ガタンゴトン、ガタンゴトン
電車が、カーブの度に大きな体を揺らす
それと同調してぼくの肩に乗せてる君の頭も揺れる
ぼくはあわてて定位置に戻し、肩の位置を君と合わせた。
そうすると、君の頭はもう揺れることはなかった
ごめんよ、最初から気づいておけば良かったね
君は安心しきったように、寝息を立てて
ぼくに体を預ける。夢の中では何も思うのだろうか?
現実のぼくは無言の中、正直言ってつまらない
あとちょっと恥ずかしい、それを隠すように
寝ている君にいたずらをしたくなる
でもできない。そしてぼくも夢の中に行こうと思った
もうすぐ乗り換えの駅、もうすぐ君の街
寝ている君の手をそっと握りしめた
残念
握り返してくれなかった、、、、、、けどぼくは悲しくはなかったよ
いつだって手は握っているから、絶対に離さない僕たちの手
またね
君は小さく手を振る、ぼくも手を振る。
2時間52分
君の温かさを体に残しながら
今度は一人で暗闇の電車に飛び乗った
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