フバーハ3回目の夏登山となりました。今年は岐阜と長野県境にある「御嶽」登山になりました。
フバキャプ曰く
「前回登頂した富士山は日本三大霊山の一つだ。御嶽も日本三大霊山の一つなので、登りに行くことにしよう。
さらに、過去2回不参加だった「サカキャプ」が参加!!気合いも増すばかりでした。
前日、車で出発したものの、東京を抜けるのに五時間もかかる大渋滞・・・。
四時間の遅刻の後、関西支部長と木曽福島で落ち合ったが、大雨雷が・・・。
急遽旅館の部屋を借る事になりました。
朝早く車で旅館を出発。すでにここは御嶽2合目でした。ちょっと得した気分です。
さらに、ワイディングが続く山道を車で攻めまくりました。綺麗な舗装道路でした。大型バスが余裕を持ってすれ違える位、広い道でした。
8:00頃、田の原登山道に着くと、大勢の登山者が準備をしていました。広い駐車場にはほぼ満車でしたが、何とか登山口近くに車を駐車することができました。バスも数台駐車していたので、おそらくお参りする団体客だろうと思いました。
登山道の門をくぐり、なだらかな参道のような道を進みます。途中には数カ所神社があります。ならす作法を知りませんが、各神社に着くたびに、交代で1回ずつ鐘をならして登りました。
参道が終わると、木の階段が現れ、なだらかな登りが始まります。森林が深くなり、登山道に入った感覚がわいてきます。「あかっぱげ」を通過。さらに階段が続きます。神社の長い階段のようです。
あかっぱげとは
御嶽の王滝口から登っていくと、やがて見えてくる赤土の露出した場所で、ここには草木が生えていません。赤土で草木が生えてないから「赤っぱげ」なのでしょう・・・。
ここで、サカキャプが基礎体力が別格のように、どんどん他を引き離し、先に登ってしまいます。
八合目周辺になると、石と土の獣道のような登山道に変わっていきます。どんどん傾斜もきつくなり始めます。
先ほどまで森に囲まれていたが、この辺は背の低い高山植物が多く群生していました。
九合目になると、岩が多くなってきます。若干空気も薄くなってきたなと感じるところです。疲れも出てきましたが、上を見ると、王滝頂上小屋の綺麗な白い建物が見えます。見晴らしが良く、目標がはっきり示してくれるので、元気が出てきます。
さらに、このあたりになると 白装束を身にまとった信仰登山者に会いました。「もう少しだからね、お疲れ様」など、声をかけてくれます。
しかし、関西支部長は登山道で立ち止まるため、後ろから煽られたそうです。邪魔してはいけません。
九合目半あたりで、登山道を左にそれ、「奥の院」に向かいました。
岩の上を歩くような状態で、結構気をつけないと踏み外しそうです。山を沿って腹を行くと、祠があります。そこが奥の院のようでした。奥の院の先に行くと、奈落の底のような風景に出会います。
その風景に、メンバー全員息をのんでいました。
奥の院前から山に沿って回っていくと、王滝頂上に着きました。
トイレ休憩の後、近くの神社に向かいました。神社では修験者達がお祈りをしていました。一連のお祈りが終わったあと、神社内を見学していると、
フバキャプ:「誰か金剛棒を買おうよ。」
その他のメンバーは難色を示していました。いむっち管理人は短い金剛棒をお守りとして購入しましたが、フバキャプ以外長い金剛棒を買うメンバーはいませんでした。この金剛棒が、後々問題になることに・・・。
小休止後、剣ヶ峰に向かいました。修験者達が多くなってきて、霊山であることを認識させてくれました。
さて、登り始めようとしたら、男性から声をかけられました。
「年に1回の御嶽教大御神火祭がありますので、護摩木に願い事書いてください。」
御嶽教大御神火祭とは
御嶽教信者が全国から集まり、護摩木を炊き上げる荘厳な火祭りです。
急に言われてもなぁと思いましたが、書くことにしました。メンバーそれぞれ願い事を書き、祭壇に起きました。初めての経験なので、少々緊張してしまいました。夜中に炊きあげるということでした。
その時にはすでに帰宅しているため、見ることは出来ないな。残念ではあるが仕方がないと、そこを立ち去り、目の前にそびえる剣ヶ峰、すなわち御嶽頂上に向かい、急坂を登りました。
薄い空気と疲れの中、頂上小屋まで到着すると、急な石階段が・・・。体を反らすと落ちそうなくらいの急な階段を上り、やっと頂上に着きました。
剣ヶ峰(御嶽頂上)には、小さな祠があり、その前には広めの庭がありました。
祠の前では修験者達がお祈りをしていました。登頂成功に酔っていると、フバキャプが鐘を突こうとしていました。お祈りが終わったら突けばと忠告したものの聞かず、突いてしまいました・・。
恥ずかしくて、思わず部外者のふりをしてしまいました。お祈りはそれでも続いていましたが。
一通り満喫したあと、「二の池」に向かいました。
二の池は、日本一高い場所、標高2905mにある湖です。エメラルドグリーンの水面がとても綺麗です。
剣ヶ峰から緩やかな坂を二の池を下に見ながら降っていきます。降りきって池の脇を歩き、二の池小屋で昼食にしました。昼食を取りながら池を小屋から見ると、とても贅沢な気分になりました。
小屋を出て、二の池を周回しようと、二の池小屋新館を通り過ぎ、登り始めました。踏み外すと滑りやすい道を、慎重に登っていきました。途中で中年男性が滑り落ちてきましたが、何とか踏ん張って止まっていました。
フバキャプ:「登山道の選択を間違えた・・・。」
何でかなと思い、登山道を見ると、荒れた稜線が・・・。岩を乗り越えていかなければならない道とはとうていいえない所でした。右は地獄谷の奈落が、左には水がない一の池が・・・。
アドレナリンが出てきました。岩を乗り越えながら、集中して進みました。足も若干震えていました。眺めは最高ですが、気を許すと落ちてしまいそうです。
無事、お鉢巡りをやり終えたときは、疲れとともに達成感もありました。
剣ヶ峰(御嶽頂上)から下山を始めると、途中修験者の団体に追いついてしまいました。すると、登山道の左側に避けてくれて、我々を通してくれました。
「お疲れ様です」「ご苦労様」など、通り抜けるたびに声をかけてくれます。
ふれあいはとてもありがたいのですが、大人数にずっと挨拶を繰り返されると、とても恥ずかしくなります。
山に登ると挨拶をするというのは、トレッキングというものが始まる以前の、彼らのような山岳信仰登山者が形を作り、登山における心得として、一般登山者にも同様に広まったのではないかと、通り抜ける度に考えていました。
いわば、トレッキングの正道では無かろうかと言っても過言ではありません。
最後の参道まで帰って来ると、修験者の女性から話しかけられました。横浜から来ているそうでした。お疲れ様とねぎらいの言葉を頂きました。
登山をすると、年配者に褒められ、ねぎらいの言葉をもらえます。
北アルプスらしく、そして3000m級らしく、いろいろな顔を見せてくれました。お鉢巡り以外はとても登りやすく、登山道の整備もしっかりしているので、アルプス初心者には良い山だと思います。 |