M I E

プロフィールの説明は不要、ピンクレディーのMIE様です。ピンク解散後待ってたかのようにソロ
デビュー、周りが想像した通りの結果、そしてその後の展開でしたが、CBSソニー移籍第1弾の
「NEVER」のヒットでようやくヒット歌手の仲間入りをし、そこからがMIE様の素敵な人生の始まり
となります。ここでは触れませんが90年代に入りアニメタルレディーとしての活躍もあり。現在も
常に裏付けのない絶対の自信過剰ぶりを惜しげもなく見せてくれる(料理番組などで自分の料理を
褒められた時の彼女の表情は見ているこちらをも恍惚感に浸らせてくれますね)彼女、まだまだ
何かやってくれるはずで目が離せません。

ブラームスはロックがお好き
 阿木耀子/宇崎竜童/萩田光雄
C/W Today's My Birthday
 阿木耀子/宇崎竜童/萩田光雄
   ビクター SV-7138

期待度大のソロデビュー曲でしたが、う〜ん…。いくら元国民的
グループとはいえ、せっかくソロなのに今さらいじわるお米だの
ブラームスだのは要らないんでないの?というのが正直な印象。
曲ももっとダンサブルになるのかと思ったらロックンロールおさらい、
しかも百恵風味。これじゃ大ヒットにはならないでしょう。相方が
過去を封印するような曲で勝負するんだから、もっと違う意味で
ピンクを背負っていって欲しかった。1stアルバムも同印象でした。
但し今となっては好きなんだけどね。

モア・モア
 阿木耀子/宇崎竜童/川口真
C/W ジェラシー・ホームズ
 阿木耀子/宇崎竜童/萩田光雄
   ビクター SV-7189

前作の結果を受けてお決まりの路線へ。“もっともっと〜”は前年
畑中葉子のやったネタで新鮮味薄。彼女のヨガリも経験不足かな。
マイナー調からメジャーへ移るサビ展開もプロ作品という印象
のみでそれを超えるものは産み出せてないような気がします。
彼女のノリもイマイチ、というか当時の限界ともいえるでしょう。
逆に今この曲とかカップリングを歌ってくれたらきっと素敵なはず。
ラストのフェイクなんて気持ちよさそうだもんねぇ。

コールガール −夜明けのマリア−
 康珍化/HARRY/川村栄二
C/W カム・バック
 篠塚満由美/HARRY/川村栄二
   ビクター SV-7247

既に歌手としてよりグラビア女優としての(及び大衆誌でのネタ提供
タレント)印象を漂わせつつあった彼女、その頃の仕事としては的確な
映画出演でした。にっかつ映画にせず松竹の併映もの(イチオシが
何だったか忘れたけど)にしたのは良かったのかどうか。その映画
『コールガール』の主題歌。この曲がビクター時代の個人的ベストです
ね。派手に見せようと精一杯の努力をするが故に荒んでゆくオンナを
うまく表現できたのは男唄にして感情移入を少なくさせたからでしょうか。
もっとシンプルなアレンジで聴いてみたい曲です。

窓辺から
 来生えつこ/玉置浩二/萩田光雄
C/W 踊る女
 大津あきら/玉置浩二/萩田光雄
   ビクター SV-7304

続いて映画主題歌(松竹『シングルガール』)映画は記憶にありません。
曲はバラード、ブレイク前の玉置浩二作曲だったりしますが、まぁ普通
の出来。正直殆ど針を下ろす事もないのですがA面とB面の区別も
つかないかも(失礼)。好きなのはA面の間奏で微妙に転調するところ
くらいかな。MIE様もこの頃はただ歌ってるって感じで確かにうまいんだ
けどそれだけじゃね。ちなみにジャケのイラストは金沢真悟氏のもの。
何の意味があったのかは不明。グラビア向けなんだからジャケくらい
ドバッとしたのを使ってよ。

シャンプー
 三浦徳子/玉置浩二/大村憲司
C/W HEART IN HIGH
 森浩美/玉置浩二/大村憲司
   ビクター SV-7348

前作と同じ玉置浩二作品なんだけどこちらはいいですね。というか何故
バラードの次にこの曲なのか?ソニー移籍後の活躍をほのかに臭わせる
ジャケのエアロビクス(笑)加減もどうかと思うし。曲は中島はるみの名曲
とは全く違うベクトルの軽さ、発想は同じですがこちらは炭ならぬ石炭成分
濃縮シャンプーくらいでないと落ちなさそうなヨゴレが鬱積してそうな処が
ミソ。いきなり♪しゃんっぷぅー、てトコの発声法が現在のMIE様を予感
させてくれますね。可愛げな声を造って歌うMIE様、ステキ!B面の英語詩
のやる気マンマン度も見逃せません。

