「泣きたいほど人を好きになったことはあるか?」

 

ぼくは朝、顔を洗った時やバイクに乗っている時ふと自分に問い掛ける。

鏡には自分しかいない、目の前には道路しかない。

突然の想いが心に溢れる。その問いかけにぼくは上手く答えることはできない。

別れを体験したものであれば、涙は必須だからだ。

どんなに泣かないと思ってもあとで涙は出るものだ。

だからぼくは上手く答えられない。

でも本当はそうじゃないんだ。結果じゃない、今の質問だってことを知っている。

今度ふと自分に問い掛けたとき僕は迷わずこう言おう。

「ああいる。思うだけで涙が出るくらい大切な人が」

 

 

 

もう迷いはないんだ。

 

 

 

 

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