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試写状 エボリューション

EVOLUTION

2001年アメリカ 監督アイバン・ライトマン 脚本デビッド・ダイヤモンド/デビッド・ウェイスマン/ドン・ジャコビー 撮影マイケル・チャップマン 出演デビッド・ドゥカブニー/ジュリアン・ムーア/オーランド・ジョーンズ/ショーン・ウィリアム・スコット ●103分 ソニー・ピクチャーズ配給
2001年11月上旬より日劇ほか東宝洋画系にて公開予定

●オフィシャル・サイト●http://www.spe.co.jp
(c)Columbia Tristar Film and Dream Works Pictures all rights reserved

急速に進化するDNAを持ったエイリアンに、デビッド・ドゥカブニーら撃退部隊が戦いを挑むSFXコメディ。監督は、『ゴーストバスターズ』のアイバン・ライトマン。VFXスーパーバイザーは、『ジュラシック・パーク』のフィル・ティペット。

アリゾナ州グレン・キャニオンの砂漠に隕石が落下。近くのコミュニティ・カレッジで生物学を教えるアイラ(ドゥカブニー)と、地質学を教えるハリー(ジョーンズ)が調査に向ったところ、隕石から出てきた液体に未知のDNAが含まれていることが判明した。そのDNAが、あっという間に単細胞生物に進化するのを見て、ノーベル賞級の発見だと喜ぶふたり。しかし、隕石の落下現場は軍の調査部隊に占拠され、アイラとハリーは調査から閉め出されてしまう。その間にも、昆虫→トカゲ→恐竜へと進化を続ける生物は、地下の洞窟を通って町のあちこちに散らばり、人々を襲い始めた。アイラとハリー、軍のやり方に反旗を翻した調査官のリード博士(ムーア)、そして消防士志願の青年ウェイン(スコット)は、生命体の弱点をつく作戦を考え出すのだが……。

『MIB』+『ゴーストバスターズ』
★★☆
(2001/06/11 日劇プラザ)

製作スタジオは『メン・イン・ブラック』のアンブリンと同族のドリームワークス、監督は『ゴースト・バスターズ』のアイバン・ライトマン。かくして出来あがったのは、珍妙なエイリアンにズッコケ撃退部隊が立ち向かうという2本の映画の合わせワザ。まったくもって、わかりやすすぎるほどわかりやすい映画である。そのうえ、主演に『X−ファイル』のデビッド・ドゥカブニーをもってきて、セルフ・パロディをやらせる趣向。はたまたヒロインには『ハンニバル』のジュリアン・ムーアを抜擢し、『GB』のシガーニー・ウィーバーのイメージを継がせている。

と、見る前から誰もが中身を想像できるこの映画に、用意された驚きはふたつ。ひとつは、昆虫→怪魚→大トカゲ→亀ブルドッグ→恐竜→怪鳥→ゴリラもどき……と、2日間で20億年分の進化を遂げるDNAエイリアンのSFX。もうひとつは、そのクリーチャーが最終的にどんな変化を遂げるか(『GB』におけるマシュマロマンに相当する)、そして、撃退部隊が何を使ってそれをやっつけるか、というお楽しみだ。

前者のポイントに関して言えば、進化するクリーチャーはいちおうダーウィンの進化論にのっとっているので、『MIB』ほど奇想天外な形のものは出て来ない。パグ犬の宇宙大使みたいな人を食ったお遊びもナシ。その代わりに用意されているのは、ショッピング・センターを舞台にした怪鳥との対決シーンで、ここはモロに『ジュラシック・パーク』のノリ。カウボーイ気取りの3人組(ドゥカブニー&ジョーンズ&スコット)が、連携プレイでクリーチャーをやっつけるところは、なかなか痛快だ。あと、お笑い方面では、スズメ蜂状のクリーチャーが、ジョーンズのコーモンに入り込むエピソードも用意されている。

で、このコーモン&浣腸ネタが、実はクライマックスの「究極のクリーチャー」との対決場面の伏線になってる仕掛け。それ以上は見てのお楽しみってことにしておくが、撃退部隊が使用する最終兵器は、『マーズ・アタック!』なみにバカっぽくて笑える。

以上のごとく、コンパクトに見どころが要約できる映画には奥行きってものがなく、YAZAKI的には★★で十分かと思ったのだが、見ているあいだはそれなりに楽しかったので☆をオマケ。それにしても、デビッド・ドゥカブニーって、まったく迫力のない役者だね。「頭でっかちな芝居」が思いっきりダイコンに見えるところは、リチャード・ギアとよく似ている気がするんだけど。