NEVER
 松井五郎/DeanPitchford,MichaelGore/戸塚修
C/W おつだね
 島武実/宇崎竜童/戸塚修
   CBSソニー 07SH1511

ソニー移籍第一弾、ドラマ『不良少女とよばれて』主題歌ですが、納豆の
CMソングではありません。まぁ文句無しのヒットでしょう。引きずられる
ようにB面の焼酎CMソング「おつだね」も話題になり別ジャケも存在してた
と思います。まずジャケの垢抜け加減からして起死回生の意気込みが感じ
られますね、どんな工(略)。曲は説明不要でしょう、ドラマのヒットや原曲の
使用タイミングとは違う、彼女の自信過剰歌唱がその後繁殖するメッセージ
ソングブームを先取ってる処がこの曲の成功原因と考えるのは行き過ぎで
しょうか。今聴くと逆に物足りなさを本人が感じてるような気も。最後の
雄叫びは「モアモア」を超える“もっとぉぉ〜!!”に聴こえるんですが(笑)。

灰とダイヤモンド
 東本三郎/筒美京平/松下誠
C/W Mega Madness
 松井五郎/DonFreeman,MarkHudson,MichaelSembello/戸塚修
   CBSソニー 07SH1552

大ヒットの後の勝負曲に筒美京平作品をもってくるのは当然ですが、
それにしても彼女の魅力を充分に知り尽くしたような曲になってますね。
壮大なイントロに続けてMIE様の囁き、かと思えばいきなり疾走(暴走
とも云う)、私を見つけてくれたあなたがいれば何もいらないといった
感じですが、ダンナ、この姐さんはただの石ころをダイヤにみせる黒魔術
をもってますゼ、てなイキオイも臭わせてます。リフ前の絶叫は前作の
欲求不満具合をマンゾクさせるものでしょう、聴いてる私もアクメを見て
しまいました。狙ってるB面もおいしいけどこの際いいわ、このA面だけで
アタシはお腹いっぱいなのよ。

鏡の中の女
 なかにし礼/いけたけし/馬飼野康二
C/W ぎこちない芝居
 なかにし礼/いけたけし/馬飼野康二
   CBSソニー 07SH1614

ドラマ『特命刑事 ザ・コップ』エンディングテーマ。ドラマは見てたはず
ですが、イマイチ記憶にないんですよね。紅一点のおんな刑事役とか
だったのでしょうが、彼女がマドンナ役てのもなんだか(笑)。但しこの
曲は好きでした。何といってもラストの♪鏡の中の女 あなた 誰、って
そのまんまやんけ。この気持ちが分かる人、多いはずよ(謎笑)。なか
にし礼氏はこの手の表現をさせたら右に出る者がいらっしゃらないですね。
MIE様もこの手のオンナを歌わせたら当時トップクラスではなかったかと。
今はその、鏡の中の人すら利用できそうだけどね。

Dreamer
 川村真澄/筒美京平/大谷和夫
C/W Talk Crazy To Me
 東本三郎/AlanO'day,MargaretHarris/戸塚修
   CBSソニー 07SH1734

今度はドラマ『セーラー服通り』劇中歌。MIE様としては主題歌なんか
には負けられません、つーかアタシのこの曲が実質主題歌よ、さあ
MIE様が歌ってやるんだありがたく聴きなっと云わんばかりの高飛車
な熱唱ぶり。筒美さんもTKに真っ向勝負で身の毛がよだつ程の
名曲に。確か劇中も歌手役(マルチタレントの漫画家だっけ)でこの
曲を歌ってたと記憶してますがそのステージングもMIE様に相応しい
ゴージャスなものだったような。そりゃこんな歌だもの、空から降臨
するくらいの演出がなくちゃねぇ。

昼顔恋話
 川村真澄/筒美京平/奥慶一
C/W ひとりきりのピロートーク
 川村真澄/筒美京平/奥慶一
   CBSソニー 07SH1759

前曲に続き筒美京平作品、同時期の河合奈保子「刹那の夏」と
対をなす気怠いメロウポップス路線です。但し、砕けた熱い波の
余韻に浸りつつも既に違った男がもたらす波を想像して薄笑み
浮かべてるかのような底無しの男好き加減溢れる世界観はやはり
MIE様の真骨頂。イタリア映画臭いアレンジも、灼けつく太陽が
翳り始めた頃の生臭く薫る体臭を引き立たせてます。素材と歌唱
を熟知している故の退廃的な楽曲…筒美さん流石です。それに
してもこのジャケ完成度は…ミクロゲンパスタでも落ちないわね
この化粧は(笑)。

