| システム | |
基本システムはマルチエンドのビジュアルノベル形式のアドベンチャー。画面にキャラと文章が被る方式は今となっては少し古く感じる。なまじ、フルボイス(女性キャラのみ)なだけにビジュアルノベル形式との相性が悪かった。クリックしていると音声を飛ばしてしまう事もしばしば。
このゲームの最大の売りでもあるのは視点切り替えシステム。主人公二人の他、何人かのキャラクターの視点を切り替えて話を進めていく。時間軸にそって各シーンが細切れに配置されている。最初は短い時間で切り替わる視点に戸惑ったが、慣れれば同時進行で進む物語の面白さが感じられた。視点切り替えのタイムスケジュール画面で“空白の時間”がどこなのかも分かりやすいし、システムとしてはよく出来ていると感じた。ただ、視点切り替えの自由度は低い。Aの視点で見たシーンが終了したら、Bの視点、次はCの視点……といった感じでほぼ一本道。視点切り替えのタイミングでゲームが進行するザッピングシステムとは異なるので注意。
既読文章スキップやメッセージ履歴といったシステムは完備。ただ、スキップの速度が遅く快適とは言えない。ノベル式なのだからもう少し速くてもいいだろう。セーブ数は60個。ゲームの長さからすれば十分。オートセーブ機能もあるので便利。CG閲覧、音楽鑑賞といった基本的なおまけモードあり。えっちシーン再生機能は陵辱系だけにきっちり装備。
システム上の難点は特に無いが、たまに強制終了する事があった。オートセーブ機能があるので助かったが。
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| グラフィック | |
原画はみんめい氏。頭が小さくて足が長い、等身の高いデザイン。手足が長く、して体の各パーツが極端に強調されている。胸は大きく、首・足・腰などが恐ろしく細くボディバランスは悪い。セックスアピールのある箇所を誇張しているのだと思うが、個人的にはあまりいただけない。立ち絵ではあまりに首が細すぎて異様。もちろん好みの問題もあるだろう。髪や服の細かな描き込みなどは優れている。CGの塗りは全体的に落ち着いた色使い。キャラによっては赤や金色の髪もあるのだが、派手さを抑えているので違和感はそれほど感じなかった。作品のダークな雰囲気にはマッチしていると感じた。
立ち絵はあまり豊富ではない。というより、それほど立ち絵の出てくるシーンが多くない。立ち絵の変化も表情のみの変化が多い。この辺りはノベルゲームという特性を活かして、立ち絵を節約したのかな、とも思ったり。
一枚絵CGでは、さすが陵辱系だけありほとんどがえっちしーんのもの。さすがにバリエーションも豊富。また複数のシーンで同じCGを上手く使い回していて数の少なさを感じさせない。実際の数は60枚ほど。
OPムービーは切り替えのテンポの速い、クールな作りで好感を持ったが、シナリオ途中の挿入な上に後で再生するモードも無いので勿体無いと思った。
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| キャラクター | |
キャラクターは主人公である2人が中心、それプラス何人かのサブキャラ視点がある。基本的に女性視点が多く、プレイ感覚は目新しかった。
視点切り替えのあるキャラクターたちに共通しているのが「二面性」である。各キャラの視点になると心情描写が出てくるのだが、この時に他人に見せている自分と本当の自分というニ面性が表現されている。シナリオ全体、そしてえっちシーンにも大きく関係している。
主人公であり、舞台となる学校に転入して寮にやってくる水樹理緒。のんびりしていて大人しく、やや天然気味にズレている。見た目は綺麗で男女ともに認めるほどの容姿。物語全体のキーパーソンであり、ゲーム全体を象徴したようなキャラである。記憶を失った時にイジメられるというシチュエーションが最もハマッていたキャラクター。
もう一人の主人公、理緒の従姉妹で昔は近所に住んでいた成瀬遥。性格は明るく良く喋る。勉強もできるし見た目も良く、男女共に人気がある。個性が強く、主張も激しいので寮内では反発される事もある。理緒がゲームのキーパーソンなら遥はシナリオの中心と言える。遥が黙々とイジメられるキャラだとすれば遥は反発しながらイジメられるキャラ。
理緒たちの後輩でジャーナリスト志望という日々野真実。理緒や遥に興味を持ち、寮内の事故を捜査しはじめる。好奇心が旺盛で、行動派。見た目の幼さとは対照的に常に計算して行動するタイプ。シナリオ上の役目としては謎を解明していくポジションである。
