実感がなかった これが始まり。
話す声もその表情もその綴られる言葉もぼくには全部幻に見え聞こえていた
きっとこれは夢で起きたら自分の家なんだ
あの時のぼくは真剣にそう思った
確かめたかった
町並みも喧騒も全部違うのに、あなたが隣を歩いているのにぼくはずっと一人で歩いていた
饒舌に話していたぼくは取り残されないために必死だった
もちろん嫌われたくない
これが夢だとしても
悪夢に変えたくなかった