喉が渇いた
周りは草木に囲まれている
喉が渇いた
俺の隣にいる奴も同様だ
だからなのか
幻聴なのか
銃撃の音しか聞こえないその中で
水の音が聞こえてきた
俺たちはその音に向かって走る
人を殺す銃を持ち
人を殺す剣を持ち
俺たちは
人を生かそうとする水を求める
音が大きくなり広がった光景は
大きな川だった
誰も止めることなく
その川の水を飲む
対岸の向こうでは
俺たちと同じように
敵軍が水を飲んでいる
頭の上で銃撃は続いている
対岸の奴が一人死んだ
隣の奴が一人死んだ
一人死に一人死に
気づいたら
川が赤く
血で染まった
この話を読んで決して悲しいとか思わないで欲しい
人が生きる人が死ぬということを
考えて欲しい
戦争はやだよ