BD(基地防衛)ネット対戦戦略

 

◎BDとは

Kali server TAISEN の #F-22TAW(日によって若干名前が違うことあり(^^;)の部屋に於いては、よく「BDいこ〜」とか「BDやる人ー」という声が流れる。ここで言う「BD」とは "Base Defense" の略であり、チームに別れて互いの空港を蹂躙し合う形式の対戦のことである。

Kali server TAISEN で行われるBDは、回線状態等を加味して主に以下のレギュレーションで行われている。

戦場の選択理由は、ゲーム内時間が昼間で戦いやすいこと、互いの基地間の距離が適当であること、互いの基地の中間に山脈があり、そこに隠れて隠密行動を取ったり、ミサイル回避を行ったりすることが可能であること、等である。

人数が敵味方あせて4人というのは、爆撃・ミサイル攻撃・フレア等撒き放題というルールのBDをやる上で、日本の一般的なネット回線(ISDN-64k同期使用者&336kアナログモデム使用者混在)上での人数の限界値であるからである。(これ以上人数が増えるとワープやラグがどんどん酷くなり、敵と出会ったときに行う空戦すら困難な状態になってくる)

使用兵器の選択理由は、Marveric は建築物をロックオン出来ないため。Rocket は連射した時回線に対する負荷がかかりすぎるためである。

最後ルールで「離陸中の敵機を攻撃することもOK」というのは、そもそも敵陣まで到達して攻撃することが大変だということ、また、到達してもそのままずっと攻撃し続けるのには無理があるということ、また、自陣に敵機が居るということは、敵陣の防御が薄い=チームメイトによる爆撃がやりやすくなっているということ、更にチームメイトが居るのであるから、どうにも飛ばせてもらえない時は味方に Help を出し、わざと墜落・自爆して戻ってきてもらって解決出来るということ、等々、他にも様々な理由がある。とにかく、なんでもありとすることによってよりリアルな戦況を再現するという効果が表れている。

BDに限らず、TAWの対戦では「得点制」「時間制限」が設けられているため、勝ち負けが非常にハッキリしている。また時間を区切って楽しめる。これが私が「対戦はTAW」と決めている一番の理由だが、中でもBDは熱い。なんだか「BDのススメ」みたいになって恐縮だが、EF2000 以来足掛け3年以上ネット対戦を続けている私でも、TAWにおけるBDは本当に熱い。1on1の対戦では「相手を倒すこと」に全身全霊を賭けた、これはこれで非常に熱い戦いだが、どうしても互いにレベル差があったり、双方の間に「慣れ」があったりすると「燃える魂のぶつかり合い」というより「互いの技術レベルの向上」に目的が変わることがある(いや、それもまた非常に有意義であるが)。しかしBDでは、レベル差はチーム決めの時点で調整され、更に必ずしもチームメイトの個々の力が強いチームが勝つ訳でもない。味方に対する祈りにも似た期待、強力な敵を2人で迎え討ったり、各自が各々の任務を遂行することで得点が増える連帯感、点差が開いていても、敵の自軍への着陸一発で追いつかれてしまう緊張感、等々、数え上げたらキリがない。そんなわけで、今日も私は「熱い戦い」を求めてBDをやりに TAISEN へ行くのである。(^^;

そんなBDだが、やはりチームで戦う分BDには特有な「策」というものが存在し、それを知っていると知らないでは、楽しみに大きな差が出る。ここでいう「策」とは、"eyeball & shooter" 等のような、フライトシムのマニュアルによく載っている「連携による敵機撃墜方法」ではなく、もっと巨視的に、戦況を有利に進めるための Tips である。「パイロットとしての経験・知識」というものではなく、いわば「司令官としての経験・知識」といったものか。その辺のところを掴むべく、以下の文章を読んで欲しい。

 

◎BDで必要なフライト技術

「策」と言いかけておいて恐縮だが、まず最初に「策」を成功させるために必要な飛行技術を挙げさせてほしい。如何に素晴らしい策であっても、それを完遂出来るための技術というものがどうしてもある。取りあえず、1on1での対戦(これが一番上達が早い!)や Off-Line における Hard レベルのAI機との戦いによってこれらのことが出来るようになってほしい。

 

◎得点

BDにおける得点配分を説明する。ちなみに、戦場 "Mountain Battle" における勝利得点は 100 点である。(制限時間は40分。制限時間を越えた場合、その時点で得点が多かった方の勝ち)

