天の岩戸が開くとき 人は神に帰る 18
 無条件について    三村 隆範

 大東亜戦争(第二次世界大戦,あるいは太平洋戦争)において戦争に負け,無条件降伏した日本。
 その後,その無条件降伏をした日本が,世界に勝ったのです。無条件には,それほどすごい力があるのです。
 人間は,いろいろと条件付きで物事を考えます。現実を素直に認められないのです。どうしても現実を自分の尺度に合わせて見てしまうのです。自分に気に入った時は,喜び,気に入らなければ,悩み苦しむ。
 そんなこと考えずに,無条件に喜んでしまえ!と言いたいのです。宗教的にいうなら
「信じなさい」です。というと
「そんな妄信的な,イワシの頭も信心から?」ともう反論が起こるが,それでも無条件に喜んでしまえ!と私は思っている。
 ある人と話していると
「悲しんでいたっていいじゃないですか」という私が,「そんなことを望む人がいますか?」というと
「悲しんでいても,それを楽しんでいる人もいるのよ」という。私は即座に
「『それ!楽しんでいる』と言ってるじゃないか!」と言った。
 阿波では,
   踊る阿呆に 見る阿呆
    同じ阿呆なら 踊らな ソンソン
といって,踊る(楽しく)ことを囃し立てる。どちらも「同じ何!」。この世に生かされているのですから,せめて意識のある間は,楽しくしようと心がける。
 私の母は,半身不随で20年近くになり,老人介護センターでお世話になっている。口を開けば,「早く死にたい」と言っていた。
 ある朝,母が目が覚めると自分のベッドの下で,知りあいの痴呆症の人が寝ていたという。そして「あれだけにはなりたくない」と言う。私が,
「その方が,いいじゃないか」と言うと
「いやぁ,あれだけはなりたくない」と言うので,
「頭がしっかりしている程,苦しみをよく感じる。いつも楽しく思う方がいいだろう」・・・。


〔編集後記〕

 阿波は阿呆の国です。エェッと思うでしょうが,阿波は昔から踊る阿呆の国ですよ。
 馬鹿と阿呆は紙一重と聞きますが,馬鹿と阿呆は違います。鹿を馬というのは,馬鹿が云うことです。阿呆は,鹿を鹿と言います。すると,そんな事を云うのは阿呆だと,みんなに言われます。

       【真瑠吾視比古(まるごしひこ)

 発 行 サークルアマテラス 阿波風の会
           題字 坂本真人
           制作 三村隆範
           編集 真瑠吾視比古

【ご投稿の おすすめ】

 「阿波風」(投稿誌,無料)を,月一回の予定で発行しています。
 阿波に暮らす人が「阿波」の文字の意味をもっと意識していたい。ということが「阿波風」を発行する最初の動機でした。しかし,現在は,書く方の自由な題材で,感じたこと,考えたことなどを書いて投稿していただいています。
 「何か書いて投稿してみませんか。」とおすすめしても,書くことは,話したりすることと違い,自分の恥を残すことになるので「書けません」とか,「また後で,いいことが書けたら」と言って断られる場合が多いのです。今よりもっとすばらしい自分があると思い,すぐ書けないのです。
 今,ありのままの自分を見せ,すばらしい自分を現わして生きていますから,すぐ書けるのです。
 いつも自分を表現して,話したり,何かをして生きています。書くことは,自分が自分を見ることになり,自分の考えを修正し,自分が向上していくのです。現れなければ見る事はないのです。
 自分の気づいた事を,文字に変えるとすごいパワーに変わります。
 書くことは,自分を他人に見せているのではなく,本当は,自分を見つめ,自分を知ることになるのです。ですから,書き続けていると自分が大きく向上していくことがわかります。
 自分を見つめてどれだけの時を生きているでしょうか,日々,浮世に流されて生きてはいないでしょうか? 意織を持つ人間が,何も感じず,何も表現せず生きているわけがありません。人は,生きること(人生)を楽しむために生きています。
 阿波では,踊る阿呆 (踊らな損そん)です。上手い下手はありません。あなたは,傍観者ではなく,この世の主役です。楽しんでいる自分を,あなたは見て生きていますか?
「楽しい方が楽しいよ」と囃す,阿波の心意気で,一緒に「阿波風」で表現したいと思います。
 今の自分が,望むこと・体感したことを,この「阿波風」に写してみてはいかがでしょうか。
 四〇〇字か八〇〇字までの原稿をお待ちしています。もちろん一行でも一文字「あ」だけでもいいのですよ。   締め切りは毎月15日です。

   心より,ご投稿お待ちしています。




  宇宙の漂いは
  風となり波となり現れ
  広がっていく

見えていて見えないものは
見えるものを通して見える
その瞬間が
あの瞬間に見えるなら
幸せ色のつつまれる