PCの設定について

 

ここでは他の章とは少し趣を変え、TAWやADFを毎回安定して起動させるためのマシン設定について述べる。TAW/ADFが安定して動作しない、という方は、もう一度この章を良く読み直して欲しい。キーとなる部分は太字の明るい紫色にしているので、その前後の文章を拾い読みして、自分がやったこと・自分の環境と差違が無いか確認して欲しい。

 

◎TAW/ADFインストール前の注意

まず、そもそもインストール時にPCに問題が無いということが、安定してアプリケーションを動かす為の最低条件である。どんなアプリケーションでもそうだが、TAW/ADFをインストールする時に以下のチェックを行ってほしい。

次に、TAW/ADFのをインストールする時に特に注意したい点を述べる。

コントロールパネルの「マルチメディア」を開いてほしい。Windows98 であれば「デバイス」タブを、Windows95 であれば「詳細設定」タブを開く。で、Tree構造の中の「オーディオ圧縮Codecs」を開く。もしここに「DSP Group TrueSpeech(TM) Software CODEC」という項目が無いなら、以下の手順でこのコーデックのインストールを行う。

  1. コントロールパネルからハードウェアウィザードを起動する
  2. 「自動検出」は「いいえ」を選択。「サウンド、ビデオ、およびゲームのコントローラ」を選ぶ。
  3. 「製造元」を「DSP Group」とし、「モデル」で「TrueSpeech(TM)Software CODEC」を選択する。
  4. インストールを行う。

TrueSpeech(TM) Software CODEC がインストールされたら、先の「マルチメディア」ダイアログからこのコーデックのプロバディを開き、「このオーディオ CODEC を使う」にチェックを付ける。更に「優先順位を変更」で優先順位を1にする。これをやっておかないとTAW/ADFが起動しない、とか、フライト中音が複数重なったときに異常終了する、といった問題が発生する。

もう一つ、コントロールパネルの「マルチメディア」の「MIDI」タブを開き、「単一の機器」で選択されているのが「Criative Advanced Wave Effects Synthesis for AWE32」や「ハードウェアMIDIデバイスの類であることを確認する。TAW/ADFでは、「Criative Stereo Music Synthesizer」や「Roland VSC-88」や「WaveSynth/WG MIDI」や「WinGroove」等々の「ソフトウェアMIDI」と呼ばれているものでBGMを鳴らしながら、効果音を同時に、安定して鳴らすことが出来ない。またちゃんとMIDIデバイスを指定していても、後述のようにBGMを鳴らすと動作不安定になる場合がある。TAW/ADFにおけるBGM再生は、どうも鬼門である。

マシンに Voodoo/Voodoo2/Banshee 等の 3Dfx 社製チップを使ったグラフィックカードを入れている場合、これらのグラフィックカードのドライバを最新版に更新することも忘れてはいけない。ドライバは使っているカードのメーカーの HomePage を参照のこと。また、3Dfx 社製チップを使ったビデオカードに限らず、大概の場合はグラフィックカードのドライバを最新版にしておいたほうが、安定して作動する。(必ずしも最新版が「最速」であるとは限らないが。) また、Voodoo Rush/Voodoo2/Banchee といった比較的新しい 3Dfx 社製カードを使っていて、TAW/ADFを Glide モードでインストールした場合、後述する「TAW/ADFのパッチ」が必須である。これを当てないと、フライト画面に入ると真っ暗になって画面が表示されない、という問題が発生する。

ジョイスティックを使っているなら、ついでにコントロールパネルの「ゲームコントローラ」でジョイスティックの調整を行っておくといい。

Diamond MonsterSound等、Aureal のチップ(Vortex/VortexII)を使ったサウンドカードを使用している場合、「ゲームコントローラ」の「詳細」タブの「ポートドライバの割り当て」で、「標準のゲームポート」以外に専用ポートドライバを割り当てることが出来る。一般的にはそちらの専用ポートドライバを使った方がジョイスティックがの入力が安定するが、スティックの可動範囲を変える等の改造をしている場合、「標準のゲームポート」にしていないと入力がゲームに100%反映されない場合がある。「旋回に最適な速度を守っているのに、何故か旋回が大回りになってしまう。Gがかからない。」といった問題に直面しているなら、一度「標準のゲームポート」に戻してみることをお勧めする。また、これとは別に、ThrustMaster社製のスティックを使っている場合は、同社の HomePage にある「TMscope」と言われる専用のスティック設定ツールできっちりとジョイスティックの調整を行わないと、「Gがかからない」問題が発生する場合がある。

