| システム | |
選択式のアドベンチャーパートと移動のためのSDキャラによるアクションパートに分かれる。広義の同級生スタイルと言っても良さそうだ。イベントフラグがノーヒントのため、やや難易度が高いとも言えそう。ただし、基本的には攻略したいキャラクターを追えば良いので、SDキャラをとにかく探して歩けばストーリーは進む。それでも、やや古いシステムであるようには感じる。
操作形態はキーボードのほか、非公式ながらパッドに対応。動き回るシーンが多いのでパッド対応はとてもありがたい。セーブは20個程度と少なくは無いが、ゲームのボリュームからすれば足りないと感じる。メッセージスキップは高速。回想モードなど最近のアドベンチャータイプでお馴染みのシステムは一通り備えている……と言いたいところだが、メッセージ履歴機能が無い。スキップでうっかり抜かしてしまった時、とても困る。
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| グラフィック | |
古くからのファンにはお馴染みの横田守氏のグラフィック。絵が濃すぎる、描き込み過ぎてガチャガチャする、といった難点はあろうが……とにかく熱の入ったCG。質、量共に十分。Hシーンが多いのでそっちのCGも多いが、通常のCGや立ちグラフィック、背景等でも手抜きは見られない。彩色自体は落ち着いた色なのに、デザイン等がかなり凝っていてむしろ派手に見える。欲を言うならムービーだろうか。ただ、これだけ完成度が高ければ特に問題は無い。横田氏のタッチが嫌い、というので無ければ問題は無いだろう。
また、SDキャラの動きは軽快かつコミカルで楽しい。単なる移動パートで終わらせないのはさすが。
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| シナリオ | |
キャラクターごとのシナリオがあるが、シナリオの核心に迫るものがいくつかあり、それ以外は各キャラクターのみを対象にしていくタイプのシナリオ構成である。
このシナリオ最大の魅力は世界観。一見するとサスペンスの雰囲気だが、実際にはファンタジーの一面もあるし、ある意味SFの部分もある。それでいて、ヨーロッパ史に関わる諸問題を絡めるなど独特の世界が出来上がっている。サンタ・マリア島という限定空間も相まって現世から離れた幻想的な空間を楽しむ事ができる。
シナリオでは核心に迫るものを先に評する。こちらは序盤でクリアできるキャラクターが限られているため、該当キャラをクリアしても謎は解けない。キャラクターの魅力を出していく部分と共生しきれていなかった。メイドと付き合っていく意味も一応理由付けられているのだが……やや説得力が欠けるように感じた。筆者がメイドへの愛を分かっていないからでしょうか?(^^ゞ恋愛シナリオがメインになる展開もあるけれど、こちらでは謎が解明しないまま終了してしまう。謎の解明か恋愛か、どちらでもすっきり終わるというわけにはいかず。だが、謎が完全に解明するシナリオに関しては、プレイヤーがストーリーの細かな謎がわかっているため、素直に楽しめた。最終シナリオが良い分だけ、最初のほうのシナリオが前フリのように感じてしまい残念である。
シナリオ核心部分は、キャラクターの哀しい過去、現在の苦しみから救いを得、終息を向かえる。人間の業、人間の優しさ。それぞれをシナリオの中で感じることのできるシナリオ。本格派。ゲーム冒頭で「人間はどうすれば人間に慣れるのか」という問いかけをしていて、ゲーム内で答えようとしている。本格的なテーマを抱合したシナリオ。ここで残念なのが、核心に迫るシナリオの全体に対する割合が少ないこと。キャラクターごとのシナリオの分量が多いため、印象が薄れるし踏み込みがやや甘くなった印象はある。より良いシナリオになった可能性もあるだけに少し残念。
