渚のうわさ     小沢陽子
   橋本淳/筒美京平/杉村俊博
C/W アイ・ミ・アモール
   喜多浩志/いしいゆきお/神山純一
     クラウン CWA−176

1967年の弘田美枝子「渚のうわさ」のリメイク。藤井一子のアルバム『経験』でリメイクされた時は多少話題にはなったけど、これは知らなかった!小沢陽子さんの前歴・活動も全く不明で、一体何のためのリメイクだったのか不可解なところがウリでしょうか。曲は確かに良いのですが、それより小沢さんの均整の取れない笑顔と、(ジャケ写に写ってる部分だけでも十分)奇妙な衣装が物語る、コールタールの匂いが充満する渚が素敵に表現されています、見事。東京ロマンチカみたいなB面もねっとりと歌い上げて下さっておりこれまた素敵!
トゥー・オブ・ハーツ     山下直美
   篠原仁志・J.ミッチェル・S.ガリトン・T.グリーン/矢野立美
C/W (カラオケ)
     ワーナーアトランティス L−1789

ステイシーQのカヴァー曲。原曲も好きでしたがこちらの方が安っぽくて更に好きでしたね。♪A・A・A・A・A I Need〜の処は原曲と微妙に違ってて日本語盤の意地を見せたか?しかし山下さんの本当に凄い処は、このあともう1曲カヴァーをやってコケた後今度は東芝に移籍してみずきあいのいたあい&AKIの「六本木あたり」をリメイク、ムード歌謡に行くのかと思ったら次はたかの友梨と組んで「私だけいい女」「摩天楼の休日」などJ−POP前夜の淑女歌謡、と節操の無いところがすこぶる宜しい。今でも地方テレビ局の司会業なんてやってそうな臭いがします。
浮気をやめない女     さこみちよ
   さいとう大三・法晴伸友/法晴伸友/桜庭伸幸
C/W 未来に乾杯
   羽柴ひで子/嶺本良一/桜庭伸幸
     クラウン CWA−258

さこさんといえば「潮騒のメロディー」を高田みづえと競作した歌手としての印象が強いのですが、その後はカラオケ演歌の世界に走っていたのでした。多分今も現役のはず、まだまだ野望はフツフツと沸きあがっているようです。この曲はタイトルがこれなんで当時フックにはなっていたと思いますが、何度聴いても奇妙な歌詞。一番の歌詞の中で主人公が男から女へいつのまにか変わっております。元はデュエット用の歌詞なのか?それにしては2番は女が主人公で通してるのも不思議、もしかしたらさいとう大三あたりが「浮気をやめない男」なんて曲を競作でリリースしてたりして(笑)。
ジェラシーあげます     めぐみ
   岡田冨美子/小杉保夫/林有三
C/W 別れのリズム
   藤波研介/小杉保夫/林有三
     センチュリー 7AC0062

どこの何者か全く不明ですがけっこう気に入ってる曲。というか出だしが畑中葉子「癖になりそう…」と同じメロディーラインなのが笑えます。この頃(88年リリース)にありがちなスレ女の歌謡ポップスという感じで、めぐみさんの鼻にかかった音の伸ばし方も微妙にひっかかってなかなか。♪電話のベルだけで/あなたを感じちゃうの、の後に♪もっとヒリヒリさせて、とくればどんなプレイかは一目瞭然でしょう。三白眼でニラミを効かすジャケ写もポイント高いです。
ジプシー     浦部雅美
   三浦徳子/佐瀬寿一/大村雅朗
C/W 噂
   三浦徳子/佐瀬寿一/大村雅朗
     キャニオン C−118

スタ誕出身、「少し遠出をしてみませんか」でデビューした浦部さんの4thシングル。デビュー当時はカントリーフォークというかルックスからも察せられるモソッとしたイメージでしたが突然のイメージチェンジ。可愛い顔なのでこのケバい化粧は完全にミスマッチでした。曲は庄野真代の二番煎じ、彼女に限らず78年末〜79年にかけてこの手の偽オリエンタルものは歌唱力のある低迷(もしくは無名)歌手の起死回生策として乱用されてました。歌も良いし彼女も歌いこなしてますが、それにしてもこの化粧は…(笑)。ちなみにその後シンガーソングライターとして80年代中頃まで活動、勿論こんなメイクはしてませんでした。
スパイラル・ワールド     榊みちこ
   島武実/宇崎竜童/萩田光雄
C/W グリーン・サラダ
   島武実/宇崎竜童/萩田光雄
     キング GK−234

田中美智子としてベンチャーズ物の「ひまわり君」でデビューするも同事務所の後輩ピンクレディーが売れた為イッキに脇役に。そのピンクが下降線を辿り始めた頃、改名して起死回生とばかりにリリースされたのがこの曲。この頃のキングは絶好調で、この曲もとても正気とは思えないシュールな(何せバベルの塔を往ってぐるぐる螺旋形ですから)傑作に。崖っぷちに立った人の本気には勝てないわ(笑)。どちらかというと泥臭い匂いのする彼女が歌う事によってステージをさらに高めてると思います。次曲「I.I.YO−I.I.YO」も同路線でしたがラストの「日記・ポチと鶏」は別の意味でシュール。芸能界引退後はヒット作曲家として脚光を浴びましたが今も現役なんでしょうか?

猛 女 Q

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