楽しい野菜作り(3)    橋本 節子

 8月ともなると,それぞれ(ゴーヤ,トマト,カボチャ,しその葉)よく成長してくれました。
 中でもゴーヤは,お隣さんの緑のカーテンのように立派ではありませんが,それでも,赤ちゃんのような小さなゴーヤが,まるでタンゴを踊っているようにブランブラン風に振れています。余りにも細く弱々しい蔓ガンバレ!!
 そして一方,プチトマトは目を見はるほど大きくなり,まっ赤に実を付けて「早く食べてよ!」と言わんばかりですが,「いやいや,まだ大きく成る,もう少し大きくなったのを食べよう!」と見守っています。
 毎日コツコツと弛まず,与えられた環境を生きている植物から,努力する事の大切さを学べた事は今回,野菜作りで一番の実りでした。

父へのハガキ        平 澄子

 入院していた母も50日余りの入院で,この度自宅へ帰る事が出来ました。
 不自由ながらも,何とか二人で頑張っているようです。
 退院して帰った時,父が夫に私のハガキを見せたそうです。
 母が入院している間,私が父に出したハガキが7枚あったそうです。
 恥ずかしいくらい,とても簡単な文面です。
 「今日病院へ行って来ました。お母さんは歩行器を押して歩く練習をしていました。暑い中,お体に気をつけて」
 このハガキのおかげで母の様子が良くわかったと夫に言ったそうです。
 私も少しは役に立ったのカナ?

天の岩戸が開くとき 人は神に帰る 24
 大人になろう
     三村 隆範

 手帳にメモした。
 「もっと大人にならなければ…」と。
 物心がついてから,それなりに努力してきた。気がつくと大きくなっていた。大人になる努力をしてきたと言えるほど,意識して大きくなったわけではないが,身体は大きくなっていた。
 心は大きくなったかといえば,まだまだ,子供のままであったと還暦も過ぎてから気がついた。
 物心がつくと自分の好き嫌いを自覚するようになり,年齢を重ねる毎に,それがますますハッキリしてくる。自分の気に入ったことが起こらないと腹が立ち,気に入ったことが起こると喜ぶ。
 広大な庭園の広がる大きな邸宅に住み,毎日,朝昼晩と好きなものを食べて,邸宅の前に広がるゴルフ場の1番ホールのティーグランドからボールを打つ。
 「ナイスショット!」 ホールインワン。
 2番ホール,3番ホール・・・18番ホール,すべてホールインワン。
 街に出て,宝くじを5枚買ったら,5枚とも3億円の大当たり,やることなすこと,すべてが思うとおり,うまくいく。こうなってくると,
 「こんな所にいても面白くない。
  これだったら地獄にいた方が面白い」
と言いだす始末。
 近くを歩いていた老人が
 「君は,何処にいるかわからないのだね」とつぶやいた。
 自分の思うとおりのことが起こらないから,この世は面白い。
 「やるぞ!」と思うことは,
 いつでもどこでも誰でもが,
 すぐ思うことが出来る。
 ただ,それが実現するかどうかは,
 「おおいなるもの」のみが知る。

 おおいなるものは,万物を生み育て育んでいる。
 その中の一つである私も,大(おおいなる)人であり そのおおいなる変化の中を, いつも よろこんで 歩んでいる。