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プレス表紙 キャッツ&ドッグス

CATS & DOGS

2001年アメリカ 監督ローレンス・グーターマン 脚本ジョン・レクア/グレン・フィカーラ 撮影フリオ・マカット 出演ジェフ・ゴールドブラム/エリザベス・パーキンス 声の出演トビー・マグワイア/アレック・ボールドウィン/スーザン・サランドン ●87分 ワーナー・ブラザース映画配給
2001年10月20日より丸の内プラゼールほか松竹・東急洋画系にて公開予定

●オフィシャル・サイト●http://www.warnerbros.co.jp
(c)Warner Bros Pictures all rights reserved

世界支配を企む邪悪猫と、それを阻止しようとする犬の戦いを、アニマトロニクスとCGの合成を駆使して描いたファミリー・エンターテインメント。主人公の犬の声を、『サイダーハウス・ルール』のトビー・マグワイアがつとめる。

ブロディー教授(ゴールドブラム)は、自宅の研究室で犬アレルギー治療の新薬を開発中の科学者。そんな彼の研究を快く思わないものがいた。邪悪猫のミスター・ティンクルズだ。薬が完成すれば、世界中に犬嫌いの人間がいなくなる。危機感を抱いたティンクルズは、ブロディー宅の愛犬バディを誘拐。世界征服の野望をかなえるべく、長年の宿敵、犬族に宣戦布告を行った。それを受けて立った犬たちは、世界中に張り巡らしたハイテク網を駆使し、選り抜きのトップ・エージェントをブロディー家に送り込もうとする。だが、ブロディー夫人(パーキンス)に手違いで選ばれたのは、冒険心旺盛だが何の知識もないポケット・ビーグルの子犬ルー(声マグワイア)だった。仕方なく、ルーに任務を託す犬たち。秘密諜報機関のトップ・エージェント犬ブッチ(声ボールドウィン)や、謎めいたホームレス犬アイビー(声サランドン)らのサポートを受けたルーは、少しずつたくましく成長していくのだが……。

印象は動物版の『ファイナル・ファンタジー』
★★
(2001/08/27 ワーナー・ブラザース映画試写室)

3号くらい前のMテレパルのコラムで犬をテーマに扱ったとき、「動物の演技にアニマトロニクスとCGが入り込んできてから、動物の映画が素直に楽しめなくなった」と書いたのだが、その思いをいっそう強くしたのが、この作品だった。『ファイナル・ファンタジー』の人間が人間もどきにしか見えなかったように、実物とCGとアニマトロニクスを駆使して描かれるこの映画の犬と猫も、犬もどき&猫もどきにしか見えない(とくに猫のほう)。「ライブに見せかけた作りモノ」という印象が先に立っちゃって、心が通っていかないんだよね。主人公のルーを「かわいい」と思うには、あまりにも超えるべき壁が高いという感じ。これが全部アニメとかだったら、また印象が違っていたと思うけど。

映画的な見どころとしては、善玉の犬族がチームワークで危機を乗りきろうとするのに対し、悪玉の猫族が個人プレーで勝負を仕掛けてくるところ。そこに、犬と猫の違いが見出せると言えば言える。で、個性派を取り揃えた猫チームは、『007』が下敷きになっており、ボスのミスター・ティンクルズはスペクターの首領が抱いてるペルシャ猫、投げナイフとブーメランを操るロシア猫は『007/ロシアより愛をこめて』のロッテ・レーニアがネタモトになっている。

このロシア猫や、マーシャル・アーツ使いのニンジャ猫たちが繰り広げるアクション・シーンは、100%お人形さんを使っているとはいえスピード感があって見ごたえがある。そのうち、ディズニーランドのアトラクションにも、このテのものが出てくるんじゃなかろうか? あと、ヒトラー気取りのミスター・ティンクルズが、犬アレルギーを蔓延させるバイオ・テロを実行するのにネズミの集団を使うというアイデアも、なかなかおもしろかった。

と、書いたところで気づいたのだが、お蔵入りになった『コラテラル・ダメージ』といい『ソードフィッシュ』といい、ワーナー・ブラザースは、こーんなファミリー映画でもテロものやってるのね。まったくもって好きモノだね。

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試写状 フェリックスとローラ

FÉRIX ET LOLA

2000年フランス 監督パトリス・ルコント 脚本クロード・クロッツ/パトリス・ルコント 撮影ジャン=マリー・ドルージュ 出演シャルロット・ゲンズブール/フィリップ・トレトン/アラン・バシュング/フィリップ・デキュ・ジャネラン ●89分 シネマパリジャン配給
2001年11月3日よりル・シネマにて公開予定