まず、破壊すべきターゲットを破壊した時に得られる点数は以下の通りである。

基本的に、施設は guns では破壊出来ない。ただし、Red軍(滑走路が1本ある方)にある白くて細長いものが2本並んでいるものは燃料貯蔵タンクだが、これは guns でも破壊可能である。滑走路端の吹き流しも同様(ただしこちらは点にはならない)。Blue軍(滑走路が2本ある方)にある屋外ハンガー(中空の円柱の縦切りの半分が寝かせて置いてあるような形の、屋外に機体を駐機させる時の雨風避け)も guns で破壊可能である。

敵に撃墜された場合のペナルティは、−1と小さい。

破壊してはならないターゲットを破壊した時に与えられるペナルティは、以下の通りである。

この通り、破壊してはならないものを破壊した場合のペナルティは非常に大きく、折角稼いだ得点をふいにしてしまう。また一旦破壊した建物はゲーム終了まで復旧することはない。

例えば敵軍施設に体当たりをかました場合、施設を破壊出来たとしても、得点+5、ペナルティ−6で、計−1となってしまう。更にゲーム開始時にハンガーから出て離陸するとき、まかり間違ってハンガーに衝突・破壊し、更に僚機も巻き添えで殺してしまおうものなら、最大で−6(自爆)−10(自軍施設の破壊)−6(僚機の破壊)で、計−22ものペナルティがかかってしまう(実話(爆))。くれぐれも、破壊すべきでないターゲットの近くで行動する時は慎重に。(例えばゲーム開始直後、いきなりスロットルを全開にしたままエンジンに点火したりしないこと。)

もう一つ忘れてはならないのが、敵空港への着陸である。これはなんと+20ものポイントが与えられる。敵空港滑走路上からはみ出さないようにきっちり着陸し、滑走路上でエンジンを切って、速度0の完全停止状態になればこのポイントが与えられる。勿論、着陸中にダメージを受けるなどして停止出来なくなると、ポイントを得られないのみならず「ゴキブリ状態」となって永遠に徘徊する憂き目に遭うので注意すること。

 

◎BDにおける戦略組み立てのポイント

まず、BD対戦における「悪いパターン」の例を挙げる。

☆悪いパターン

チームメイトと自分の双方が自軍から離陸。敵陣へ向かう。最初どっちに向かって良いか分からず、ウロウロしているとそのうち敵がやってきた。そっちが敵陣かと、とりあえずそちらへ向かう。

敵がミサイル発射。が、幸いにもそれは先行する僚機を狙ったものだった。援護だ!とばかりに、敵と正対して 5mile の距離からミサイル発射。更にその後方 10miles 付近にもう一機敵が見えたので、すぐもう一発を発射。

僚機は先頭の敵機とドッグファイトを演じている。自分も加勢して、僚機と同じターゲットを狙う。

やっとターゲットを撃破! と、いつの間にか後方の敵機が自軍に向かっている。慌てて僚機と二人で追いかけたが手遅れ。いくつか建物を爆撃されてしまう。二人ともミサイルが無くなっているので、この距離からではどうにもならない。なんとか追いすがり、悪戦苦闘の果て、なんとか敵に死んでもらう。が、少しだけ敵の破片を喰らってしまい、エンジンの出力が 100% までしか上がらなくなってしまった。

振り返ると、先に倒した方の敵が再びすぐ近くまで来ている。2人でそちらに向かい、迎撃するも敵はミサイルを発射し、僚機は直撃を喰らって死んでしまった。自分は幸いにも被弾せず、敵に真っ直ぐ正対して guns 発射。どうやら少しヒットしたようで、敵のエンジンから黒煙が上がる。こちらは反転して止めをさしに入ろうとするが、敵は反転せず直進。追いすがろうと必死で追跡するが、どんどん距離が離れていく。僚機が一生懸命離陸して迎撃しようと頑張っているが、間に合わず再度爆撃されてしまう。基地はだんだん無惨な姿になっていく。取りあえず、その敵は僚機が後方から撃った2発のミサイルを喰らった末、guns で始末された。

