| システム | |
EVEシリーズではお馴染みのマルチサイトシステムを採用。二人の主人公から二つの視点で同じ事件を追う。……というシステムなのだがあまり生かされていない。確かに同じ事件を追っているので同じキャラクターが二つのサイトで出演したりするが、実際に二人の主人公が協力したり関係を持ったりということがないので、あまり意味が無い。初代EVE beでは小次郎、まりなが同じ物を追ったり協力したりという場面があったのだが……二人の主人公はEVE beで始めて出会うため、今作の段階で会うわけにもいかないのだろう。設定的な苦しさがシステムにも無理をさせたようだ。
システムはコマンド総当り式の古いアドベンチャースタイル。一つのコマンドを選んだ後の会話が短いので、何回もコマンドを選択しなければならず、とても面倒。ノーヒントで分かりにくいコマンドを選ばなければならず、詰まることもしばしば。更に、メッセージスキップで一度見たストーリーを進める、といった手法もやりにくい。さすがにこのスタイルは古いのではないだろうか。セーブ数はそこそこあるが、プレイ時間が長いのでもう少し欲しい。
見たCGが登録されないのはバグ?トゥルーエンドを先に見るとアナザーエンドが見られなくなるのは仕様?たまにレストア不能というコメントと共にゲームが強制終了してくれるのは泣けてくる。
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| グラフィック | |
原画はパソゲー界の女帝こと、CARNELIAN氏。クオリティに関しては老舗シーズウェアの技術もあってまずまず。一枚絵の枚数もかなりあるし、立ち絵の数も十分な範囲。特にZEROでの新キャラクターのデザインはなかなか良く、トアやルースのCGの中にはかなり良い出来のものがちらほらと。
一方、EVE be以来の既存キャラ(以下旧キャラ)はあまり似ていない。キャラデザが違うので仕方が無いが……あと、服装のセンスも悪い気がします。まりなとかヘンな服……
シーズと言えばお得意のアニメーションシーン。ただ、今回は時間こそ長いもののアニメの質自体はあまり高くない印象。様々なメーカーでレベルの高いアニメシーンが作られている現在では並程度のクオリティ。量はそこそこあり、さすがは4枚組。ただ、OPムービーのネタで一部本編と全く関係のなさそうなものがあり。あと、終盤のムービーがネタ的に強引過ぎ、など中身はあまり伴っていないようだ。
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| シナリオ | |
小次郎編、まりな編のシナリオライターが別人らしい。これが両シナリオの評価を左右した。
小次郎編。序盤は依頼された事件を追い、そのうち大きな事件にぶつかる……というEVE beと同じような展開。その後は小次郎の過去などとからめた話となるのだが……全体的にストーリーの設定が少しづつ分かっていく、というような展開。あまり、小次郎がストーリーを進めていったり謎を解明したりという感じは受けず。どちらかというと事件に巻き込まれただけ、という感じは否めない。出会った人物にいきなり答えを教えてもらったり、突然助けられたり。結局ラストまで小次郎視点では何があったのか良くわからなかっただろう(ユーザーはまりな視点をプレイしているから何があったか理解している)
尚、源三郎の出てくる理由がゲーム本編ではほとんど分からない。出てきて何だか分からないうちにいなくなってしまった。後でオフィシャルガイドのスタッフインタビューを読んでようやく意味がわかった。しかし、そんなことはゲーム本編では感じられなかったし、大体EVE beをクリアしていない人には絶対分からない(まぁ、このゲームのエンド自体EVE beをやっていないと意味不明だろうが)裏設定を聞かないと分からないストーリーって……(-_-;)
一方、まりな編はストーリーの概要が見えるし、実際に動いている事件の過程がよく見えるので面白い。まりなの葛藤、トアの心情といったキャラクターを描写した展開あり。また、弥生との酒盛り、トアとの漫才、ルースとのやり取りなどのギャグパートもしっかりしている。それでいて、本編の猟奇殺人事件や誘拐事件、あるモノを巡る争いなどもしっかり描けている。描写がしつこいと感じるの設定的な鬱陶しさがあり。権力関係の複雑さなどは警察ものっぽくて面白いのかもしれないが、複雑すぎてプレイヤーが整理しにくい。
ストーリーの謎だが、これが意外と(失礼か?)上手く展開している。猟奇殺人の意味は?トアや真は何故狙われているのか?これらの事が様々な人間の思惑と絡みあい、一つの終着点に到着する。世界観や描こうとしているテーマが「EVEっぽい」感じがした。感動的ストーリー、というのは無いが……物語として一応の完結をしている。本編の終わり方はやや強引なのだが、後日談で補完しているので良いだろう。
