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Wet Wet 葉山レイコ 真名杏樹/山川恵津子/山川恵津子 C/W 恋がうたたね 真名杏樹/山川恵津子/山川恵津子 ビクター VIDL-10034 90.07.21. ハワイアンアイドルというウソっぽい分野からデビュー、勿論一般認知を受ける事無くB級お決まりのコースを辿った葉山さん。ただその道では成功したと云えるでしょう、余程水が合ってたのかしら。この曲は転身後ビクターからリリースした2枚目のシングルですが方向性が定まっているだけにこの上ない淫湿感を味わえます。ダラダラととめどなく滴るラブジュースに溺れる主人公を、葉山さんは持ち味の鼻声で精一杯ねちっこく歌っております。この“精一杯”てのがミソで、スキモノ丸出しではなくあくまで清純派が歌ってますというスタンス。ソッチ路線では老舗のビクター、お嬢様の密かな愉しみ的猥褻路線なんてニクイ演出ですな。その後おっぴろげのエログロ歌謡になるのも作戦よねきっと。何しろ彼女の歌声はそんな演出をしなくても充分魅力的だしね。彼女のデビュー曲「オフショアの恋人」は真っ当な路線の名曲です。 |
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バイ・バイ・ブルーボーイ 小野由美 鈴木由花/鈴木由花/鈴木由花 C/W 敏感少女 宝野アリカ/片倉三起也/片倉三起也 ヴァーンメディア VMDH-1002 90.09.25. 葉山さんを出したならこの人もセットで出さなければ、って事で小野由美さんです。まぁこの人はデビュー当初から何やらアヤシイものをニオわせてましたけど(笑)。「Heart-Break症候群」の衣裳と歌い方は明らかにどうかしてました。お決まりのコースとは云え彼女の場合はあれやこれや見せ付ける訳でもなく中途半端な印象は拭えませんでしたがそれでも歌手として新曲が出せたんですから良い方なのでしょう。葉山さんと違って下品さを強調したジャケは素晴らしい(さあどうだ見たいんだろ?見せて欲しいんだろ?拝ませて欲しいんだろあァ?とでも云わんばかりのしたり幼顔は圧巻)のですが、デビュー曲の崩壊路線を知ってるだけにこの歌い方はちょっとイタいかも。いやそれも計算の内か?なおその後yumi.o名義で「遠夢」という曲もリリースしてますがまたもや歌い方が変わってるという…いや、参りました。 |
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NIGHT LINE 小沢なつき 田辺智沙/田辺智沙/岩崎文紀 C/W タイトロープ 田辺智沙/岩崎文紀/岩崎文紀 センチュリー CEDC-10573 96.02.21. 今までありそうでなかった、というか話題になる程のビッグネームが出て来なかった「元アイドルAV女優」分野のパイオニアとなった彼女。色々ありますがやはり賞賛に値するでしょう。でも発売直前にロンブーの番組に出演したのは前宣伝だったのかしら、それともコレが世に云う見せs(略。デビュー時はかなり素質をもった正統派系でしたがガキ向けドラマ収録中にランナウェイ、その後Vシネ(だっけ?)で復帰した時にリリースされたのがこの曲。元々媚びる事のみを若いうちから熟知したと思われる声質なので、この“中山美穂を目指しつつ明日からフーゾクに転身を決意したキャバ嬢”という命題の元に作られたと思われるこの曲や、アイドル時代後期の「Anti聖女」とかの方が泥を得たムツゴロウの如くイキイキとしてる気が。ぜひ又新曲リリースして主演作品の主題歌としてDVD発売してもらいたいものです。 |
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MAKE ME YOUR LADY−She's A Lady− Jun Kohki/Dieter Bohlen/Masahiko"Monch"Tanaka&Ohb Music C/W KISS・KISS・KISS−LOVESICK BEAT− Kohki/Kohdai/Masahiko"Monch"Tanaka&Ohb Music BMGビクター B10D-137 89.11.21. この曲が正式ソロデビュー曲で発売が89年11月、て事は実質90年組になってしまう彼女ですが、その前にJ-トリップスとしてのリリースがありインディーズからソロシングルも出していた(未入手)のでこっそり潜り込ませました。いや実は単に私が好きだからなんですけど。曲自体は当時の音楽状況を考えたらかなり先走った感じでカッコ良くカップリングも飽きさせない出来たシングルです。Junさんは確かモデルとして有名な方ですが、上記のキャリアからも解る通り歌う事にかなぁりドロドロした執着をお持ちのようで独特の粘っ気と乾燥を兼ね備えた歌唱はさすがのモノです。ただジャケ写でも着用している初期衣裳はサイドを紐で留めたデザインのもので、ビキニラインはどう解決されていたのか考えたくない心配をさせてくれました(途中しゃがむフリとかあるし)。またバックダンサー二人を引き連れながらニューウェーブ路線ではなく歌謡曲サイドで勝負(アイドル共和国とかテレ東の深夜番組とか)する辺りに彼女の性根が感じられてなかなか粋なオンナね。 |
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すてきな雨 田村英里子 岩里祐穂/上田知華/清水信之 C/W Just All My Love 及川眠子/関口誠人/HBI 東芝EMI TODT-2926 92.10.22. 田中陽子ちゃんと共に90年代初期ダーティエロ路線(←褒め言葉です)を突っ走っておられた田村さん。つーかエリリン(笑)。半ケツ・下チチと明らかにねじれているセミヌード戦法と、彼女へのそういった部分の需要が本当に発生すると思ってこんな商法をサンミュが選んだのかという部分は大変興味深いですね。初期のウソだと解って欲しくてワザとやってるかのような偽アイドル路線を経て、甘えと媚びを熟知した歌唱法を前面に出し「誘惑のチャチャ」辺りで昇華、次曲「最後に教えて」(名曲)で突き抜けた後のこの曲は、全てが終わった後のエンドロールを見ているような、陵辱された後誰もいない草叢で訳も無く笑い始めてしまうような、そんな繊細な終焉の感情を出し切った稀有な名歌唱。元々歌唱力のある方でしたが「最後に〜」とこの曲で完全に歌手としての孤高の位置に立てたと言えるでしょう。その後が冴えなかったのはプロデュースの問題。現在休業中との事ですが、是非復帰してこの後がどうなるのかを見せ付けて欲しい処です。 |
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レクイエム 小川範子 林あまり/筒美京平/山川恵津子 C/W 臆病なライオン 工藤順子/山川恵津子/山川恵津子 トーラス TADX-7400 94.11.09. 彼女についてはアイドルだとか女優だとか云う前に女性として好きなタイプ。大場久美子、原悦子、吹田明日香、秋元ともみ、そして彼女…我ながら解り易い屈折ぶり(自虐笑)。ただ彼女の場合その本質とリンクさせようと意識し過ぎた曲・役柄が多いのがねぇ。虚構の中での不倖度レヴェルがどんなに上がっても彼女にとっては現実を超える筈は無く嘘っぽさが強調されるだけよ。そういう意味ではこの曲の、不倖に埋没していくのでは無く、沈みきった果てに自虐に走ってく部分は新境地かと。淡々としたメロに澱み込むように流れる、限界を超えてしまった女の脳内解決的な自滅復讐のプロローグのようなおぞましさを感じずにはいられません。カップリングに至ってはこの期に及んで(略、アタシにも云えない事があるわ)。…誤解のないように、これは全て彼女の演技力によるもの。実際の彼女はきっとフツーの可愛い女性のはず。現役女優として益々の活躍を期待しております。 |