BVR戦〜TWSモードのレーダー操作、他

 

◎TWSモードについて

TWSモードはRWS−SAMモードやSTTモードに比べ、複数のターゲットに関する情報をより多く提供してくれる。ただ、その情報は、前に探索した時に得られたデータ(探知した機影の速度、向き、位置、角度)を元に近似的に概算して割り出したもので、結果にはいくらかの不正確さが含まれる。(RWS−SAMやSTTモードでは範囲を限定した領域に対して集中的に追跡を行い、リアルタイムに得た情報をそのまま表示している為、正確なデータを表示することが出来る。)

TWSモードでは16個のターゲットを同時追跡出来る。最初に探知されたターゲットは小さな■で表されるが、Falcon4.0 では、TWSモードは3秒以上スキャンビームに探知されるものを自動的に優先順位付けする。優先順位付けされた機影は▲で表され、進路を線で示し、その側には機影の高度が数字で表示される。(速度は進路を示す線の長さで表される。)

RWSモードでも出てきた "||" 型のポインタはこのTWSモードでも現れ、やはりRWSモードと同じく、優先順位付けされた機影にカーソルキーを使ってポインタを重ね、テンキーの "0" を1〜2秒押しておくことでロックオン出来る(▲が○で囲まれる)。ロックオンした目標に関するより多くのデータ(アスペクトアングル、向き、速度、相対速度)が、レーダースクリーンの上部に表示される。TWSモードのロックオンでは、STTモードと違い周囲のターゲットも▲マークのまま(「指定」状態のまま)表示され続ける。

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TWS補足
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TWSについて補足を少々。

RWSでは、アジマス・バーの切り替えにより様々な(自分の用途に合った)レーダースキャンモードを選べたが、TWSでは "F8" キーによるサブモード切り替えで2種類のスキャンモードしか選べない。

選べるのは、

の2種類だけだ。

ただ TAISEN にて Fuji 氏と話していたときも出たのだが、Falcon 4.0 での遠距離レーダーによるターゲッティング(ロックオン)には癖がある。必ずカーソルキーでレーダー画面上に居る敵をポインティングする必要がある。まだしもマウス操作で出来てしまえば楽なのだが ……

キーアサインカスタマイズ画面中には "Lock previous target ("DEL"キー)","Lock next target ("PGDN"キー)" というキーがあるが、シミュレーション度最高のレベル("ACE"レベル 100%)ではこれらのキーは使えない。

ACMモードの Boresight サブモードにおける直接照準ロックオンの反応は、KOREA よりも Falcon4.0 の方が良いらしい。

 

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ミサイル発射タイミング 〜 DLZインジケーターについて
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AIM-120 等の対空ミサイルを("ENTER" キーを何度か押すことで)準備しておき、かつターゲットをロックオン出来ていれば、HUD右上にDLZスケールが現れる。DLZスケールとは、対空ミサイル発射準備が出来ているとき、HUD中央の大きな○(レティクル)の右横に現れる、左に大きな"["、右に小さな "]" を組み合わせた形 の表示のことだ。

この表示では、大きな "[" が、小さな "]" に覆い被さっている。
"[" 側の上端、下端の横線は、それぞれ目標が何も動かない場合の命中可能最大距離と最小距離を示している。
"]" 側のそれは、目標が動く場合の命中可能最大/最小距離である。
また "[" の右側にある ">" マークは、ロックオンしている敵機までの距離を示している。
">" マークの左の数字は、ロックオンしている目標の接近率を示す。

よって移動する空中目標に対して対空ミサイルを撃つ場合、">" が "]" の上下の横線範囲内に入っている状態で撃たねばならない。

DLZ表示の上方に表示されるレーダーレンジ(DLZインジケーターの上の数字)は、今選んでいる 80,40,20,10,5nm のレーダーレンジスケールに一致して表示される。ただし、目標までの距離が 4.5nm 以内に接近した場合、自動的に "5" nm にセットされる。

AIM-120 をロックオンした目標に向けて発射した場合、DLZ表示のすぐ下にミサイルの飛行時間の秒読みが2種類表示される。上段は次のミサイルを発射する場合のミサイルタイミングカウンタ、下段は最後に撃ったミサイルのタイミングカウンタだ。

AIM-120 はミサイルが目標を独自で追跡する「撃ちっぱなし」タイプのミサイルであるが、ミサイル自身のレーダーシーカーが目標をロックオン出来るより遠い距離で発射された場合、ターゲットをロックオンするまでの間母機がミサイルを操縦し続けねばならない。この「母機が追跡せねばならない期間」は、"A" が頭についた秒読みがカウントダウンされる。"A" が頭に付いた秒読みが0になった後、ミサイル自身のレーダーシーカーは有効になる。その後は "T" が頭についた秒読みが始まり、ミサイル命中までカウントダウンされていく。

ミサイルが母機の誘導を必要としているうちは、ターゲットをロックオンし続けて(レーダースクリーン上で、ターゲットを表す▲が○で囲まれている状態にし続けて)おくこと。(AIM-7 の場合は、発射から命中までロックオンし続けておくこと)

DLZ表示に重ねて、"Active Seeker Range Cue" が表示されている。これは AIM-120 の発射後、ミサイル自身のレーダーシーカーが有効になるまでの距離を示すもので、DLZインジケーターの "]" 上に数字と○で表示される。

 

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対空ミサイルの射程距離
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AIM-120 の、接近中の目標に対する有効射程距離は 15nm 程度、AIM-7 のそれは、面と向かって突進してくる目標に対しては 18-20nm,最大の操作性を持つ距離は 12-15nm である。

短距離ミサイル AIM-9 Sidewinder では、向かってくる目標に対する有効射程距離が 4nm、逃げていく目標に対する有効射程距離は 2nm である。かなり接近して撃たねばならないようだ。

また AIM-9 には "P" モデルと "M" モデルの2種類が用意してあり、"P" モデルは旧式の後方熱源追跡タイプであるため、敵機の背後 2nm に近づき、エンジン排気の熱源めがけて撃たねばならない。"M" モデルでは全方位からの発射で命中可能なモデルである。がしかし、AIM-9 のシーカーヘッドは熱源に対して非常に敏感であり、目標の背後に肉薄して発射することで命中の確率が高くなる。

更に加えると、Falcon4.0 で出てくるかどうかは不明だが、AIM-9 には "L" モデルというのも存在する。これは "M" モデルの旧バージョンらしい。


99/01/01(金) 18:52 HUQ(RXL03123)
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