ただし、キャラクターごとのシナリオがつまらないわけではない(というより面白いからメインシナリオの印象を薄くさせる)キャラクターの魅力を出しつつトラウマを解決していくタイプの話。……と言えばここ最近多いタイプのシナリオに思える。しかし、扱っているテーマが特殊。キャラクターが様々な国の出身であるため、それぞれの国での国際問題などがシナリオに組み込まれてくるのである。やや難解になる不利もあるが、実際に起こっている問題でもあり作品中にリアリティを与える。例えばカトリックとプロテスタントの争いなど、普通の日本人には分かりにくいであろう感覚を扱ったりしているのだ。他にも、ヨーロッパの文化的なネタなども豊富。それでいて、ライターの知識のひけらかしに見えないのも良い。この辺のネタではパロディなどのギャグも交えている。
欠点はキャラクターシナリオ方面で謎を残したまま終了してしまった所だろうか。出したはいいものの、まとめきれなかった……という印象。
一応、鬼畜シナリオも用意されている。世界観からして無理、というところまではいかない。しかし無くても問題はないだろう。それでも用意してくる辺り、サービス精神を感じる。
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| キャラクター | |
キャラクター数は多いものの、それぞれ性格付けがしっかりしているためか影の薄いキャラは少なかった。
主人公の葛城は、基本的に普通の日本人らしいキャラクターではあるのだが、多少斜に構えたり影があったりする部分がある。感情移入させつつ個性を持たすという意味では丁度いいバランスかもしれない。鬼畜ストーリーに入ったとたん性格が変わるのはいただけないが……
メインの4人のメイドもそれぞれ性格が異なる。メインヒロインらしき魅麗は明るくドジな典型的キャラ。多少影があったり……という所を含めて安定しているかも。クリスは優等生タイプかな?アメリカ人という設定も相まって細かい所に厳しかったり。人気出なさそう。ビジュアル的にまとまっているディアナ。魅麗と別の意味で典型的な、従順なメイドさん。時折見せる少女っぽさが魅力(それは俺の主観だ(^^ゞ開放的な外国人のイメージそのまんまのジェーン。楽しいけど、彼女もある意味典型的。
というわけで、キャラクターの性格付けは突飛な物は無い。むしろ、各キャラの掘り下げで勝負しているようだ。面白いのは各キャラの信仰や出身地などのネタが出てくる所で、色々な国の人間が集まっているのだな、という実感がある。日本人の、しかも限定的な地域のキャラのみが集まるゲームが多い中、結構異端かもしれない。
メイン以外にも4〜5人のクリア対象キャラクターあり。こちらの方は設定的な面白さがある。キャラクター自体はドジ、お嬢様など割と普通なのだが……特に、二人のキャラクター。どちらも恋愛ゲームに持ち込むには適さないのでは、と思われるような重い設定のキャラクターである。どちらもストーリーの重さにキャラクターがついていけないのでは、とも思うのだが、しっかりキャラの魅力を出している辺りライターの力量を感じた。
クリアー対象ではない女性キャラも何人か居る。これらのキャラも割と典型的。それでも魅力はある。全体的にキャラクターは普通、ストーリーで勝負というイメージ。
男性キャラクターはやたらと濃い。ゴッドファーザーそのまんまなテオ・パドリーノ、ニヒリストの典型アントニオ。マッチョな神父ブルーノ、哀しい運命を背負ったソードなど。とにかく個性派揃い。憎まれ役としては良いゲオハルトなんてのもいるし……盛り沢山。
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| サウンド | |
音楽のクオリティは非常に高い。西洋の高貴な生活を感じさせるような、荘厳な曲。それでいて田舎の懐かしさを覚えるような……ジブリ作品の音楽(久石譲っぽいのか?)を思い起こした。MIDI音源らしく、筆者の貧弱なサウンド環境では魅力を発揮しきれなかったのがとても残念。CD‐DAで聴いてみたい。
ボイスは概ね良好。エロゲー声優のクオリティとしては標準以上である。男性キャラクターには有名声優を起用しているらしく、女性キャラクター以上の演技。アントニオとかセコイキャラのクセに声が良過ぎ。パドリーノも見た目に合った声だし……全体的に落ち着いた声優陣を起用していた。
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