惑いの午後
   阿木耀子/筒美京平/筒美京平
C/W 愛と哀の間
   阿木耀子/筒美京平/萩田光雄
     CBSソニー 06SH572

前作「魅せられて」のロングヒットでリリース時期とか難しかったとは思いますが、曲としてはかなり水準高いはず。A面は飲み物のCMソング、B面は主演ドラマのエンディングテーマ、A面をドラマのオープニングに使えばよかったのに(曲内容も合ってたので当初はそのつもりだったのでしょう)。♪薔薇と蜜とを変わりばんこに、とか♪女は夜から教わるの、とかぬるぬるするフレーズ満載の歌詞に、本物の高級感漂う曲・アレンジで完璧の出来。渚まゆみみたいなジャケットも素敵です。
麗華の夢
   阿木耀子/筒美京平/萩田光雄
C/W 食前酒をどうぞ
   阿木耀子/筒美京平/萩田光雄
     CBSソニー 06SH742

こちらは完全に勝負に出た感じ。贅沢しかしてきませんでした、と云わんばかりの雰囲気は偽者がやると成金の悪趣味にしか見えませんがジュディがやるからこそ嫌味の無い上品な高級感が醸し出せるというものです。孔雀・麝香・エメラルド、おまけにサビでは♪麗華 麗華 華麗な麗華、とあざと過ぎる歌詞も彼女の為にだけあるものでしょう。衣裳も豪華でした。紅白でのパフォーマンスも忘れられない。B面はアルバム『白の幻想』からのシングルカットです。
リクエスト
   中村泰士/中村泰士/高田弘
C/W 夢三夜
   石丸博/北原じゅん/萩田光雄
     CBSソニー 06SH812

この曲は「魅せられて」より前に一度シングルリリースされており、云わばセルフリイシューですね。ご本人もお気に入りの曲らしくその後もアルバムなどで別アレンジで歌われているようです。その気持ちもよく分かる、よく出来た作品。カラオケにも2種類のヴァージョンがあり、個人的にはこの時のヴァージョンの方が好きかな(エンディングとかね)。B面は少し演歌寄りではありますが、独特の乾いた感じが何とも云えません。歌詞がまたいいんだな。
春雪
   岡田冨美子/佐瀬寿一/萩田光雄
C/W 追いかけて都会
   岡田冨美子/佐瀬寿一/萩田光雄
     CBSソニー 07SH904

こちらはさらに演歌寄り、というか70年代歌謡曲路線になっており、これは興行的なことを考えてのものでしょうか。レコ大受賞という冠があれば地方公演も多くなるでしょうが、観客のニーズを考えるとレパートリーの中に演歌的なものもないとね。勿論ジュディですのでコブシもキツくなくサラッとしており軽く聴けます。ジャケでチャイナドレスを着るというのは彼女にしては珍しいもの。B面はエレキ歌謡ですね。♪あンなった〜、の歌い方もコロムビア的?
アカシア慕情
   ちあき哲也/佐瀬寿一/若草恵
C/W バッカスの夜
   ちあき哲也/佐瀬寿一/若草恵
     CBSソニー 07SH1003

前作に引き続きちょっとメロウな歌謡曲路線。えり足のほつれ毛具合がなかなか色っぽいわぁ。不思議なのがラストの♪もえて大連、というフレーズ。今まで直接的にアジアを感じさせる手段は取らなかった彼女にしては珍しいと思うのですが…。B面の方が全盛期の彼女の歌に近いもの。ちあき哲也の歌詞はやっぱり凄くて、♪乳房がもひとつ欲しいほど、とか♪てのひらのムール貝もう女色、とかやり過ぎで大好きです。
あなたの背中
   有馬三恵子/桑原研郎/若草恵
C/W 銀の鎖
   有馬三恵子/桑原研郎/若草恵
     CBSソニー 07SH1039

この曲ではタンゴ風歌謡曲に挑戦。ちょっとシャンソンみたいでかっこいいです。とはいえこの頃の彼女の歌をテレビで見ることはなかったのでどんなTVパフォーマンスをカマしてくれてるのか興味深いのですが…。B面はうって変わってちょっとハードなナンバー、ジュディもいつもよりも更に突き放したような歌い方で当時の流行っぽい感じがするのですが?
滴のように
   嶺岸未来/中村泰士/若草恵
C/W 風のララバイ
   有馬三恵子/桑原研郎/若草恵
     CBSソニー 07SH1104

TBSドラマ『愛の別れ道』主題歌。両A面扱いの「風のララバイ」はNHK『おはよう広場』オリジナルソングとなっております。A面作曲の中村泰士はデュエットというかハーモニーで参加しております。「リクエスト」といいこの曲といい、彼女とは相性がいいですね。この曲も彼女のゴージャスな部分の裏側をうまく表現していると思います。「風のララバイ」は番組見てないのでどういう使われ方をしてたのか不明ですが、NHK向きの坦々とした歌謡曲という感じ。
朝なのに黄昏―33才―
   J.Iglesias・阿木耀子/J.Iglesias/若草恵
C/W ソフィアの宴
   阿木耀子/筒美京平/筒美京平
     CBSソニー 07SH1276