●オフィシャル・サイト● http://www.cinemaparisien.com
(c)Pathe International all rights reserved

『サン・ピエールの生命』に続くパトリス・ルコントの監督作。移動遊園地を舞台に、バンパー・カーのアトラクションのオーナーと、謎めいた過去を持つ女の恋を描く。

フェリックス(トレトン)は、移動遊園地のバンパー・カーのオーナー。いつも切符売り場で客たちを眺めている彼は、ある日、バンパー・カーからいっこうに降りようとせず、他の客たちからぶつけられっぱなしになっている女に目をひきつけられる。彼女を追って遊園地内のバーに行くフェリックス。ローラ(ゲンズブール)と名乗る女に「私を雇う気はない?」と聞かれた彼は、とっさに「いいよ」と答えてしまう。それは、ひと目惚れの恋だった。だが、その幸せも長くは続かず、謎めいた男(バシュング)がフェリックスの従業員に託したハーモニカを受け取ったローラは、脅えて姿を消してしまった。数日後、戻ってきたローラはフェリックスの求愛を受け入れ、彼と結ばれた。とはいえ、例の男にまつわる過去は隠したまま。やがて彼女はフェリックスに、こう囁く。「彼が死ねば、私たちは幸せになれる」。それから何日かたった夜、とあるナイトクラブに、拳銃をふところに忍ばせたフェリックスの姿があった。

ファム・ファタルもの……なんだろか?
★★
(2001/07/04 徳間ホール)

ルコント映画は当たりハズレが大きくて困る。と思うのは私だけ? 前作の『サン・ピエールの生命』は、MYベスト10に入るほどウェルメイドに思えた作品だったが、その前の『橋の上の娘』や『ハーフ・ア・チャンス』は、小娘ヴァネッサ・パラディに、ルコントおやじ(後者の場合はドロン&ベルモンドも)がもて遊ばれていたみたいな印象。で、この『フェリックスとローラ』も、小娘シャルロット・ゲンズブールに好きなようにされてる感じ。アンナ・ガリエナやファニー・アルダンみたいな成熟女優を使わないと、ピリッとしたものが作れないルコントって、ひょっとすると隠れロリコン体質なんじゃなかろうか。そういえば、彼、グルーチョが好きだって言ってたしな。

映画は、劇のクライマックス部分を、手持ちカメラの映像でドキュメンタリーふうに撮影したプロローグから始まる。拳銃をしのばせてナイトクラブに入っていったフェリックスは、ステージで歌っている歌手を撃ち、周囲の男たちに取り押さえられる。いったい何がフェリックスにそうさせたのか? という前日談が、その後の本編で解き明かされていく趣向だ。

つまりこれは、一種の謎解きドラマであり、ゲンズブール演じるローラの「正体」が、この謎の核心に位置している。フェリックスは、移動遊園地にフラリと現れた彼女を無条件で愛し、「たとえどんな女であっても、君を信じる」と言い続ける。そんな彼に、「私のために、愛のために死ねる?」「彼(歌手)が死ねば、私たちは幸せになれる」と囁くローラ。30過ぎた純情男をたぶらかす悪女、と私には思えた彼女には、いったいどんな裏があるのか?

と、この映画をファム・ファタルものだと思いながら見ていた私は、その点に興味をつなげてゲンズブールの硬質な芝居に耐えておったのだが、「プロローグの後日談」を描くパートにきてビックリ。な、な、な〜んと、この話(=ローラの謎めいた過去と正体)には、な〜んのオチもないのだよ。っていうか、ローラは「30過ぎた純情男をたぶらかす悪女」に違いなかったのだが、ホントにたぶらかすだけの女だったという。ま、これ以上はネタばれになるので控えるが、これまで見ていたものが、自己陶酔女とマヌケ男の純愛モノだったことに気づき、思いっきり頭が痛くなってしまった。

多分、ルコント的には、これは「愛の試練」の物語として位置付けられると思うのだけど、どうもいまひとつそのテーマが浮き立ってこない。ディテールでは、『橋の上の娘』のナイフ投げシーンを再現しようとするかのように、ローラがオートバイの曲乗りに挑戦するシーンも出てくるけど、今回はエロチシズムが不発。はたまた『橋の上の娘』に続き、移動遊園地というサーカス的=フェリーニ的な要素が味付けに使われているのだが、擬似家族の描写はいたって中途半端だ。

というわけで、ルコントの一ファンとしては、来年日本公開が決定しているという新作の『歓楽通り』に、期待をつなげたい気分です。

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