リンダ音頭 ウブウブ
   伊藤裕弘/加瀬邦彦/萩田光雄
C/W あした消えても
   伊藤裕弘/加瀬邦彦/萩田光雄
     キャニオン A-271

前作「恋は熱烈」でそれまでのサディスティックエロチカ路線から次のステージへと進んだリンダ姐さん、タイトル通り倒錯的な音頭をリリース。「ハッ!ハッ!」というキャラクターズの合いの手をバックに♪アハン、ウフン、ァ口ほどぢゃっ、と多淫症気味の濡れ声で囁き上げております。それにしても75年で音頭をリリースするあたり、完全に人間の常識を遥かに超えた処に彼女はいるはず。全国の夏祭りで円陣組んで踊ってもらう事を計算に入れてたのでしょうか?ヤバ過ぎ〜(笑)。B面は「きりきり舞い」カリプソヴァージョンといったところ、こちらもやりすぎです。
私の恋人、たいやきくん!
   中山大三郎/穂口雄右/あかのたちお
C/W しびれっぱなしのロックンロール
   中山大三郎/穂口雄右/あかのたちお
     キャニオン A-298

「ウブウブ」の後、悩殺系の「やけどしそう」で(彼女としては)普通の路線に戻ったかと思ったら今度は当時大流行のたいやきくんのアンサーソング。ジャケットだけ見ても彼女の暴走加減が分かるというものです。たいやき姿のリンダ様、ステキ!(爆)曲は割と地味めでジャケ写程の異常性はありませんが、ラストの♪おじさんわたしも/すぐにたべてよ〜、を狂ったように歌う彼女はこの曲を全国のたいやき君ファンのお子様方に本当に聴かせるつもりだったのか?B面の「しびれっぱなしのロックンロール」は隠れた名曲で、♪あッあッあッどうなってるのォォ〜、からのサビは完全に違う生き物になってます。これこそ魂のロック、知ったげにロックンロールを歌うガキ共はこの曲聴いてイチから出直して来な。あかのたちお先生のアレンジもキワモノ道をよくご存知のようで完璧。
太陽の落し子
   高田ひろお/佐瀬寿一/あかのたちお
C/W 渚でLOVE浴び
   高田ひろお/佐瀬寿一/あかのたちお
     キャニオン C-6

で、今度は本家たいやきくんの作曲者・佐瀬寿一氏を起用してこれまた情欲がグツグツと煮立つような悩殺路線曲をリリース。まず、これから獲物を捕まえに出かけようとする性の狩人のようなジャケ写がグー!右手に持っているのはマイクなんでしょうが、最初は何か解らず、絶対に狩りに使う特殊な器具だと思ってました(んなワケないって・笑)。曲は前曲に続いて少し控えめにしてますが、サビはやっぱり全開、どの曲でも決してチカラは抜きません。B面はタイトルからして超越、何を浴びてるか想像するだけで淫靡極まりない世界にトリップできます。♪ウィウィ、の発音が地球の言語に無いような気がするのも、♪テニスしましょ、が♪ヘルスしましょ、に聴こえるのも完全な計算のハズ。
失恋蝙蝠男
   伊藤アキラ/高田弘/高田弘
C/W 夏の女王
   伊藤アキラ/高田弘/高田弘
     キャニオン C-55

上の曲に続いて「限りなく透明に近いダンス」(未入手、欲しい!)をリリースした彼女、何作か(何度も云うけど彼女にとっては)落ち着いた路線の曲が続き、欲求不満が限界に達したのか本来の彼女の持ち味を存分に生かしたインモラル曲の登場。まずジャケットの怖さ!夢に出てきそうでコワイよォ〜!安物度を追求し切った耳許の造花ハイビスカスとメッシュ!のトップス、しかもバックはC級ピンク映画ポスターでもなかなか使わない猥雑な朱色。この曲は異常でございます購入要注意、と自らアピールしているかのよう。中身はハワイアンサンバ?に乗り、♪ゾクッ!ゾクッ!ゾクッ!今夜も出たっ!とジャケットに負けない異常歌唱を披露してます。B面は♪恋のキャンディ/シャブシャブなさい、と明らかに食べてはいけないアメ玉を若いオトコに喰わせる女王の唄。もう堪忍してぇ(笑)。
写楽
   高田ひろお/遠藤実/斉藤恒夫
C/W あなたの恋女房
   高田ひろお/遠藤実/斉藤恒夫
     キャニオン 7A0015

