レビュー:Piaキャロットへようこそ!3 らすとあっぷでーと:12月10日
Piaキャロットへようこそ!3[F&C](Win)
ゲーム概要 ファミレス「Piaキャロット」を舞台にしたラブコメディー。Piaキャロ本店でアルバイトをしていた主人公の神無月明彦は新規オープンする4号店に夏休みの間ヘルプ要員として働いてもらえないかと打診される。本店でいっしょに働く高井さやかと別れたくはなかったが、断れず、結局4号店にヘルプとして派遣される事になる。
システム  基本システムは選択肢式アドベンチャー+能力値上げのシミュレーション。シリーズお馴染みの容姿・優しさ・体力などの各パラメータをバイトや勉強などで上げていく。能力値はイベントのフラグや最終的な攻略で影響するようだ。ただ、それほどメインストーリーには影響しなかったようだ。既読文章飛ばしやメッセージ履歴などはきちんと備えている。セーブ数は30個ほどで、キャラ数とゲームの長さからすれば順当。キャラクターアイコンをセーブファイル毎に設定できて便利。Ctrlスキップが無いのは多少不満だが、既読スキップが優秀なのでそれほど問題にはならないか。自動送りがドラマティックモード(キャラの字幕表示なし)しかないので、できれば普通の自動送りも欲しかった。CG回想、シーン回想、音楽鑑賞などはきちんとある。フルインストールするとCDなしで起動できて便利。バグが無く、極めて安定したシステム。
グラフィック  原画はWith Youの橋本タカシを中心とした複数の原画家チーム。原画家毎の絵柄の違和感はそれ程無く(君島ナナはちょっと違うが……)統率は取れていると言えそう。アニメ調の絵柄はまさにF&Cらしい。中間色が多く、さすがは老舗メーカーといいたくなるほどのクオリティの高さを誇る。Piaキャロの肝と言える制服のデザイン、背景の美しさ、キャラクターのデザインなど、どれをとっても一流クラス。口パクや目パチもちゃんと付いているのも、中堅メーカーの作品に慣れている人間からすれば動きが感じられて良かった。ちゃんとシリーズお馴染みの制服3パターンも健在。一枚絵CGもそこそこ多く、特に不満は感じなかった。
キャラクター  キャラクターに関してはあまり目新しいキャラというものはおらず、典型的なキャラをバランス良く配置した印象。
 高井さやかは友達感覚の気さくなヒロイン、て感じで、比較的どんなプレイヤーからも嫌われなさそうな感じ。主人公への好意が感じられるが、ともみに比べれば自然な感じ。ナチュラルに世話してくるタイプかと。
 愛沢ともみはコンシューマ版のPiaキャロ2からの出演。2号店からのヘルプ。髪が短くなって大人っぽくなったか?と思ったら、むしろ子供なオーラが強化されたような……。好意を無条件に示してくるのをどう捉えるか。個人的には根拠の無い好意はいまいち好きになれず。
 羽瀬川朱美は4号店店長という設定とドジな性格のギャップがポイントか。悪意の無いタイプなので、さやかと同じくあまり嫌われなさそう。ちなみにこのキャラの真骨頂は関係進展後だったりする。
 岩倉夏姫は4号店マネージャー。性格きつすぎ、というか主人公を怒る姿勢があまりにも不条理。難癖付けて怒る人みたいに見えて、年上の厳しいお姉さんという設定にしても苦しくないか?関係進展後のキャラクターは朱美と同様。ただ、こっちは変わり身激し過ぎ。
 君島ナナは新規のウェイトレス。のんびり、なごやか、ちょっと内気と、割とどこにでもいそうな感じ。特徴らしい特徴なんて、最初に主人公を宗教の勧誘員と間違えた、位のもの。
 冬木美春は新規ウェイトレスだが、最初から主人公を避けており、そこまではただ暗いキャラにしか映らない。関係進展後はゆったりとしていて気遣いのできる年上キャラに。ちなみにお約束の眼鏡っ子キャラ。  木ノ下貴子は豪快、おっちょこちょい、ぐーたらという、お笑い担当な女性キャラ。専用シナリオでは一転、しっとりとした大人なシナリオに。前述の豪快さが消えちゃうのは残念かも。それを補えるくらい、落ち着いた性格もいいんですけどね。
 ちなみに、男性キャラに関してはちと弱いかも。典型的お調子者キャラである木ノ下昇くらいしかいないので。
 主人公はタフ、かつ前向きな姿勢。振られてもメゲないし、かなりあからさまにモーションをかけます。年上キャラへのパワフルさもよくやるなぁ、と。ただし、さやかシナリオではちょっと後ろ向きなんですが。
シナリオ  シナリオにもよるが、えっちシーンの比重が大きく、Piaキャロシリーズのイメージからすれば少し外れる。ただそのせいでシナリオが薄い。というか、もう少しスマートに展開させられないものでしょうか?イベント一発で恋人モードになってしまうのはプレイヤーがついて行けないし、話が膨らまない。終盤〜エピローグの展開は悪く無いので、これはゲーム設定の問題。基本的にバイト後にしかコミュニケーションが取れないので、ゲーム内の時間が不足気味。それなのに、えっちシーンを早く持ってこないと複数回こなせないので、どうしても駆け足になってしまうようだ。ただし、そこまでして描きたかったえっちシーンは濃い目につくってあり、恋人同士の甘い展開が楽しめる。
 シナリオは比較的短い。1stプレイはまだしも、共通イベントを抜かすようになると1キャラ1時間半程度でクリアできるかと。制服別のCGを集める必要があるため、ある意味時間の無いライトゲーマーには良いのかも?
