演歌でポン 2


急行・踊り子     中山ますみ
   阿久悠/三木たかし/川口真
C/W わたしの赤とんぼ
   阿久悠/三木たかし/川口真
     テイチク RE-639

80年代演歌アイドルの代表格。といっても結局売れませんでしたが…。テイチク50周年記念歌手という事で同期の長山洋子さんのようにアイドルさせられる事もなく「港町演歌」でひっそり(あれ、記念歌手ではなかっ…)デビュー。これがセカンドで次の「花びらのなごり」がラスト。勿論実力はありますが変にコブシがキツいわけでもないので、レコード会社先輩・八代亜紀の世界を匂わせるこのセカンドはちょっとキビシイのでは。B面のほうが絶対いいんだけど。ルックス的には「完璧」です。これでポップスなら絶対ハマったはず。
希望岬     平岡千佳
   山田孝雄/四方章人/近藤進
C/W 牛追い唄は聞こえない
   山田孝雄/四方章人/蘭広昭
     ビクター SV-9308

…(絶句)。80年代後半のビクター演歌はコアマニア狙いなのか(笑)。歌っている平岡さんは他にもシングルをリリースされており、未入手ですがデビュー曲では髪も長くお着物を着てらしたはず。その彼女がここまでマニッシュに変貌しショタ臭も漂わせながら挑んだこの旅情フォーク演歌にどんな勝算を見込んだのか今となっては知る由もありませんが、素直に聴くとほのぼのした味わいある曲ではあります。それにしてもやりすぎとしか…せめてこれが彼女の根底から湧き出る意思のみによるものでは無い事だけを祈ります。
愛人志願     上村栄子
   たかたかし/岡千秋/馬場良
C/W 新宿みれん
   たかたかし/岡千秋/馬場良
     テイチク RE-479

シティポップス風アンニュイ演歌を期待したのですが、開けてびっくり、「なみだの操」かと思ったくらいの踏ん張り泥演歌でございました。歌う上村さんもコブシのグラインドが素晴らしく、♪お世話をお世話をさせてね、って何の世話だかよく分かるわぁ〜。彼女には他に「いつか来る春来ない春」という曲があるのですが(未入手)こちらも現代的なジャケ写できっと私みたいについ買ってしまう人種がターゲットなのでしょう。この「いつか来る春〜」って、インディーズの夏川アキ(亜希から改名)がリリースしてた同名シングルと同じ曲かなぁ。
うつら うつら     香川ゆみ
   伊井田朗/四方章人/竜崎孝路
C/W さよならアバヨと…
   伊井田朗/林萬太郎/竜崎孝路
     ユピテル YS-68

ジャケットはどう考えても荒木由美子さんを意識しているでしょう。香川さんのアゴの具合までそういえば似ています。それにしても綺麗に撮れてて“yumi”の安っぽいロゴもピッタリはまってて素敵なジャケ。曲は演歌というよりアダルト歌謡ポップス、コブシよりもウナリが入りそうな感じでさりげなくいい曲。B面も演歌とは言い切れない歌謡曲だし、これは当時のアイドルポップス全盛期を基盤にしているがこその曲選択なのでしょうか。もしかして本人はアイドル狙いだったりして。ほかに「ちょっとちょっと…」なんて曲もありました。
くらやみ坂     速見えりか
   岡田冨美子/吉田正/竹村次郎
C/W 香港フライト
   最首としみつ/吉田正/竹村次郎
     ビクター SV-6318

「恋人岬」がデビュー曲なのでしょうか、殆ど知らない彼女ですがこの笑顔と衣裳センスはいいですねぇ。可愛らしさを装った前髪は良いのですが、サイドのウェーブまでは気が行き届かなかったのでしょうか、それともこれも作戦か。曲はムード歌謡というかバックにムードコーラスのおじさま達が息を吹きかけてるととても似合いそうな曲、ただその手のコーラスに絡む女性ヴォーカルは大体清純系なので(松尾さんは除く)、この人の♪今夜が欲しくなる〜の疼き具合ではちょっとね。
潮風の誘い     浜野美砂
   星野哲郎/鈴木淳/杉村俊博
C/W 人恋い染めし
   星野哲郎/鈴木淳/杉村俊博
     クラウン CWA-196

こちらも堂々アイドルでございます、といった自身にも満ちたジャケットですね。それならネオンフィッシュのようなアイラインはお止めになった方がよろしかったかと(笑)。曲は初期小柳ルミ子路線でまぁ無難なセンですが、1番の♪とれとれの魚たち、って表現はリリースまでの段階で誰かが歌詞差し替えを言い出すべきだったのでは、という気も。星野先生、流石です。浜野さんはこれ1曲かと思いきやその後も芸能活動を続け今も現役。司会業などの傍ら歌手としても活躍してらっしゃるそうです。さすが83年組は皆しぶといわ、頑張って下さい。





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