「失恋〜」の次が「港のソウル」(未入手)、で先にご紹介した「エレガンス」と続いて頂点を極めた後、2年のブランクを経て復活したのがこの「写楽」。仏壇のCFソングだったというのはホントなんでしょうか?デビュー曲の作曲家でもある恩師・遠藤実先生が久々にリンダ姐さんに贈った曲は能楽ポップスというか歌舞伎歌謡というか完全に一般の理解を軽々超えたものに。サビラストの♪しゃぁ〜らぁくぅ〜、の囁きは絶対幻覚作用のサブリミナル効果があると見た。テレビでもジャケット通り(なんと見開き!全部見せたい!!)の衣裳でヨガり狂っておられました((in歌謡ドッキリ)。予備知識の無い人が突然見たら失禁・失糞確実です。手許の尾長鶏は協力・南国市尾長鶏センター、欲を云えば合成でなく本物を腕に乗せて欲しかった(笑)。
フラッシュダンス
   K.FORSEY&I.CARA・麻倉未稀/G.MORODER/槌田靖識
C/W 想い出にまだできない
   山上路夫/森田公一/槌田靖識
     キャニオン 7A0306

「写楽」の後「ゆれてムーンライト」をリリース、奥様番組などでたまぁに歌ってましたが、83年何をトチ狂ったか「フラッシュダンス」をカヴァー。勿論ヒットしてた麻倉未稀盤とは比べ物にならない異常さですが、リリース時何でこんな流行りモノを、と思ったのは事実。ところがその後この曲を初めてTVで見た時の衝撃は忘れられない。確か割と年輩の方向けの公開番組に黒のニットの超ミニで登場、最初は穏やかに歌い始めたもののサビが近づくにつれてヴォルテージが上がり、ステージ全体(本当に隅から隅まで)を彷徨いながら取り憑かれたように歌いわななく彼女を目の当たりにした私は、「ホンモノ」という意味を初めてイヤと言うほど知らされたのでした。番組名は思い出せませんが、自分史上に残る恐怖体験でした。
エル・ソル〜太陽の唄〜
   園部和範/小田裕一郎/小田裕一郎
C/W ゆえに彼女の世界征服
   園部和範/小田裕一郎/小田裕一郎
     ソニー SRDL3370

「フラッシュダンス」の後「酒場で」のリリースを最後にレコード歌手としての一線を退いたかのように見えていた(コンピアルバムで「バタフライ」というオリジナルを残してますが)彼女。ところがあのヘアヌード写真集を経てやはり来てしまったリンダブーム。既発曲のREMIXが乱発される中で本丸の新作が登場。狙いは定まっていたハズで、作品のレヴェルも高いのは事実なのですが、正直喰い足りなかったというのがホンネ。もっと分かり易い、即物的な方がセールス的には良かったのではないかという気がします。カップリングにしたって、世界征服なんて彼女にかかればチョロいモンぢゃないのぉ?という感じ。まぁ十二分に一線は超えてるわけで、これ以上を望むのは重度の変質者だけかも(←自虐的)。
恋は呪文よ!アブラカダブラ
   Dossena,Thibaut,Lucarelli/及川眠子
C/W リンダのあまい囁き
   Michaele&G.Ferrio/及川眠子
     テイチクコンチネンタル TEDN-219

前作から一年開けてテイチクに移籍してリリースした曲。「エル・ソル」は話題性を追い求めた感じでしたがこちらは本来彼女がやりたかった路線も加味したような内容です。ブームも落ち着いた後だったので極端なものもできなかったのでしょう。TRACK1は原曲は知りませんが確かに何かウサン臭い魔術師のような雰囲気は窺えます。リンダ姐さんもその辺はソツなくこなしてるし。カップリングは中村晃子でお馴染みの曲、歌詞は変わってますが。こちらも余裕が感じられて安心してリンダワールドに浸かれますが、お相手の男性(誰なんでしょう?)の囁きが、リンダが乗り移ったかのようなトバし方で身震い必至。同時期の江崎まり「あなたが大好き」とともにお気に入りの男性ウィスパーソングでした。
夢はどこへいった
   枯堂夏子/松宮恭子/岸村正実
C/W はしたないお姫さまは
   枯堂夏子/前田克樹/岸村正実
     パイオニアLDC PIDA-1037


つい最近まで姐さんのラストシングルは「恋は呪文よ!〜」だと思っていたのですが、97年新曲をリリースしていたのでした。我ながら不覚!テレ東系のアニメ主題歌だったようなのでTVパフォーマンスもあったかも…悔しいぃぃっ!大きな愛を求める欲深い歌詞に転調を繰り返して穏やかにグルーヴィングする曲、そして粘りつく彼女の歌はやはりヴォルテージが下がる事はありません。第一ジャケ写裏なんてこの期に及んでミニスカート!それもナマ足!まだまだ侮れませんなぁ〜(笑)。アニメ曲だけあってこの曲カラオケに入ってるんですよね。「奇跡の歌」は私の持ち歌になりましたが、この曲もマスターしなければ!
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モア・モア・リンダ

66年徳間より「こまっちゃうナ」でデビュー。シングル11枚を残してキャニオンに移籍し、
2作目「どうにもとまらない」で時代を創り上げたリンダ姐さん。現在もさらにレヴェルアップ
されながらご活躍中です。ここでは一段落着いた後の75年の曲からご紹介します。