日記一覧

2008/03/10

廃市

クレヤン8号、本日やっとすべて入稿しました〜。
発行日がわかり次第(明日11日にわかる予定)、クレヤン通信を配信します。

さて、
朝日新聞土曜版beの「愛の旅人」がわりと好きでつい読んじゃうんですが、
8日土曜日は福永武彦の「廃市」でした。
大林宣彦監督で映画にもなっているらしいのですが、
小説も映画も私はぜんぜん知りませんでした。

「廃市」のモデルになった街は福岡の柳川。
柳川は旧城下町で、掘割のある水の街。
「届かぬ思いが生む絶望」を象徴するのが「水」。
と来て、私が思い出すのは、上越市の高田です。

高田は私が高校時代を過ごした街です。
母の実家があって、母の兄弟6人が住んでいた街で、
子供時代から頻繁に訪れていたので、とても懐かしい街なんです。

私の記憶の中の高田には、「止まったたくさんの水」がいつもあります。
高田も城下町で、お城のまわりをグルッとお掘が囲んでいるから。
公立高校はお掘のまわりに沿って建っていて、
私が通った北城高校もお掘のふちにありました。

お掘は蓮が有名です。
お釈迦様が座れるみたいな大きな蓮の葉がビッシリ浮かんでいるんです。

お掘に落ちて、蓮の下にもぐったら決して浮かんでこない、
という話はだれから聞いたんだったか。
いや、昔、お掘に落ちて死んだ武士が足首をつかんで離さないから
浮かんでこれないんだ、
と教えてくれたのはだれだったのか。

私がいまでも泳げないのは、あのコワいお掘を
子供のころからながめていたせいだったんでしょうか。
コワいのに、懐かしいのはどうしてなのか。
大嫌いだった高校がある街なのに片思いしているみたいなのはどうしてなのか。
生まれ育った新井よりも、私は高田がなんだかいつも妙に懐かしいんです。

あのお掘の不思議な魅力のせいなのかなあ。
死んでもいいと思えるくらい魅力的なお掘……。
「廃市」って、高田にも似合うタイトルのような気がする。