いっしょに仕事をしましょう!

豊かな自然

鉱毒は一掃され、過去の話となりました。現在では全く問題はありません。 しかし忘れてはいません。私たちは、少々不便であっても、自分たちの環境を 大切にします。(英国時代の古い街並みが残るのも、立替えに伴う公害の発生を 極力抑えたいからでもあります。)

その結果、きれいな海岸で天然塩を精製する事が出来、透明度の高い湖水で 半導体を洗う事も出来ます。(今は主に遠洋船に飲料水を提供しています。)

観光にも良いかも知れません。日本から直行便が無く、少し遠く感じるかも 知れませんが、水上機に乗る良い機会でもあります。 開発されていない海岸や湖の散策をしたい方もおられるでしょう。 南国にそぐわない英国風の石造りの街並みを見て回るのもまた楽しいでしょう。
そして海もきれいです。素潜りでさえ、熱帯特有の色鮮やかな魚たちを鑑賞する 事が出来ます。個人で来られる方はおられますが、私たちは、 もっと多くの方にダイビングを楽しんで頂きたいと思います。

一方で、豊かな自然は電力を供給してくれます。 「風の森」では風力発電所が年中プロペラ音を響かせ、ウェマク・ダムは 水力発電により、安定した電力を豊富に供給してくれます。 実際、現時点では電力は充分に余っており、余剰の電力を缶詰に出来れば良いのに と残念に思います。産業の発達する余地は、充分に残されているのです。

勤勉な労働力

パリマ大学(船員学校時代を含む)から既に2万人の船員が、世界の海で 活躍しています。外国船の一等航海士を勤める事も珍しくなくなりました。 英語が出来る事、一貫した専門教育を受けている事に加え、 多くの者が日本語が出来、また(聖公会の教義によって)勤勉である事が、 高い評価を受けている理由の様です。

現在は高等教育を受ける者の数も増え、その分野も船舶技術に限らなく なっています。例えば情報処理分野では、Microsoft社のMCP、MCSE資格の 取得者は、延べ200人を超えています。 (UNIX技術者も育成しており、日本のプロバイダに就職し、システム管理を 行っている者もいます。) 日本語が出来る利点を生かし、日本からの開発案件を受注する事も少しづつ始まっています。 (日本での業務だけでなく、インターネットを利用し、市国にいながら 開発業務を行う事もあります。) 私たちは、今後一層の投資を情報技術分野に行っていく予定です。 それは、環境と発展の両立を実現させてくれる分野だからです。

また、外国への留学も盛んです。太平洋に臨む海の市民として、 私たちは海外へ乗り出す事に抵抗を感じません。 そして、各分野の専門知識を身に付けて帰国し、市国の建設の為に活躍しています。 新しい仕事の為の受け皿は、たいていの分野で既に用意されているのです。

安定

最先端の洋服を着て、世界で最も高価なディナーを楽しんでいる訳ではありません。 けれど概ね誰もが今の生活を楽しみ、満足しています。 例えば自動車はありませんが、何故無いのかを理解しています。 それは私たちが自ら選択した道だからなのです。

終身提督は象徴的な存在で、政治は、市民から公選された市議会と市長によって 行われます。意見の違いは当然存在しますが、常に平和的に解決しています。 (独立すら、流血無しに行われたのですから!)

平和を大切に思うこの国では犯罪の発生件数は少なく、 例えば1997年度の殺人事件の発生件数は21件でした。 (0件でないのは大変残念です。)尚、外国人が被害者の窃盗は67件でした。 又、地方では外国人を珍しがる事はあったとしても、排斥するような事はありません。

巡視艇

一方で近年は海賊が横行し、航行の安全が脅かされる事もしばしばとなりました。
1997年の12月には、フィリピンの小型タンカーが海賊に襲われ、 積み荷の重油を抜き取られ、船員が殺されるという事件も発生しています。 (殺された船員の一人は、マノア市民でした。)

これらの犯罪に対処する為、1998年には水上警察を沿岸警備隊に 再編し、領海内の安全を水上機と巡視艇で守っています。 また、日本からは哨戒機による哨戒支援も受けています。 これらの活動により、海賊行為は減少していますが、一層の犯罪防止に力を 入れています。