気を取り直して2人で敵陣へ向かう。が、既に二人ともミサイルは無く、自分は guns の残弾数も少ない。

真っ直ぐ敵陣に向かう。すると正面に敵が1機現れた。こちらに軸線を向け、迎撃体勢に入っている。ミサイルを撃ってきたが、今度は自分も僚機も2人とも回避。guns の弾数の多い僚機が相手をしている間に、自分は真っ直ぐ敵空港上空へ迫る。爆撃。何度か投下しなおして、ようやくヒット。やっと得点が入る。と、いきなり、敵が我が軍の空港滑走路上に着陸したとのメッセージが!! いつの間にかもう一機の敵が我が基地に接近していたらしい。+20点も取られてしまった。

こちらもお返しに、とばかりに、着陸を試みる。エンジンを絞り、エアブレーキ展開 … 突然、ッパーン!という甲高い音が聞こえ、エアブレーキが壊れてしまった。そのままエンジンを切ってタッチダウン。しかし殆ど減速出来ない。滑走路を走っている時間が、5分にも10分にも感じられる。見る間に滑走路の端が迫ってくるが、どうしようもない。ラダーも車輪ブレーキも利かず、成すがままに走るしかない。

突然後方から銃声が。先程迎撃しにきた敵機が、僚機に撃墜されて戻ってきたらしい。敵機の弾が自機をかすり、一気に煙が吹き上がる。状況は更に悪くなった。死ぬことも、止まることも出来ず、自機は滑走路をはみ出して進んでいく。それを見た敵機は、トドメもさしてくれない。自分には目もくれず、僚機を撃墜した後、我が基地に向かっていった。

先程我が基地に着陸しおった敵機は、その後離陸して我が基地を爆撃しまくっているらしい。敵にどんどんポイントが入っていく。非常に悲しい。今の自分には何も出来ない。自機のエンジン出力を上げて離陸を試みるも、80knot 程度でのろのろと真っ直ぐ進むばかりでどうしようもない。そのまま5分程走って丘にぶつかり、ようやく基地に戻ることが出来た。

我が基地に戻ると、僚機が2機の敵機を相手に必死で応戦している。汚名挽回を試みるべく離陸するが、敵機の1機が目ざとく見つけ、離陸と同時に撃墜されてしまった。もう何というか、やるせなく悲しい。私も僚機も、士気の低下著しい。

そうこうしているうちに、敵があっさりと 100 ポイントを先取し、ゲームは終わった。

 

ああ。書いているだけで、何か物凄く悲しくなってきた。(爆)

上の例に挙げた「自分」と「僚機」の腕は、結果から見る程は決して悪くない。ミサイルも大体はちゃんと回避出来ているし、着陸だって出来る。Guns only の空戦でも「カモ」ではない。ちゃんと敵を撃墜している。問題は、互いの連携が殆ど出来ていないことにある。

それでは負けた彼らの「悪かった点」を挙げ、それぞれどうすべきだったのか解説しよう。

彼らは離陸後、敵陣がどちらの方向にあるのか把握出来ず、うろうろしている。

ゲームが始まったらすぐMFDを見るか、或いは Shift+"g" でMFDをコックピット視点にオーバーレイ表示し、"PageUp" キー/"PageDown" キーでMFDのレンジ調整を手動で行い、WayPoint2の方向を敵基地方向と定め、作戦行動を開始すること。

ここで言う「作戦行動」とは、必ずしも敵基地へ真っ直ぐ向かうことだけではない。例の後半で敵機の片方がやったように、相手の基地までの最短距離コースから大きく迂回して谷に囲まれたコースを辿り、相手のレーダーに発見されないようにして敵陣まで辿りつくことも「作戦行動」の一つである。

勿論こういった隠密行動を、2人が同時にやってしまっては意味が無い。悪くすると相手は最短コースで自分の基地に辿り着き、爆撃に着陸にと、先に蹂躙されてしまうことになる。片方が囮・迎撃役として敵機を引きつけてこそ、初めて意味のある行動になる。また囮担当の僚機が、敵を撃墜するタイミングも重要。折角隠密行動で敵陣まで到達しても、いきなり死んだ相手が目の前に現れては、長い迂回路を経て密かに敵基地まで接近した努力が浮かばれない。

もうおわかりだろうが、こういった「作戦行動」を意味のあるものにするためには、チーム内の chat でちゃんと連携を取っておく必要があるのだ。なにも長い文章を送る必要はない。「OTORI NI NARU」「RGR, BOMB IKU」程度の会話で十分である。またこのような作戦行動に関する通信を、全員に対する通信("5"キー)で送らぬこと。折角の作戦が相手にばれ、台無しである。

