BVR戦〜RWSモードのレーダー操作
さて。今度はBVR戦でのレーダーの使い方。
長距離でもオートマティックロックオンが出来る EF2000 や ADF,TAW 等に慣れた私としては、最初 Falcon4.0 での AIM-120 発射方法が分からずに首を傾げるばかりであった。(^O^; 撃っても撃ってもぜ〜んぶ明後日の方向に飛んでいくんだもん。(笑)
でも分かってみれば簡単。けどまず、この KOREA や Jane's F15 でお馴染みの「長方形レーダー」について触れておいたがよろしいか。
ここだけちょっと、分厚いマニュアルのページ4−7をば開けてほしい。このページの右上に Figure 13-8 と書いてある図がある。この通り、EF2000 等でお馴染みの「扇形」索敵範囲の、弧の中心をば、みよーんと左右に広げて展開したのが、この長方形レーダーである。
このレーダーでは、長方形上辺に居る敵が「遠い敵」を、長方形左右の辺に近いところは、「機首から左右に±60度のあたりの領域」を表す。機首から±60度より大きな角度の所に居る敵は、「レーダー探知不能域」であるので表示のしようがない。
ACMレーダーモードの所では説明しなかったが、あのレーダーモードも同じこの表現方式である。この表示方式のことを "B-SCOPE" という、てなことが、この4−6ページ下から4−7ページ中頃までの説明に書いてある訳だ。
さて、では本題に入ろう。中距離戦では中距離ミサイルの撃ち合いになる訳だが、ミサイル戦は先手必勝である。遠くからミサイルをぶっ放してさっさと逃げるか、あるいは敵が必死にミサイルを回避しようとしている間に懐に潜り込み、親玉を仕留めるか。何れにせよ、ミサイル戦では如何に早く敵を探知し、ロックオン出来るかが大きな鍵を握る。
これから紹介するRWSモードと、次回紹介するTWSモードは、どちらも中距離以遠のターゲットを見地、攻撃する為の空対空レーダーモードである。
◎RWSモードの使い方
- アジマス
レーダースクリーンに走る2本の長い縦線の間が、機首から左右方向に索敵出来る範囲を示す。この探索域のことを、"AZIMUTH(アジマス)" という。アジマスが広いほど、機首から左右方向の広い範囲を探索できるが、同時に範囲中をレーダースキャンするのに時間がかかるため、画面の更新に時間がかかることになる。
"F8"キーによるサブモード切り替えで、アジマスの調整が出来る。用意されたアジマスは±60度、±30度、±10度の3段階。アジマスが狭いモードである程、左右のスキャン幅が狭くなり、より頻繁にスキャン画面が更新される。すなわち、スキャン範囲内のリアルタイムに近い敵の動きを知ることが出来る。(当然、スキャン範囲外の敵の動きは見ることが出来ない)
現在選択中のアジマスは、レーダースクリーン左辺真ん中に、縦に "A1"/"A3"/"A6" と表示される。(それぞれ±10度、±30度、±60度を示す)
後に説明するが、カーソルキーの←,→により、機首から左右方向に±60度の範囲内で、探索の中心を左右に移動させることができる。
※機首から左右方向の探索可能範囲は±60度に固定されているが、カーソルキーの←,→でその範囲内の特定箇所を狭いアジマスで走査することにより、機首の向きを変えずに進路から若干外れた方向の敵機を追跡できる。
- バー
機首から仰角/俯角方向の探索幅のことを、"Bar(バー)" という。
バーの値が大きいほど、仰角/俯角方向に「厚い」範囲をレーダースクリーンという一枚の平面に投影して表示することが出来るが、ここでマニュアルの4−8ページ、Figure 13-11 の図を見ていただきたい。
1-bar の時は、アジマス範囲を左から右、右から左へスキャンするごとに、片道で1枚のレーダースクリーン画面が生成・更新されるのであるが、2-bar であれば往復で初めて1枚のレーダースクリーン画面が更新される。この時、左から右へスキャンした後、俯角方向にシーカーを下げて右から左へスキャンすることで、1-bar の時より、仰角/俯角方向により「厚い」範囲を1枚のレーダー画面に納めているのだ。
4-Bar になると 2-Bar より更に「厚い」範囲を1枚のレーダー画面に納める事が出来るのだが、1枚のレーダー画面を生成するのに4回もアジマス範囲をスキャンせねばならない。つまり、1枚のレーダー画面を生成するのに1-Bar の時の4倍時間がかかる訳だ。
なお、現在選択中のバーは、これまたレーダースクリーン左辺、アジマスモード表示のすぐ下に、"B1"/"B2"/"B4" で表示される。用意されているバーはこの3段階である。バーの切り替えは "SHIFT"+"F8" で行う。
時間をかけて仰角/俯角方向に「厚い」範囲を1枚の画面に収めたが良いか、それとも「薄い」範囲を短時間で作った方が良いか、それは各自が選べば良い。
"F5"/"F7" キーにてレーダーの照射方向をそれぞれ俯角/仰角方向に上下させることができる。→ "Tilt Radar Antena"(レーダーの傾きを元に戻すには "F6"キー)
レーダースクリーンのどこか(アジマスの幅の中心線上)に、小さな小さな "||" マークと、その右横に2桁の数字が上付き、下付きで添えられているのが見えると思う。これはカーソルキーによりレーダースクリーン上を上下左右に動かすことが出来るポインタである。ポインタに付いている数字は、現在のバー設定値・自機の姿勢・仰角/俯角方向のレーダーの傾きの大きさを元に、ポインタ位置(自機からの方向・距離)に投影された標高範囲(最高高度/最低高度)を示している。
※ここで使った「仰角/俯角」という表現は、自機の翼面を基準に、それより上を「仰角」、下を「俯角」と言っている。
#旋回しながら周辺の残党狩りをする時なんか、アジマス±60度("A6")、1-bar か 2-bar 辺りで探索すると効率良さそう。金魚すくいみたいだ。
- レンジ
これは EF2000 等でもお馴染みの、「自機からの距離」という意味でのレーダー探索範囲を調節するものである。"F3" キーを繰り返し押すことによって探索可能距離を短く、近距離の様子を詳しく表示出来る。"F4" キーを繰り返し押せば、探索可能範囲を長くしより遠くの航空機まで探索することが出来る。
現在選択しているレンジは、レーダースクリーン左辺の、アジマス表示の上に▲、▼で上下を囲まれた数字として表されている。(単位はnm)
10nm程度の近距離に敵機が居るなら、速やかに "END" キーを押すなどして RWS モードから ACM モードに切り替えるべきである。
この Falcon 4.0
の対空レーダー、特にRWSモードを弄くっていて、「ははぁ、ジェットでの長・中距離戦ってぇのは、レーダー弄りが中心業務(?)になるんだなぁ」と思ったものだ。
でも、キャンペーン等で向かってくる敵軍に対するBVR攻撃の時間は非常に限られている、というのも実感した。レーダー遊びにうち興じていると、兵隊アリのような敵戦闘機が、群から離れてミサイルぶっ放しながら全速で迫ってくる。(^^;;
ジェットの空戦で「時間の無さ」を強く感じたのは、このシムが初めてある。(更にもっと接近して、すれ違う時のスピード感も凄いっ!)