ギャル



この人たちが初めて3人でスタ誕に登場した時の事は今でも忘れられません。アシスタントのお姉さまが、「なかよし3人組がトリオを組みました〜!」と一瞬の衒いもなく紹介し、唖然とする私に間髪入れず出てきた、キャバレーのショウタイムの衣裳のような彼女達が醸し出すこれでもかぁ〜!といわんばかりの歌声…。もうちょっと幼かったら間違いなく失禁していたでしょう。
メンバーは「好奇心」の黒木真由美(マミ)、「目かくし」の石江理世(ミチヨ)、そして「わたしのシュガーボーイ」の目黒ひとみ(ヒー)。同じ事務所のB級アイドル3人です。こんな再生方法考える事務所も事務所だけど、その上キャンディーズのフォロワーまで視野に入れてたんだからコワイ。私のためにデビューしてくれたのではないかと錯覚してしまうほどのオイシサです。
3年以上前にデビューしていた石江サンは2曲でリタイア、代わりに入ったのはその後ベティ&ペティになる中世古明代。でも結局4曲でギャルは解散してしまいます。まあ1曲出しただけでも奇蹟だとは思うけど続けてほしかったなぁ!黒木さんは性懲りもなく再復帰したみたいだしこの際ギャルも再結成したら?

薔薇とピストル
  阿久悠/川口真/馬飼野康二
C/W グループ
  阿久悠/川口真/馬飼野康二
 キング GK-143 1977/10/21

撃のデビューにピッタリの曲。しょっぱなの♪好きになればぁ〜命懸けよ〜という所で既に彼女達の芸能界に対する執着心が窺えます。ソロ部分はマミ・ミチヨ・ヒーの順。一応リーダーはマミでしょうがソロ期間の一番短いヒーをクローズアップさせてる所もあさはかで非常に好感持てます。エンディングの振り付けは圧巻!あの瞬間は彼女達も我を忘れているかのようです。B面はちょっと違うイメージですが、まあ実験なのかな?なお、その後この曲を歌ってる処を最近改めて見る事ができました。スンゴイ!あれだけのことができるんだからアンタたち最強よ。ラストのケツ振り〜キメポーズはやっぱり凄かった。他のも流出しないかしら…。

マグネット・ジョーに気をつけろ
  阿久悠/川口真/馬飼野康二
C/W 珈琲をいれましょう
  阿久悠/川口真/馬飼野康二
 キング GK-165 1978/2/21

デビュー曲のヴァージョンアップ版とでも言いましょうか、テレビでもジャケットと同じ衣裳で倒錯の世界に誘い込むかのような振り付けが本当に怖かった。キメのポーズ(手でOKサインを作り手の甲を前にしてクロスさせ輪の部分を目に持ってくる…皆さんもやってみて)は「教えてください神様」のキメポーズに対抗してたのか?ミチヨのショートカットも強烈!B面はミディアムだけど良い曲。歌は一応上手いもんね。なお、この曲リリースの後にアルバム『ギャルのスペースオペラ』が出ております(下記参照)。アニメソング・メドレーなど倒錯的な構成がなんとも。曲の間にセリフ、というか寸劇(笑)が挿入されてるんですが、網タイツ・ガーターベルト・薔薇とピストルでギャルの装備完了!という雄叫びの直後の「薔薇とピストル」、という構成はさすが。確かに完全装備だわ…。B面ラストの「フライングソーサー」はギャルのオラオラ路線を継承したグンバツの出来。さすがあかのたちお先生、彼女達の本質を解ってますわね。

誘惑されて
  竜真知子/桑名正博/船山基紀
C/W スーパー・スター
  竜真知子/桑名正博/船山基紀
 キング GK-257 1978/10/5

この時点でミチヨが脱けてしまって(オトコ絡みでしょうかヤッパ)ここから中世古明代が加入、桑名正博を起用した勝負曲。お色気は残ってますが何かが足りない…それはミチヨの歌唱力かもしれませんが、私はギャルというグループが持っていた「B級からの這い上がり」という異常なパワーの欠落ではないかという気もします。純粋に彼女達には売れてもらって夢を叶えて欲しかったなぁ。ミチヨ以外の3人は結局復活しちゃうんだし。残念でしたが彼女達の存在には拍手を送ってあげたいですね。てゆか黒木さん、いくらなんでもクロ過ぎよアンタ…(苦笑)。

黄金仮面
  杉野まもる/京田誠一/長戸大幸
C/W 悪魔のように
  杉野まもる/京田誠一/長戸大幸
 キング GK−260 1978/10/21

うぐぐ。とうとう入手してしまいました。稀少化・高騰してしまったのは自業自得である事は承知しております、すみません。NHKラジオドラマ『黄金仮面』の主題歌・挿入歌としてリリースされております。確かに前と比べてハーモニーのレベルが下がってしまったのはしょうがないですが、キワモノ加減は変わっておりません、いやむしろアガっているのかも。デビュー時のコンセプトとは別の異常グループとなっております。恐らく月光仮面を焼き崩した歌詩、キッチュでこれ見よがしなメロディ、アクメ寸前で寸止めのアレンジが彼女達の焦燥感から崩壊感への橋渡しをしているかのよう。今の私の最大の課題は、「マグネットジョー」のようにこの曲でも“仮面ポーズ”をやっていたとしたらどんな手さばきなのか、を考える事です。きっとTV放映できないような指づかいで仮面ポーズを表現されてたハズよ(TVで歌う処見た事ないけど)。B面のバラードもおどろおどろしくてステキです。

<アルバム>
  ギャルのスペース・オペラ
     キング  SKA-233 1978/4/5


A-1. マグネット・ジョーに気をつけろ
A-2. 薔薇とピストル
A-3. 宇宙船GAL  阿久悠/川口真/深町純
A-4. スター・ウォーズ  -/JOHN WILLIAMS/あかのたちお
A-5. ギャルのテーマ  阿久悠/川口真/川口真
B-1. スケッチ(絵模様)  かめだめい/大本恭敬/あかのたちお
B-2. ムーミン  井上ひさし/宇野誠一郎/あかのたちお
    ひみつのアッコちゃん  井上ひさし・山元護久/小林亜星/あかのたちお
    キャンディ・キャンディ  名木田恵子/渡辺岳夫/あかのたちお
B-3. 宇宙戦艦ヤマト  阿久悠/宮川泰/あかのたちお
B-4. レッド・バロン  阿久悠/井上忠夫/あかのたちお
    マッハ・バロン  阿久悠/井上忠夫/あかのたちお
    ガンバロン  千家和也/ミッキー吉野/あかのたちお
B-5. ルパンV世  -/大野雄二/あかのたちお
B-6. フライング・ソーサー  かめだめい/あかのたちお/あかのたちお



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