マフラーを貰う
貰うというか作ってもらう
手編みというとなんだか、嫌な感じにとらわれたりするが
全然気にしないで、巻ける
その人が自分の前から去ったあとに
そのマフラーだけが残って
その数が増えていく
それだけがただ悲しい
その時巻いていたマフラーが
その人に飼われていた犬のように
まるでそれが首輪のように
ぼくはこの人のためにいるって思うことが
嬉しくもあり
誇らしくもあった
首輪が変わっていき
思い出が箪笥にしまわれて
今は野良犬のように
首の周りには何もつけてない
今度は誰の元で
かわれるのだろうか
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