4日目
お姉ちゃんの大好きなアイルランド2
ダブリン城迄
目が覚めたら5時だった。
旅行中は寝覚めが良い。
きっと程よい緊張のせいだろう。
シャワーを浴びて、身繕いし、勢い込んでレストランへ向かう。
ところが、理解力の無さからアイリッシュ・ブレックファストを食べ損ね、コーヒーと
オートミールでお腹を満たし、何となく消化不良のまま、チェックアウトする羽目になった。
今日も何かが起こるかも。
さて、昨日街中を歩き回ったのは、無駄ではなかった。
お陰で、大体の方向感覚が掴めるようになってきたからだ。
まっすぐ、クライスト・チャーチまで歩き、当りをつけて歩を進めると、そこにはかの
有名な、セント・パトリック・大聖堂がそびえていた。
ここは、アイルランドの守護聖人をまつったダブリン最古の教会。
五世紀頃、聖パトリックが、キリスト教改宗者に洗礼を行ったところだ。
18世紀、あまりにも有名な作家のジョナサン・スウィフトが司祭長を務めたところでもある。
着いたとき、時間が余りに早かったため、開館しておらず、残念ながら外観のみの拝観となった。
教会の裏手には、アイルランド十字の墓石もあり、どなたの墓所か知らないまま、一礼させて頂いた。
聖パトリックが洗礼を行ったとされる、泉のあったという庭園は、すばらしく美しかった。
色とりどりの花が咲き、古い大きな教会をくすませる事無く引き立てているのだ。
年月が、石造物を重厚なものに変え、尖塔を見上げると、その重みに圧倒される。
ここには、スウィフトの墓があり、聖人を表わす素晴らしく荘厳なステンドグラスがあるという。
アイルランドにはじめてやって来た時計もあるらしい。
後ろ髪を引かれる思いで辞去したが、再びダブリンに来た時には、必ず中へ入ってみたいものだ。
セント・パトリック・大聖堂を一周し、ダブリン城へたどり着いた。
何処が入り口か判らず、結局裏口から入った具合になってしまった。
ここも、石造りの立派な建物だ。
石段を上がる途中、恐らく、敵襲の際には矢やら鉄砲で応戦するのであろう穴が、壁に沿って続いていた。
19世紀から20世紀にかけて、歴代アイルランド総督の居城として使われていたステート・アパートメントは、現在、国際会議の場所になっているのだそうだ。
土産物屋さんがあり、ここは早くからオープンしているようだ。
クラダ・リングをモチーフにしたネックレス、アイルランドの国花、シャムロックがリッツェンされている、小さなクリスタルグラスを求め、城を後にした。
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