 さやかシナリオ。プレイヤーの間では非常に評判の悪いシナリオ(笑)シナリオとしては、心のすれ違いをテーマにしていて、Piaキャロ2のあずさシナリオと同系統と言える。比較的シナリオで語ろうとしてはいるのだが、如何せんえっちゲームなので。やっぱりアレがないと。中盤で毎朝主人公の部屋に来てくれるのは、ベタではあっても楽しかったり。
 ともみシナリオ。コンシューマ版のPia2をやっていないと面白さ減少か。前半での主人公への無条件な好意はどうにも嘘くさく感じられた。後半に関しては、2の時と同じく子供っぽいネタだな、と。あとは好みの問題か。
 朱美シナリオ。前半と後半で明らかにシナリオの目指している所が異なる。前半の薄いラブストーリーより後半のベタベタな展開を楽しむべき。前半ははっきり言って端折り過ぎ。それでも後半の展開を描きたいなら、シナリオの落とし所を非恋愛ネタに持っていく必要は無いように思ったが……。
 夏姫シナリオ。前半のキャラクターの描き方があんまりなので、シナリオとしてはスマートさに欠ける。基本的なコンセプトは朱美と同じ。落としが恋愛な分ところは良い。
 ナナシナリオ。ナナというより、Pia2のあずさネタ再び、という感じ。でも、こちらの方が爽やかで見ている側としてはすっきりする。ナナを描く、という意味では力不足か。
 美春シナリオ。あまり描写不足も感じさせず、非恋愛ネタもそれなりに絡めていてバランスの良いシナリオ。朱美などとは別の意味でPiaキャロらしくないシナリオで、結構ダーク?サブキャラも含めてアンバランスを彷彿させる?
 貴子シナリオ。前半のノリと後半のノリをがらりと変えている。前半のおちゃらけ方と対照的に後半はなかなか熱いラブストーリー。主人公と年齢が離れている事もあり(18歳と29歳)、関係進展までは長いが一度火が付いてしまえば燃え上がる、と。主人公が貴子をなんとか振り向かせようとする所が見所か。ちなみに年上キャラなのであっちも熱いです(笑)
 全体を通すと、年下・同年齢はいままでのPiaキャロの延長線、年上キャラでは挑戦的なシナリオとなっております。無論、面白いのは後者でした。
サウンド  音楽はPCM(だと思う)。OP・ED・BGMはツーファイブが担当している。昔からのファンにはお馴染みなので、なんだか懐かしかった。ただ、OPはPiaキャロ2の『GO!GO!ウェイトレス』のイメージがあったため、大人しくてちょっと残念。ポップなBGMで終始まとめており、ゲームのイメージを壊す事はなかった。
 ボイスに関してはかなり頑張っている。音質も良いし、声優陣もF&Cのお馴染みから少し外していて悪く無いかと。特にえっちシーンでの頑張りに注目して欲しい。
総評  「F&Cは絵は良くてもシナリオがダメでしょう……」という印象を少し変えた作品。ただし、本格派のシナリオになったわけではなく、ライトなラブコメ路線のシナリオから方向性が変わったな、と。プレイヤーを楽しませるだけのシナリオがあれば、絵やシステム、音楽などは業界トップクラスなだけに、十分に良い作品になれますね。ただ、これだけ"18禁"していると、コンシューマ移植が大変そうですね。

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