他にスティックがらみの問題としては、TAWにおいて、Microsoft の Force Feed Back スティックで「センターが出ない」という問題があるらしいが、イマジニア版ではパッチで改善されている模様である。輸入版ではどうなのか不明。もともとTAWの Force Feed Back は CH社の Force Feed Back ジョイスティック、「I-Force」をターゲットに作られているようで、他社の Force Feed Back スティックでは問題が発生しうる。ADFでは残念ながら Force Feed Back 機能は有効にならない。

 

◎TAW/ADFインストール時の注意

以上の前準備が済んだら、いよいよTAW/ADFのインストールを行う。

もし既にTAW/ADFをインストールしていて、設定がおかしいので再インストールしたい、或いはビデオカードを変えたので該当するグラフィックオプション(Glide/Direct3D)で再インストールし直す必要がある、という場合、再インストール前に必ずTAW/ADFのアンインストールを行うこと。

アンインストールは、インストール時に作成されたアンインストール用のアイコンを実行するか、或いはコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」でTAW/ADFを選択し「追加と削除」ボタンを押すことでアンインストールすること。アンインストールが出来たら、当初インストールしていたフォルダをエクスプローラ等で開き、フォルダごと削除する。決してアンインストールせずにいきなりフォルダを削除しないこと

ではインストール時に必要な手順を解説する。

 

◎TAW/ADFのオプション設定

無事にインストールが終わり、初めてゲームを起動したら、まず OPTION 画面に行く。

3Dアクセラレータを有効にしたい場合、画面左上の「Global Options」で「Hardware」を選ばねばならない。「Software Only」では 3Dアクセラレータのハードウェアが有効にならず、全ての3D処理がソフトウェアのみで行われる。これでは画質は荒いし、CPUにかかる負荷が高くなり、フレームレートも落ちる。

ただし、インストール時にグラフィックカードオプションの設定で「Direct3D」を選んだ場合、「Hardware」の設定ではフライト中に頻繁に描画の「引っかかり」が生じる場合がある。この「引っかかり」がどうしても気になるなら、描画品質と平均描画速度を我慢して「Software Only」にするしかない。なお、3Dfx 社製チップを使ったカードにて、「Glide」モードでTAW/ADFをインストールしていれば、「Hardware」で描画に引っかかりが生じる問題は殆ど発生しない。

 

◎その他問題の解決

現在 nVIDIA から、「Detonator」と呼ばれる最新のリファレンスドライバが出ており、これを用いれば色化け問題は解決する。既にこのリファレンスドライバのコアを用いた新ドライバが各カードメーカーからリリースされつつあり、これを用いればメーカー純正のドライバ環境で、色化けの無いメニュー画面に出来る。

まだこのリファレンスドライバを使ったカードメーカーの新ドライバが出ていない場合、出るまで我慢するか、或いはリファレンスドライバを使用すれば解決する。ただしリファレンスドライバを使うことで、TV入出力等の特殊機能が使えなくなることがある。

nVIDIA の「Detonator」リファレンスドライバは、以下のサイトにある。

http://www.nvidia.com/ 画面上の "PRODUCTS" をクリック

 

この問題は非常に根深いようで、未だ確実に解決に至る方法を紹介出来ない。

私の所では Criative SoundBlaster AWE64G でこの問題に悩まされた。しかし、サウンドカード単体の問題とも思えない。同時に使用している Voodoo カードや、メモリの速度、CPU の処理速度、バスの転送タイミング等も絡み合っているように思われる。

あくまで私の所での話だが、サウンドカードを Diamond MonsterSound に変えたところ、この問題はほぼ解決した。その後3Dカードを Diamond Monster3DII ×2(SLI接続)にし、サウンドカードを Diamond MX300 に変更したが、この問題は再発していない。参考までに、現在の私がTAWをプレイする時のハードウェアの構成は、以下のようになっている。

CPU:PentiumII 300MHz(504MHz で使用)
MotherBoard:Abit BH6(ベースクロックを112MHzで使用)
Memory:128M SDRAM(CL2)×2(メモリチップはヒュンダイ製。CL3で使用)
2Dcard:ASUS AGP-V3400TNT/16/TV(ただしフライトでは未使用)
3Dcard:Diamond Monster3DII-12M×2(SLI接続。Glideモードで使用)
Sound:Diamond MX300
HDD:全てSCSI接続。SCSI Hostアダプタは Diamond FirePort40

もっともCPU・ベースクロックのクロックアップをしているので、同じハードウェア構成にしても動作するとは限らないし、場合によってはハードウェアを破損する可能性もある。また仮に動作しても、ひょっとするとドライバ構成によっては「音切れ」問題は解決しないかもしれない。

 

PC/AT互換機にて日本語 106/109 キーボードを使っている場合、輸入版のTAW/ADFをインストールすると、推力変向システム−ベクタードスラスト−のキー使いで問題が発生する。

