箱HAKO展ーBox with lids
箱HAKO展によせて 小林 浩志
しばらく前から、箱の展覧会を企画したいと思っていました。
箱といっても「みかん箱」というときの「箱」ではなくて蓋物とよばれる箱たちです。
たとえばお節料理の詰まった重箱は、ひとつその蓋をあけるたびに色とりどりの料理が広がって、わくわくした気持ちにさせられるものです。
それからたとえば浦島太郎の昔話。開けてはいけないという玉手箱を開けてしまった彼は現実に引き戻されてしまいました。
私には彼の気持ちがよくわかります・・・充分に魅力のある「箱」を目の前にすれば、中に何が入っているのか、誰しも興味をひかれるものです。蓋の向こうに何が隠されているのか全くわからないまま、誘惑に負けて蓋をとってしまう、そんな「箱」たちを並べてみたいと思います。
今回の企画では、陶器、錫、白木、漆器、など様々な素材の作品を展示いたします。それぞれの素材の面白みを知るたくさんの作家の皆さんに参加していただくことができ、個性ある「箱」たちが出揃いました。さてあなたなら、この魅惑的な「箱」たちの中にどんな楽しみを、お仕舞いになるのでしょうか。