レビュー:ELYSION〜永遠のサンクチュアリ〜(DC版) らすとあっぷでーと:8月6日
ELYSION〜永遠のサンクチュアリ〜(DC版)[NECインターチャネル](Win)
ゲーム概要 2000年にWindowsで発売された同名作品の移植作品。新要素としてDCオリジナルキャラクターのシャルロッテのシナリオが追加された。
 ヴェネツィアにほど近いアドリア海にある孤島、サンタ・マリア島。主人公、葛城遼一はその島に立つ壮麗な洋館に医師として招かれた。そこでは世界各地から集められたメイド達に囲まれ、一人の老人が悠然と暮らしていた。葛城はメイド達と19世紀さながらに様式化された奇妙な生活をはじめる事になる。
システム
7点
 基本はWindows版と変更無し。選択式のアドベンチャーゲーム。ノベルタイプではなく、2Dキャラの移動パートのある、最近少なくなってきたスタイル。いわゆる同級生と同じ方式。フラグ立てがかなり厳しく、もう少しなんとかならないものかと思う。
 メインシステムはNECインターチャネルが他のゲーム(KanonAIRなど)でも採用しているもの。スキップや読み戻しもしっかり装備。Win版では読み戻しが無かったのでありがたかった。ただ、DCのLトリガーを押してスキップする方法は指が疲れる。できれば自動スキップがあった方がいい。セーブ数は30個。
 便利になったのはキャラ移動。Win版ではパッドが無いと移動が大変だったが、さすがにコンシューマなので移動しやすい。アナログスティックで高速移動ができるのも楽。
グラフィック
10点
 原画は横田守氏。Win版からは18禁シーンのCG以外での変更は無し。微妙に修正された所もあるらしいが。その代わり、1キャラにつき一枚程度の追加CG。もちろん、新シナリオは全て新規CGとなっている。クオリティは不満の付け所無し。特に洋服の描き込みが素晴らしい。ストッキングの細かいデザインが目を引く。
 ちょっとした所で嬉しいのはルーシーの立ちCGが追加された所。5歳前後の女の子でストーリーにはあまり絡まないが、しっかりメイド服着ているところがとても良い。ちゃんとストッキングも装備である。
キャラクター
9点
 シャルロッテ以外のキャラクターはそのままなので特に書くこと無し。Win版のレビューを参考にして欲しい。
 新規キャラのシャルロッテ。子供っぽいキャラクターとメイドとしての神秘性を併せ持ったようなキャラ。疎外感を味わって子供っぽい嫉妬を抱くシーンが印象的である。シナリオ上、あまりヒロインらしいキャラではなかった。
シナリオ
9点
 シナリオライターは藤木隻氏。Win版と大体同じだが、18禁シーンはもちろん、グラフィックの無い性描写ネタも削られていた。それに、人種差別関連の差別用語も一部削除。コンシューマ規制があるので仕方ないとも言えるが、人種差別ネタはElysionの大きなテーマの一つでもあるので雰囲気が感じにくいのは残念。18禁シーンもざっくり削っているだけなので後のシーンとの繋がりが悪いように思えた。
 追加されたシャルロッテシナリオ。主に本編の補完的な役割を持ったシナリオで、分かりにくかった部分の大半がフォローされていてWin版プレイヤーには嬉しい仕様。特にシルヴィアーナ関連の話が補完されており、彼女の師である灰色の医師に関してのフォローは分かりにくかった話を理解するのに役立つ。
 シナリオ本編としてはシャルロッテのご主人様に対する想いを描いている。幸せな時を永遠に続けたい、というのはElysionらしい。もっとも、シルヴィアーナ の話も多く、シャルロッテ自身の話としては少し薄かったかも。
サウンド
10点
 音楽・効果音等は特に変更無し。相変わらず重厚でヨーロッパの雰囲気を感じさせる音楽だった。声優陣も変更無し。脇役の男性陣が豪華で、もう一度聞いても上手いと感じた。追加ボイスは新キャラのシャルロッテ、ルーシー、ヒロインではない下級メイド4人衆。下級メイド4人は脇キャラであるにも関わらず、個性豊かなので声がついたのは嬉しい。のんびり喋るルシアなどは雰囲気バッチリ。シャルロッテには大谷育江を起用、相変わらず少し子供っぽいティーンエイジをやらせると天下一品である。
採点 客観的採点 45点(7・10・9・9・10)
主観的採点 48点
総合 93点
総評  追加シナリオを除き、Win版とほぼ同内容。しかし、性描写、際どい描写はElysionの雰囲気を作り出している大きな要素だけに削られてしまうのは残念。個人的にどちらを勧めるか、と言えばWin版である。シャルロッテシナリオは補完的な内容であり、プレイしなくても問題が無いとも言える。ただ、どちらにしろ傑作である事は間違いないので、未プレイ者にはどちらでも勧められる。

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