さて、EVEシリーズの核とも言うべきエルディア関係なのだが……これは意外と上手くいっている……というよりあまり絡ませていない。ほとんどZEROのみのストーリーとして完結できている。個人的にはこの方がストーリーとしてのまとまりがあるので良いと思った。……というより一度完結しているEVE beをまたほじくり返す、という今までの手法が間違いなのである。
Win版のみの追加要素として「アナザーシナリオ」と「クリア後のサイト」というのがある。アナザーは設定的に苦しいので、ま、キャラクターファン向けだろう。DESIRE完全版の助かるエンドみたいなもんで蛇足もいい所だ。「クリア後のサイト」はストーリーの補完として優秀。というより、これがあって初めて物語が完結したと思うが。他にもPS版で繋がりの悪かった部分を修正しているらしい。LOST ONEでは追加要素を付けた事で余計にひどくなったのに比べれば随分マシになったのかも。
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| キャラクター | |
先にキャラ評をまとめるなら、新キャラはなかなか良く、旧キャラは今一つという所。ただ、今までのEVE be以降のEVEシリーズでは新キャラも旧キャラも魅力無しだっただけに、いくらか良くはなったと言える。
小次郎編から。主人公の小次郎はEVE beの頃の鋭い洞察力は鳴りを潜め、当たって砕けろ的な一直線なキャラになっている。根拠も無しに当てずっぽうで人を問い詰めるシーンが多々あり(実際には問い詰めた内容は正しいのだが、その時点では根拠が無い)EVE beの頃の格好よさは無い。初代の頃からのファンとしてはこの辺が悲しい。若い時なりの魅力が感じられれば良かったのだが……
その他の小次郎編のメインキャラはこれといった魅力に乏しい。最初から最後までメインで登場する真は、寝ているシーンが多いし、主体性が無いのか状況に流されているような印象がある。せめてもう少し彼の心情を描くシーンがあれば良かったのだが。旧キャラの出演が多いのも小次郎編の特徴。弥生、源三郎、茜、二階堂、グレンなどたくさん出ているものの、魅力を感じたキャラは少ない。声優陣は頑張っているだけにシナリオの力の無さが目立つ。
まりな編は新キャラが多いからか、全体的に良いキャラが多い。ヒロインのまりなはEVE beに比べると失敗が多い気もするが、若いということで許容範囲か。暴走っぷりがまりならしくて○。上昇思考が強かったり、若いなりのがむしゃらっぷりが感じられた。
まりな編一押しはトア・ノバルティス。ストーリー的な位置付けも重要なのだが、それとは関係なく振りまく愛嬌が抜群。まりなとの掛け合いが面白く、重い事件の続くストーリーの中でワンクッション置き、テンポを良くしていた。二押しが高畠。ストーリー序盤から登場し、単なるギャグキャラと思わせて謎解きのアドバイス役として活躍。トアと並んでまりなとの掛け合いが楽しいキャラ。ヘンな趣味、ボケ担当という特徴がありながら意外に思慮深い一面も。三押しがルース・ブラッチフォード。悪女役の切れる人物でありながら、まりなとボケ突っ込みで活躍するなどまりな編のテンポの良いギャグ面で貢献。一方、悪役としての怖い一面も見せつけた。
シャサ、美作、氷室などの渋い脇役も声優の上手さも相まってシリアスな面を支えた。旧キャラでたくさん出演した甲野本部長の活躍が地味で、EVE beのようなギャグ面での活躍が出来ず残念。
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| サウンド | |
音楽は数・クオリティ共にまずまず。緊迫感のあるシーンのアップテンポな曲は良かったかと。
相変わらずシーズの声優キャスティング担当のセンスは素晴らしい。今回の大当たりはトア役の桑島法子。まりな編で最も喋るキャラクターだが、飽きさせることなくギャグ・シリアス共に十分な魅力を発揮。EVEらしい、選ばなくても良いコマンドでのお遊びなど、かなり良好。桑島法子の演技を聞いているだけで十分ゲームをやりたい気持ちにさせる(これは筆者の趣味が出過ぎか?)これ以外でも、飛田展男、勝生真沙子、鈴置洋考などベテラン一流声優の演技が楽しめる。EVE beの既存キャラの名優達も変わらず出演。シナリオの精彩の無さが足を引っ張ってはいたが。諸所の事情は分かるが、まりなを三石琴乃に変えたのは不満。特に「はろはろ〜」の一言が好きになれません。EVE beファンとして。
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