ちゃんとミサイルが回避出来るレベルの相手に Sidewinder を発射する場合、相手まで5miles も 10miles も離れたところから撃ったのでは、単にミサイルの無駄である。

経験的に、回避に長ければ正面2miles 以遠から撃たれた Sidewinder の回避は容易である。逆にそれより近いところから、F2 視点でロックオンしつつ、動きを先読みして(こちらの動くであろう進路先に)撃たれた Sidewinder を回避出来る確率は、かなり下がる。この辺りは再度、「8.ドッグファイト技術」の「◎双方 Sidewinder 使用可能の場合」を参照してほしい。

また、一般的に Sidewinder 等の赤外線追尾ミサイルは、ターゲットの正面から撃つより、後方からエンジンの廃熱目指して撃った方が当たりやすい。このこと自体はTAWでも当てはまるのだが、ダメージに関して言うと、意外にもターゲットの正面から命中させた方がダメージ大であることが多い。これは、正面からの被弾によって飛行に関するあらゆるコントロールを担う搭載コンピュータが破損するからであろう。とにかく、正面からまともにミサイルを喰らうと即死するか、良くても非常に飛行が困難な状態になりやすい。対して後方からのミサイルでは、ちゃんと回避行動さえ取っていれば、たとえ喰らってもエンジンにダメージを追って推力が上がらなくなる程度のダメージであり、格闘戦は苦しくても、そのまま直進して敵陣爆撃をするには十分な飛行性能が残される。また、後方から2発ミサイルを喰らっても死なないことは多い。(HUDが消失して何も照準出来なくなる等の重大な障害が出る可能性は高いが。)

2人で1人の敵を時間を掛けて迎撃するのは、極めて効率が悪い。相手が実は囮で、もう一機が密かに自分の基地に侵攻中と、まんまと罠にかかっている可能性もある。

出来るだけ僚機の腕を信じ、僚機が先に交戦しに行っら、その敵は僚機に任せること。もし機体のダメージが大きいとか、残弾数が少ないとかの理由で自分が捨て身の迎撃をしに行く場合、敵に逃げられた場合の追尾が困難であるという意思表示を僚機に「後始末頼む」等のメッセージで伝えておけば混乱がない。

また、対戦中の各パイロットの回線状態によっては、「◎さんが△さんを撃墜しても点数が入らないが、☆さんが△さんを撃墜したら点数が入る」といったことが往々にして起こる。こんな場合、出来れば△さんの相手は☆さんが優先的に行く、というのも一手である。

仮に迎撃に行った僚機が敵機を撃墜しそこない、まんまと敵機に爆撃されたとしても、自軍の建築物の2つや3つ破壊されることによるマイナスより、自分がより敵陣に肉薄し、攻撃の手を緩めずにいることの方が大事である。防戦一方になったら、いかに強力な味方が居ても勝利はおぼつかない。とにかく、敵を押すこと。押すための足掛かりを潰さないこと。最も理想的な攻撃は、自分と僚機が代わる代わる敵陣に来襲し、片方が死んだ頃もう片方が敵陣に到達する、という波状攻撃を継続することである。これで敵を防戦一方に追い込めれば、勝利は目の前である。

迎撃完了後、残弾数が少なく機体の損傷も激しい場合、いっそ高度を上げて EMCON をレベル4にし、敵に見つかりやすい所を飛んでミサイルを撃ってもらうといい。EMCON レベルを5でなく4にするのは、5だと自動的にフレアが放出され、意図せずにミサイルを回避してしまうことがあるからである。自殺すると−6ポイントだが、敵に撃墜されるのであれば−1ポイントのペナルティで済む。相手が「敵機撃墜の+5ポイント」で勝利条件の 100 ポイントに達してしまうのでなければ、これも立派な「策」である。

BDで何より大事なのは「相手のミサイルの本数を減らし、そこに爆弾をかかえて突っ込む」ことである。ミサイルを撃たれなければ、敵陣に到達して爆撃に成功する確率も高い。被弾して己の先は長くないと直感したら、自らの体を犠牲にして敵のミサイルを引き受け、その隙にもう一方が EMCON 1 にて谷間を通って敵陣に到達するのだ。犠牲となった僚機に「THANX, MUDA NI SEN ZO」と伝えて。

