猛女AF
オジサンと呼ばないで   水島裕子
   遠藤察男/瀬井広明/林有三
C/W オジサマのハートブレイク
   遠藤察男/瀬井広明/林有三
     キング K07S−10098

オナッターズも出ていた『グッドモーニング』でテンパイポンチン体操ってのをやってた方。オナッターズはオンタイムで歌手デビュー出来ましたが、こちらはグラビア仕事を経て1年後のレコードデビュー。当時主演されたにっかつ映画『部長の愛人 ピンクのストッキング』の主題歌となっております(B面)。タイトルや作家陣からしてもオチャラケ系のお歌なのは想像の範囲内なんですが、そういうのとは全く関係なく特筆すべきは彼女の歌唱。今までありそうでなかった“三井比佐子フォロワー”です。普通顔が売れてから1年の猶予があるんだからちょっとくらいは歌の練習するはずなんですがそんな形跡が全く感じられない素晴らしい歌唱、いやすべて計算づくなのかもしれない完璧なトロトロ音程(蜜でも溶き片栗粉でもなく涎レベル)がたまりません。B面は多少わざとらしいメロディーラインが鼻につくのですがほぼ同様の安っぽいサウンド。おまけシングルであることを強調しているようです。なお、その後も彼女は活動を続けてるようで小説とかもお書きになってるみたい。芸達者なトコロを見るとこの作品も彼女の表現方法のひとつなのかも。
貴婦人たちの熱い夜   伊藤美枝子
   なかにし礼/城賀イサム/小杉仁三
C/W 夢追いロマンス
   伊藤富夫/小谷充/小谷充
     ポリドール 7DX1508

探しましたがこの人の出処は確認出来ませんでした。90年リリースの「5時の汽車で」(VAP VPDA-24035)というシングルも彼女の作品だと思うのですがこちらも確認取れず。見たところお金持ちのマダムのお遊びってトコロですが、実はどこぞのお店の方のご褒美リリースだったりして。曲はこういう方がお歌いになりたいだろうなあというボッサノヴァ歌謡、♪奴隷みたいに邪険に責めていじめて、という歌詞はなかにし礼らしいんですがちょっと痒いトコロに手が届かない感じかな。愛欲に溺れるオンナならもう少し世の中どうでもいいわセックスがあれば的な奔放さが欲しいです。B面は少しマトモな女性の別れの歌ですが、しょっぱなのセリフが失敗でしょう。70年代初頭のアイドルの独白かと思うような清純・深刻ぶった語りはA面よりよっぽどエロいと思います。
夢とびら   高田瞳
   小坂恭子/小坂恭子/松井忠重
C/W SA・YO・NA・RA
   小坂恭子/小坂恭子/松井忠重
     トリオ 3B−371

「ゴメンネI LOVE YOU」で81年にデビューされた高田瞳さんの恐らくセカンドシングル。1981年組のコーナーでは不明タレント扱いしておりましたがやっぱり高田美和さんのお嬢さんのようですね。デビュー曲ではヤンチャ系を装いながら緩いオールディーズを歌い、歌唱力を含めアイドル演出極まりなかったのですがそこから2〜3年しか経ってないのにこの変貌。母親譲りの女優魂を見た、という思いです。曲は両面ともユルユルのボッサノヴァ歌謡(あら上の方とおんなじ)、A面はフツーなんですが、B面の「SA・YO・NA・RA」これはいい。ユルユルの上にヌルヌル、ここが肝心です。イメージとしては門あさ美とかの辺りでしょうか、あちらは意図的にメディア露出を制限されてましたが、こちらは別の意味であまりメディアに登場しない名曲と云えるでしょう(もし戦略がおありになったのならゴメンナサイ)。現在もプロフィールが拝見できるようですので現役かと思います。歌手としての活動を見てみたいですがデビュー曲とこの曲を同じステージで歌うトコロが見どころでしょうな。
ちょっと色っぽいポーズ   上田真弓
   山上路夫/平尾昌晃/船山基紀
C/W 透きとおった午後
   山上路夫/平尾昌晃/竜崎孝路
     コロムビア AK−610

これがデビュー曲で恐らく一枚屋の上田さん、聖子や奈保子と同じ80年デビューの方です。それにしては70年代を大いに引きずるジャケットとタイトル、まぁ同じ年に「後から前から」もありますので…このポーズが色っぽいかどうかは別ですが、それより気になるのは引きでうつむき気味の横顔。裏ジャケには正面からの写真も掲載されておりそこまで隠す程のルックスでもないとは思うので(この感想には個人差があるとは思いますが)アイドルで勝負する事ができないご年齢なのでしょう、衣裳もそれを感じさせるチョイスだしね。さて曲の方ですが、同年デビュー・平尾先生作品の山崎誠「ジャギーガールNo.1」の姉妹曲ですね。軽妙、いや珍妙なサンバリズムに乗り艶のある歌声でエロ歌謡を元気に表現されております。歌詞はいきなり♪スカートめくって入る、とオトコを煽る作戦に出ておりますが、さらに2番では濡れたスカートを乾かす為に脱ぎ!しかも代わりに男のセーターを腰に巻く!さらにさらにリフではそれがほどけそう!という、徐々にエロ度を増す展開に。浜辺でのアオカン、素敵だわ。A面は歌う場所が制限されると察したかB面はキレイな歌謡曲でした。
情熱のファルーカ   智鈴華
   飯田瑞貴/飯田瑞貴/小倉博和
C/W 猫になりたい夜
   大智玲/広瀬学/西込加久見
     キング 064R10025

こちらもpiroppoさんよりご紹介頂いた曲なんですが、これは…。正直云ってコレ、1989年のベストソングでしょ。いや、80年代アイドルソングの中でもかなり上位の出来ではないでしょうか?既に25年以上も前の曲に今になって出逢いおののくとは、まだまだ私は入口にも立っていないようです…恐ろしいわ、智鈴華。そんな鈴華さんは当時24歳、アイドル売りではないかもしれませんがジャケットはどう見ても上目遣いのドヤ顔、充分アイドルですね。首の傾け方といい胸の露出具合といいレイアウトは完璧と云えるでしょう。曲はその完成度を上回る衝撃曲。ファルーカってフラメンコの一種らしくメロディは確かにソレ風なんですが、恐らくご自身が弾いてる弦以外打ち込みでここまでドラマチックな異常楽曲に仕上げた小倉博和氏のアレンジが圧巻です。もちろん詩曲も素晴らしい、そして鈴華さんの歌唱が楽曲の出来以上に燃え滾ってます。陶酔型でありながら他人事のように冷めた歌唱、出来上がってます。B面は冷めた部分をメインに出した楽曲。この曲調、当時としては2〜3年早いのではないでしょうか。勿論こちらも完璧、こんな強力カップリングでデビュー出来て彼女は幸せ者です。恐らくセカンドは存在しないでしょうが、この1枚で充分お腹いっぱい。
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