〜日本最古の歴史書・古事記には,
阿波のことが書かれています。〜

第28回

三村 隆範

黄泉の国【6】 千引きの岩(ちびきのいわ)

 桃の実を投げつけて黄泉の軍勢を追っ払ったが,最後にイザナミの命自身が追いかけてきた。
「そこで,イザナギの命は,黄泉比良坂(よもつひらさか)のに,千人で引くような巨大な岩で道をふさいだ。」と古事記に書かれている。
 徳島県勝浦郡上勝町にある月ケ谷温泉から美杉峠を越え南へ下ると徳島県那賀郡那賀町内山の谷間に巨大な岩が,道をふさぐかのごとく出現する。
 「日本書紀」には,「千人所引の磐石(ちびきのいわ)」と書かれ,千人で引くような大岩である。古事記に「黄泉比良坂の坂本に到りし時」と書かれるように,この巨岩の上に「字 坂本」の地名もある。
 以前,島根県八束郡東出雲町揖屋にある千引の岩を見に行った事があるが,高さ2m幅2mほどの岩の前に「千引き岩」と看板が書かれていた。想像するだけでもわかるだろうが,とても「千引の岩」といえるものではない。
 これまで黄泉の国の物語について書いてきたが,イザナミを葬った所,つまり,母の国(伯耆の国)から黄泉比良坂(よもつひらさか)に沿って,カズラ,ヤマブドウ,タケノコ,桃などがあり,イザナミノ禊ぎした地につながっていく。古事記に書かれるように順序よく並び,その後に展開する古事記の物語ともつじつまが合う。「古事記」の物語を以上のように説明ができるところを阿波以外には知らない。
 次回は,いよいよ天照大御神誕生へと続く



編集後記

 7月31日(日)徳バス観光サービスのサンデーツアーで,奈良へ121名がバス3台で行った。
 県外にツアーに出かけた人は帰って来ると多くの人は
「やっぱり…都会は,すごいワ」
という感想を漏らす人が多いと思う。田舎はアカンというコンプレックスを生まれながらに植え付けている。
 しかし,今回の121名は,違った。
「やっぱり…徳島は,すごいワ。がんばらなアカン」
と帰りのバスの中で感想を漏らすのです。
 同じ物を見ても,見方が変わると行動は違ってくるのです。
 阿波をもっと見なおそう。

【真瑠吾視比古(まるごしひこ)

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