このキーは英語 101/104 キーボードにおいて "~" キーに割り当てられているが、日本語 106/109 キーボード上では "半角/全角" キーに相当する。

英語 101/104 キーボードでは、このキーを「押している間だけ」ベクタードスラストが有効になる。ところが日本語 106/109 キーボードでは「押すと有効」となり、押すのを止めても有効になったままである。無効にするには「ALT+"半角/全角"」を押す必要がある。

日本語 106/109 キーボードでも "半角/全角" キーを押している間だけベクタードスラストを有効にしようと思ったら、以下の設定を行う必要がある。

  1. まず、コントロールパネルの「システム」の「デバイスマネージャ」タブを開き、「キーボード」Tree を開いて 106/109 日本語キーボードドライバがインストールされていることを確認する。
  2. コントロールパネルの「ハードウェアウィザード」を開き、「自動検出」は「いいえ」で、ハードウェアの種類は「キーボード」を選ぶ。
  3. 「製造元」は(標準キーボード)を選択し、「モデル」は「101/102 英語キーボード…」を選択する。Windows のバージョンによっては、更に以下の手順を行う必要がある。

    コントロールパネルの「システム」−「デバイスマネージャ」タブを開き、「キーボード」のツリーの中にあるキーボードドライバのプロバディを開く。

    「ドライバ」タブを開き、「ドライバの更新」ボタンを押す。ここでデバイスドライバウィザードが開くので、「一覧からドライバを選ぶ」にチェックを付けて「次へ」進み、「すべてのハードウェアを表示」として「101英語キーボード」を選択し、「完了」ボタンを押す。

  4. インストールが完了したらマシンを再起動する。
  5. エクスプローラ等で C:\Windows\system\ フォルダを開き、"Kbdjp101.kbd" をリネーム or 削除する。
  6. 同フォルダ内にある "Kbdjpa01.kbd" を "Kbdjp101.kbd" にリネームする。
  7. エクスプローラの文字メニュー中の「表示」の中から「フォルダオプション」のサブメニューを開き、「表示」タブ中の「ファイルの表示」で「全てのファイルを表示する」を選ぶ。
  8. ファイルの表示設定を完了し、メモ帳で C:\Config.sys を開く。
        devicehigh=C:\WINDOWS\jkeyb.sys /101 C:\WINDOWS\jkeybrd.sys
    となっている行を
        devicehigh=C:\WINDOWS\jkeyb.sys /106 C:\WINDOWS\jkeybrd.sys
    と修正し、上書き保存する。
  9. マシンを再起動。

なお、イマジニア版TAW/ADFでは、パッチでベクタードスラストキーが別のキーに割り当てられ、上記の設定を行うことなくこの問題は解決する。

 

Voodoo/Voodoo2/Banshee 等を使ったカードをマシンにインストールしただけでは、TAW/ADFは Glide モードで動作しない。一旦 Direct3D モードでインストールしたTAW/ADFは、Voodoo系カードを使ってもなお Direct3D を使って動作するのだ。

TAW/ADFで Glide を有効にするには、一旦 Direct3D モードでインストールしたTAW/ADFをアンインストールし、再度 Glide モードでインストールし直さねばならない。

 

この問題は使っているビデオカードの Direct3D ハードウェアアクセラレーション機能のうち、mipmap という機能を無効にすれば改善される。

mipmap機能の on/off の仕方は、カードによって異なる。大概はコントロールパネル−「画面のプロバディ」のカード固有のタブ中にある。或いは「設定」タブ画面の詳細設定メニュー等からカード固有の設定が出来る画面を開いて行う。

"mipmap dithering" というのは、mipmap が有効な時にその表現方法を選択するメニューである。これを変えれば改善されることもあるが、改善されないなら mipmap 自体を無効にするしかない。

 

私の所では Millenium II-4M PCI を使っていて、この問題に遭遇した。カード特化ドライバの最新版 Version 3.83.017 ではこの問題は解決されないが、ユニバーサルドライバの最新版 Version 4.11.011 を使えばこの問題は解決される。

ドライバは以下の URL にある。自分の持ちカードに合うドライバをダウンロードして欲しい。

http://www.matrox.com/mga/drivers/latest_drivers/home.htm

 

まぁハッキリ言ってしまうとDIDのプログラムの作りと、Microsoft の OS の設計の仕方に問題があるのだが、こんな事にならぬよう、一旦TAW/ADFが異常終了してしまったら、必ず Windows の再起動をすること。異常が出た後続けてTAW/ADFの再起動を試みないこと。

こうなってしまったらもう、Windows の再インストールをするしかない。

 

