自然な状態であり、成魚が多く回遊しているため、
毎年平均6〜8年魚の比較的大きなスケトウダラを安定して漁獲することができています。
それに比べ、北太平洋北部及び日本海、オホーツク海を漁場としているロシア、北海道では、漁獲規制はされているものの、
その規制は緩く、他の魚種と同様に乱獲傾向にあります。
そのため回遊する成魚の数が少なく、平均して3,4年魚のスケトウダラが漁獲されています。
中には大きく、北海道羅臼沖の真子に近いクラス、氷山沖の釣り物のように質の良いものもありますが、平均するとアラスカ産の方が質が良いと判断されます。
この様な理由から、弊社ではベーリング海ダッチハーバー沖合で漁獲されたアラスカ産スケトウダラのみを厳選しているわけです。
そして、冷凍・加工等の設備の整った大型漁船によって漁獲されたスケトウダラは、漁獲されてすぐに、極寒の洋上で加工され、急速冷凍されます。
その後、アラスカの市場に水揚げされた時、入札によって買い付けられた原料を仕入れています。
ここで、スケトウダラの卵巣について詳しく分類してみます。
スケトウダラの卵巣はガム子、真子、目付け、水子、皮子の5つに分類されます。
ガム子 |
ガム子は、まだ卵が成熟しておらず、ガム状になっていることからガム子と呼ばれています。 |
↓ |
|
真子 |
真子は、産卵する直前の成熟した卵巣です。 |
↓ |
|
目付け |
目付けは、約2割程度産卵された卵巣です。
|
↓ |
|
水子 |
水子は、約半分産卵されたもので、海水が入っているため水子と呼ばれています。
|
↓ |
|
皮子 |
皮子は、ほとんど産卵し終えた卵巣です。 |
ベーリング海では、1月下旬から2月中旬が「旬」だと言われますが、その時期はスケトウダラの卵が成熟した真子の状態にあるためです。
それから4月頃になると、皮子になります。
弊社は毎年2月上旬前後の、原料を何種類か吟味し、その中で最高のものを限定して仕入れています。
上記のようなことから、高品質であることは間違いないことを保証します。
また、原料搬入後も、徹底した衛生管理、温度管理をし、辛子明太子、たらこを製造しています。
ちなみに、「鱈腹(たらふく)食う」という俗語がありますが、これは、タラは貧食性の魚で色々なものを多く食べ、そのため腹がふくれているということから出た言葉です。
弊社の明太子を鱈腹お召し上がりになってみてはいかがでしょか?
|