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時を数え終わったとき、彼女はぼくに体を預けた。このテンカウントがとても長く感じた。
たった一秒一秒数えるごとにぼくは大きく年をとり足が震え、立っていられないような気がした。
そして10秒目を口にした時彼女の髪の香り、熱、腕の強さを感じたとき

ぼくは今のぼくに戻った。老人となった自分にさよならができた。
1ヶ月が僕の周りに取り巻いて、一日がビデオの早送りのようにあっという間で、でも苦しみは
スローモーションのように僕の心を蝕んで、そのギャップについていけなかった。
とっても悲しくて、辛かった。


長い長いテンカウントの中
僕の足はもう震えていて、お決まりの冗談も言えなくてただじっと待ってるしかなくて
声だって震えていた。

でももう震えなくていいんだよね、彼女を感じていいんだよね。



残りの人生を君にささげよう、汚れた人生だけど
それでも、君のために生きていたいんだ。

 

 

 

 

 

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