Windows に大量のフォントがインストールされていると、この問題が起こる。コントロールパネルの「フォント」を開き、幾つか使っていないフォントを削除して、Windows を再起動してみる。readme.txt によると 500 以上のフォントをインストールしているとこの問題が起こるらしいが、恐らくこれは英語フォントの話であろうし、日本語フォントが数多く入っていると 500 より大幅に少ないフォント数でもこのエラーが出るかもしれない。

この問題は Windows のフォント設定のどこかがデフォルトと異なっている場合に起こると考えられる。コントロールパネルの「画面」のプロバディの「デザイン」タブで使っているフォントを、Windows に最初から入っているデフォルトのフォントにするとか、Microsoft のフリーの Windows設定ツール「PowerToys」に含まれるているツールの一つ、「Tweak UI」などの Windows 各種設定ソフトを使って、フォントの設定をデフォルトに戻す、といったの手段を講じてみるといい。

「PowerToysの日本語化シリーズ」http://plaza7.mbn.or.jp/~suto/

或いはマシン起動時、デフォルトで2秒間 "Starting Windows 95(98)..." と表示されている間に "F8" キーを押し、現れた起動メニューから "Safe mode" を選んで一旦 Windows を Safe mode で起動させ、その後マシンを再起動して通常に Windows を起動し直す手もある。

 

インストール時にフルインストールしていないのに、CDを入れずにTAW/ADFを起動したとか、或いはフルインストールしたものの、TAW/ADFの構成ファイルが破損している等の理由でこの問題が起こる。ちゃんとCDを入れて起動するか、ハードディスクの空き容量を確認してフルインストールをやり直す。

3Dfx 社製チップを使ったグラフィックカードで、かつ Glide モードでTAW/ADFをインストールしていないと、これらの機能は使えない。

アンチエイリアシングとは、物体の輪郭のギザギザをなだらかに見えるようにする機能。ADFでは隠し機能になっていて、800x600 の解像度でないと有効にならない。TAWでは 600x400,800x600 どちらの解像度でも有効になる。ただ、OPTION メニューでこの機能を有効にしていても、フライト画面でこの機能が有効にならないことがある。その場合、フライト画面で ALT+"7" を押すとこの機能が有効になる。

パワーマネージメントによる省電力機能が働いたり、タスクスケジューラ中の何かのアプリケーションが裏側で起動したと思われる。TAW/ADFに限らず、リアルタイム性が重要なアプリケーションを実行する場合には、パワーマネージメントを切り、タスクスケジューラも一時停止することが望ましい。

また、Windows98 を使っていて「Windowsの重要なお知らせ」をインストールしている場合、インターネットに繋いでフライトしている、つまり多くの場合、対戦している時にいきなりこの「Windowsの重要なお知らせ」が裏で立ち上がって、この症状が起こることがあります。タスクスケジューラの中でこの「Windowsの重要なお知らせ」を削除しても、Windows を再起動すると元に戻ってしまうようです。根本的な解決は、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」から、「Microsoft critical〜update」とかいうものを選択し、削除してしまうことです。

 

TAW/ADFが異常終了したら直ちに Windows を再起動し、TAW/ADFを立ち上げ、OPTION 画面で Music のチェックを消し、すぐTAW/ADFを終了する。

 

ビデオカードのクロックアップが原因と思われる。ビデオカードのクロックアップはリスクの割に効果が少なく、あまりお勧めしない。規定のクロックで使用することをお勧めする。

 

物体が少ないときは快適であるならば、アップグレードすべきは CPU。フライトシムは浮動小数点演算を使うので、同クロックであれば AMD や Cyrix の CPU より、Intel のCPU、それも Celeron や PentiumII、PentiumIII が最適だ。クロックは 300MHz 以上欲しい所。

フライト中に頻繁にHDDにガリガリアクセスしているようであれば、メモリが足りない。メモリを128M程度に増やすと良い。どうしても常駐させておきたいソフトが沢山メモリを占有しているのなら、もっと必要になる。Windows 98→95 のダウングレードも有効。

3Dカードは、TAW/ADFに関してはなんと言っても Voodoo 系を薦める。Glide モードでTAW/ADFをインストールし直すことを前提に。同じ Voodoo 系カードでも、少しでも搭載メモリの多いものを選ぶべき。TAW/ADFは、現存するフライトシムの中でもとりわけテクスチャメモリを大量に使うからだ。つまりお勧めは Voodoo2-12M か、Banshee-16M のカードとなる。ただし、Voodoo2 の SLI 化は殆ど効果が無い。Voodoo2-8M の SLI より、Voodoo2-12M の1枚挿しの方が意味がある。


99/03/07(日) 23:19 HUQ(RXL03123)
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