相手の持っているミサイル本数は、撃墜されて基地に帰る度に、分かる範囲で僚機に教えるように心掛けよう。自分の目の前に居る相手がミサイルを持っているか、いないかを分かっているだけ、より的確な行動が取れる。自分が爆撃に行く最中、相手がミサイルを持ってないことをあらかじめ知っていれば、ミサイル回避行動を取らずに最短距離で敵陣に突っ込める。

相手が歴戦の強者で、一人ではどうにも相手出来そうにない場合、やはり2人で相手した方が良いこともある。下手するとその相手に、滑走路上でなぶり殺しに遭い続けることもあるからだ。自分一人では手に負えない相手だと思ったら、すぐ僚機に助けを求めること。その声を聞いたら僚機は即座に自分の基地に引き返し、加勢すること。自分の基地が遠い場合には、わざと墜落して自爆してでも戻った方が良い場合もある。(大概は自爆するまでもなく、もう一機の敵に撃ち落とされて帰ってくることになるのだが。) 勿論、これにより前述の「攻撃の足掛かり」を失うことになるので、余程のことがない限り、引き受けた敵は自分で責任を持って撃墜すべきである。

ミサイルの持ち合わせが無いときに敵を迎撃せねばならなくなったら、2つの方法がある。一つは正面から正確な Head on Guns 攻撃で敵を滅ぼすこと。もう一つは敵に正対せず、回り込んで背後に付く方法である。

Head onで相手する方法では、なんといっても迎撃に時間を掛けずに済み、また、そのまま自分の予定航路を進めるという利点がある。

しかしその反面、「相手がミサイルを撃った場合にはその回避をせねばならず、実質的に照準している余裕が無い」とか「仮に Head on で相手を仕留めても、自分も被弾してその後の航行が不能になる可能性が高い」等の困難・リスクが付きまとう。

余程短時間でのミサイル回避と Head on からの Guns 攻撃に自信があるか、或いは自分がもう既に敵陣の目の前にまで迫っていて、敵機に構うより直進して爆撃することが得点に繋がる場合を除き、Head on での迎撃はやめておいたが良いだろう。

もう一つの方法は、相手と直接正対せず、大きく回り込んで相手の背後につくことである。相手にドッグファイトの意思が無く、こちらの迎撃を突っ切ろうとしている場合、正面から迫ってすれ違い後反転していては減速のロスが大きくなる。その後の追尾で引き離され、まんまと基地に到達され爆撃に成功されてしまう。これを防ぐため、あらかじめ速度を殺さないことを第一に考えた大きな緩い旋回で相手の後方につけ、相手の後方至近距離から撃墜するのである。この場合、特に回線状態が悪いと相手の破片が長時間浮遊し、それを喰らって機体を破損することがあるので注意。

ちょうど旋回の終点で相手のすぐ後ろにつけるよう、相手との距離から回り込み始めるタイミングを上手く測ること。

繰り返し書いているが、機体のどこかに損傷がある場合、決して着陸してはならない。また、機体のどこかに損傷が出来るような着陸も、すべきでない。ブレーキが壊れ、停止出来なくなった F-22 はまさに殺虫剤を撒かれて悶絶するゴキブリ。飛ぶことも己の意のままに走ることも、自ら死ぬことすら出来ず、砂に埋もれるだけである。例のように敵陣で「ゴキブリ」化したら悲惨である。2機に攻められ防戦一方にまわるしかない僚機。自分を破壊してもらうことも出来ず、砂漠を彷徨う羽目になる。

また、自分の基地に着陸し、運良く滑走路上で停止出来たとしても機体の破損は治らない(兵器は補充されるが)。

 

随分長くなったが、取りあえず私が今思いつくのはこんなもんである。今後も思いつく度に内容を充実させてはいくが、当面は上記のことを頭に叩き込んでおいてほしい。それだけで「何故自分たちが勝てなかったのか、何故自分たちが勝てたのか」が分かることだろう。対戦後のデブリーフィングで勝敗を決したポイントを話し合い、次回の対戦に活かしてほしい。

頭で分かっていてもそれを実践するためには訓練が必要なドッグファイト技術と異なり、戦略に関する Tips は「知っているか、知らないか」だけで相手と差が付くものだ。互いに策を練り合い、より高度な「狐と狸の化かし合い」に明け暮れるもよし、逆に相手の小賢しい策を力でひっくり返せる程のドッグファイト技術の修得に血道を上げるもよし。何れにせよ、ここで紹介した数々の Tips は、あらゆる局面でに立つことであろう。


99/02/21(日) 19:02 HUQ(RXL03123)
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