いまが、Choice
 江戸緑/松藤英男/桜井鉄太郎
C/W Long Fly
 江戸緑/桜井鉄太郎/桜井鉄太郎
   ポリドール 7DX1555

88年にポリドールに移籍、前作に続きカーエアコンのCMソングと
なります。曲自体はオンナの七不思議を自由に操るスケールの
大きな歌で、前サビの心地良さなんて上レベルなのですが、
MIE様にはちょい甘かったかな。彼女の歌のポイントは優しさを
漂わせるだけではなくそれを押し付けて「どうよ!」とでも云い
たげな部分が一番の魅力だと思うのですが…。でもMIE様の
ファルセットを堪能できるだけでも聴き応え充分過ぎる曲では
ありますね。B面もサワヤカなドロドロ感を味わえます。

おとなどうし
 岩里祐穂/松藤英夫/松藤英夫
C/W SWEET
 江戸緑/桜井鉄太郎/桜井鉄太郎
   ポリドール PODH-1006

何故かこの曲、「NEVER」とともに殆どのカラオケにあるんです
よねぇ。歌ってみた事ありますが、いまいちだったかな。MIE
様にしてみれば楽勝過ぎてつまらないでしょ。カラオケ向けに
作られた歌でしょうからこの程度が限界なのかも。TRACK2
は前作を継承したスケール大きげな歌をモータウンノリで、と
いったところ。個人的にはこっちの方が好きです。まぁ一般
認知を受けるには「おとなどうし」くらいの曲もレパートリーに
もってなくちゃね、という感じですか。

ジンクス
 売野雅勇/芹澤廣明/岩本正樹
C/W 冬の虹
 売野雅勇/芹澤廣明/岩本正樹
   ポリドール PODH-1023

同時期のピンク再結成時に作られた「二年目のジンクス」とは
別曲です、念のため。前曲の流れを汲むカラオケ向きの、と
いうか落ち着き過ぎた曲で、インパクト無し。こちらもTRACK
2の方が好きだな。このシングルについてはジャケットの異常
さが一番のポイントでしょうか。「うたかた」時代の菩薩ヘアを
更に進化させたような(笑)怖いものナシの髪型でニラミを効か
せるMIE様、ステキです。

平成粋女・艶男
 売野雅勇/井上大輔/片倉三起也
C/W 悲しいけれど
 売野雅勇/芹澤廣明/片倉三起也
   ポリドール PODH-1039

とうとうMIE様が本領発揮!まずジャケットからしてスゴすぎ!
東京タワーを股元に従え恍惚の表情を見せびらかすMIE様は
最強の美人怪獣(失礼)のよう。曲も完全に超越。自信過剰な
おんな具合のアピールを全面に出した歌詞だけでも凄いので
すが、それをこれでもかと云わんばかりにご開帳するMIE様の
歌いっぷりは見事、というより神がかり。聴き終った後、膨満感
とともに思わず「MIE様、お歌い頂きありがとうございました」と
ひれ伏してしまう程のパワーを放っております。最後の♪ワッ
ショイ!なんてそんじょそこらの自称フェロモン美女には出せない
はず。流石MIE様、オンナの価値を解ってらっしゃる。

キティとダンス!
 小山寿男/芦澤伸太朗/芦澤伸太朗
C/W サファイアの空に
 新野久美子/白川善久/白川善久
   サンリオ SADV-2601

サンリオビデオ「ダンス!ダンス!ウィズMIE」主題歌。もちろん
本人出演。さすがに見たことはないですが、死ぬまでに一度は
見てみたい内容のようです。曲はお子さま向けかと思ったら大
間違い!最初の掛け声からしてMIE様ホンキです。完全なダンス
チューンに合わせて一切気を抜かない歌いっぷりは往年のピンク
全盛期を思い出させる程。フリ付け見てみたいなぁ。TRACK2は
こちらも充分なバラード。感動ものです。是非コンサートで披露
してほしいナンバーですね。

LOVE JAIL
 吉元由美/宮沢和之/宮沢和之
C/W LOVE JAIL(Dub'sClubEdit/Dub'sRadioEdit)
   ファンハウス FHDS-1517

当時の流行に乗りクラブミュージックに挑戦、というより大御所が
ホンモノのダンスミュージックを見せてやりました、という感じ。
出来上がってます。この余裕、この自信は他の人では出せない
でしょう。リズミカルでありながらそのすべてが糸を引くような
粘着加減で踊る程に身動きできなくなるような緊迫感を醸し
出しており見事としか云い様がありません。カップリングのMIX
も良い出来で無認可の地下会員制クラブなんかでかかってたら
それだけでトリップできそう。この後アニメタルレディーとして、
またピンクレディーとしてもリリースを続けますが、是非MIEと
しても新曲を期待しております。

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