理緒たちの先輩であり、寮長をしている芹沢葉月。物静かで理性的、寮内の規律を守らせる堅い人物。ともすれば冷たいと見られる。一方で、秘密裏に行動できるように寮長を務めているしたたかな面がある。
学校の保健の先生兼、理緒たちの住む寮の管理人である佐倉絵里。のんびりしたお姉さんで優しい性格。相談事がしやすそうに見えるからか、男女ともに人気がある。一方で、心の弱さを抱えており、自分自身のトラブルに対しては冷静に対処できない面もある。
その他。男性キャラは何人か出てくるが、理緒・遥の幼なじみである真人以外のキャラクターは描写が薄い。真人もそれほど詳しい描写があるわけではない。この辺りは男性キャラの印象を薄くする事でシナリオのエロ要素を高めていたような印象がある。即ち、陵辱する側である男性キャラの人格をあやふやにすることで、陵辱シーンの不条理さや特異性を際立たせ、えっち度を高めていたように感じた。(個人的かもしれないが、女性をモノとして扱い、男性を征服する側として設定した方が純粋なエロ要素が高くなると思う)
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| シナリオ | |
シナリオライターは蒼色氏。監督・演出も兼ねているので本作の中心的なスタッフなのだろう。
いくつか選択肢はあるがほぼ一本道のシナリオ。バッドエンドにこれといった意味は感じられないので、メインのシナリオを楽しむスタイルだろう。
このゲームはまずエロありきのポルノ作品である。シナリオは陵辱シーンを見せる事を念頭に置いて作られたものである。そのため、シナリオの中盤はほとんど陵辱シーンに占められている。しかし、この陵辱シーンこそシナリオに深みを持たせているものでもあり、またプレイヤーに見せたいシーンでもあるのだろう。
シナリオ。様々な人物達の思惑が乱れ飛ぶサスペンス。プレイヤーは事件の真相を推理しながらえっちシーンを楽しむというスタイルになる。記憶障害が起こり始めてから、二人の主人公たちはイジメを受けるようになる。どうして記憶障害が起こった事故の原因は何なのか、イジメを先導しているグループの正体は何なのか、そしてこのようなイジメの起こる学生寮の体質には何があるのか、というところが謎となる。シナリオが終盤に差し掛かると、この辺りの謎が少しずつ見えてくる。寮の実態や記憶障害の綻びなどが明らかになるにつれ、謎が解明されていく。しかし、最も大きな謎は最後に解き明かされる。ヒントはあるのだが、気付きにくく、大きなドンデン返しだった。シナリオとシステムを上手く結びつけたトリックであり、全体のテーマとの噛み合いも良い。
シナリオのテーマはイジメ。そして記憶障害。イジメの酷さを描写していくこと、そして記憶障害というものが何故起こるのかということを描きたかったのではないかと感じた。
えっちシーンについて。ほとんどが陵辱シーン。一部、普通のえっちシーンもあるがシナリオの流れの中であるだけ。調教という要素は薄く、陵辱の繰り返しとした方が正しい。女性側の視点で描かれるため、陵辱される側の心情が描かれている。故に、辛さ・苦しさが強調された展開ではある。ただ、話が進むほど陵辱されている女性キャラが気持ちよくなってしまったりする都合の良さもあるので、暗いだけの展開というわけでもないが。記憶障害の起こるキャラについてはどうして陵辱されるのか分からず毎回新鮮な反応をするのが特徴的である。ワンパターンと言えばワンパターンの展開が多いので、好きなら良いが、嫌いだと辛いだけという可能性もあり。個人的にはシンプルな陵辱シーンを徹底的に描いていたので良かったと思う。細かいシチュエーションなどは下記のネタバレ参照。
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| サウンド | |
音楽はPCM。スピードの速いテクノサウンド。アレンジが巧みで曲単体としてのクオリティは高い。曲の数自体は少ないが、暗い雰囲気をきっちり演出していたように思う。
ボイスは女性のみフルボイス。声優は非公開。総じてレベルは高く、特に不満はなし。シナリオの展開上、泣き・絶叫の演技が印象的だった。
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