CBSソニーでは上記の他杉良太郎とのデュエット(「恋は夢のなか」未入手)をリリースし、10年在籍したソニーでのラストシングルがこれ。フリオ・イグレシアスにプレゼントされた曲でした。何ともいえないけだるい淋しさが漂うシャンソン風の名曲でしょう。B面はA面の豪華さに負けない阿木×筒美作品、「惑いの午後」「麗華の夢」の頃を髣髴とさせるドロドロ気味の正統熟女歌謡です。
ひとひらの雪
   阿木耀子/佐藤隆/チト河内
C/W セゾン・ド・ラムール―葡萄色の記憶―
   岩里祐穂/小杉保夫/大谷和夫
     東芝イーストワールド WTP-17751

映画「ひとひらの雪」主題歌。東芝移籍を機に演歌に転向するのかと思いましたがネパール民謡のこぶしだって。佐藤隆の曲は或る意味スタンダードの曲、後にリリースされる「エスメラルダ」を聴いて恥ずかしながらこの曲をまた歌ってるのかと勘違いしました。いい曲ではあるんだけど、どうせなら映画にも出ればいいのにね。
再会
Patricia Carli・矢田部道一/Emil Dimitrov/萩田光雄
C/W 旅情
   吉澤久美子/萩田光雄/萩田光雄
     東芝イーストワールド RT07-2209

「ひとひらの雪」の後東芝日曜劇場テーマ「愛のめぐり逢い」(未入手)をリリース。88年の第一弾がこの曲、と言いたいところですが、この曲が店頭に並んでるのを見た事ないなぁ。本当にリリースされたんでしょうか?(盤には88.1.25発売と記載)シャンソンのスタンダードをカヴァーしてますが、金子由香利の枯れた落ち葉のような情感にはいまひとつといったところ。ジュディはまだまだ若いんですもの、もっとオイタしてる女性像のほうがお似合いですわよ。
小指のジェラシー
   阿木耀子/宇崎竜童/小島久政
C/W アムールな関係
   阿木耀子/宇崎竜童/小島久政
     東芝EMI TODT-3428

「再会」の後、既出の「愛の堕落」、「愛のめぐり逢い」(B面違いのCD盤)、「エスメラルダ」、「たったひとつのTonight」と続き(手抜きと言わないで、だってシングル多いんだもん)と続き、この「小指のジェラシー」はTBSドラマ『詐欺・狙われた実印』のテーマソング。エグいドラマタイトルに合わせてか、必殺のフラメンコ歌謡。そもそもこの年代に、熟女歌謡で次々シングルが出せたのだけでもスゴいのに、演歌ではなくエキゾチック歌謡路線を貫くとはご立派。しかも見事に歌いこなしておりマニアには堪らないですね。これみよがしに宝石を羅列する歌詞が嫌味なく聴かせられるのは彼女の強み。例え内情が火の車でも決して表情ひとつ変えなさそうで(注:あくまでフィクションです)素敵極まりないです。
言葉(ロゴス)
   阿木耀子/宇崎竜童/小島久政
C/W 逢いたがり
   阿木耀子/宇崎竜童/小島久政
     東芝EMI TODT-3505

今度は本当の宝石モノで、カメリアダイヤモンドCF曲。このCMシリーズも一時は話題沸騰しましたが、どうも熟女の皆さんが歌うと大ヒットには結びつかないようで、どうしてなんでしょうねぇ?この曲も大人の男女のノーブルなセクフレ関係をうまく表現している曲だと思うのですが…ただ、CM曲と言う事を考えればもう少しサビがあざとくてもよかったかも。といいつつ久々にカラオケに入ったジュディの曲だったので当時はたくさん歌わせて頂きました。
Mysterious Crystal Eyes
   大津あきら/小島久政/小島久政
C/W 風の贈り物
   大津あきら/宇崎竜童/小島久政
    愛的禮物
   翁炳榮/宇崎竜童/小島久政

「言葉」のあとアニメ主題歌(&HOYA CFソング)「生まれたての愛の中」をリリース、その次が最近の曲の中で一番すきなこの「Mysterious Crystal Eyes」です。CMタイアップを取ってなかったとは思いますが、確か警視庁のポスターにこのジャケ写が使われてました。曲は「小指のジェラシー」のグレードアップ版とも云えるフラメンコ歌謡。これは凄い。イントロから予感されるゾクゾク感を最後まで堪能させてくれます。TVでは見ませんでしたが、きっと彼女はフラメンコまがいの踊りを披露されてるはず。他の熟女の皆さんも、年齢を考えず挑戦を続ける彼女を見習って欲しいですね。なお、この後ナンパオのCM曲も出してますが未入手、購入しだい追加UP予定です。

モア・モア・ジュディ

1966年「恋ってどんなもの/星と恋したい」でコロムビアよりデビュー、73年にCBSソニーに
移籍し、79年「魅せられて」でレコード大賞を受賞。現在も歌手・タレントとして活躍を続ける
ジュディ様。ここでは「魅せられて」以降の曲からご紹介していきます。

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