畑中葉子

私の青春時代を彩った一人、畑中さんです。何しろ聖子ちゃんデビュー時に畑中葉子ですから私の青春時代の歪みの構造が
窺えるなぁと我ながら呆れ返るわ(自虐笑)。といってもデュエットでのデビューの時はそのおしとやかぶり(そりゃそーだ、
喋ったら性根がバレちゃうもんね)と平尾さんのスター(ぷぷ)加減でほぼ存在は無視しておりましたが、ソロ第一弾の
曲のよさでいっきにファンに。そしてそれが原因でその後の波乱の芸能生活を共有することになってしまいました。
今の歌謡曲への歪曲したフェチ度の基盤を作った一人でもあります、ありがとう。なんのこっちゃ。



カナダからの手紙
   橋本淳/平尾昌晃/森岡賢一郎
C/W 揺れる二人
   橋本淳/平尾昌晃/森岡賢一郎
     SV-6340 ビクター

エーゲ海の旅
   橋本淳/平尾昌晃/森岡賢一郎
C/W 恋ごころ
   橋本淳/平尾昌晃/船山基紀
     SV-6403 ビクター

サンフランシスコ行き
   橋本淳/平尾昌晃/船山基紀
C/W 赤いレインコート
   橋本淳/平尾昌晃/船山基紀
     SV-6452 ビクター

ヨーロッパでさよなら
   橋本淳/平尾昌晃/鈴木茂
C/W 東京ラブ・ストーリー
   橋本淳/平尾昌晃/鈴木茂
     SV-6496 ビクター


ごめんなさい、この時期は殆ど興味ないもんで…しかもデビュー曲に至っては
ジャケットすら失くしているという。そのうち安く売ってたらUPしますのでお許しを。
この中では「サンフランシスコ行き」が好きでしたね、サンフランシスコというよりは
高原を登っていくロープウェイを想像するホノボノ感。「ヨーロッパでさよなら」の
悲壮感もなかなかです。まぁそんなところで。


ロミオ&ジュリエット’79
   松本隆/平尾昌晃/佐藤準
C/W 銀のイニシャル
   畑中葉子/平尾昌晃/萩田光雄
     SV-6539 ビクター 79.01.25

待望のソロ第一弾、曲は当然ながら平尾センセだけどチカラ入ってますね。ただ
松本隆の詩はお得意の会話手法を使ってるものの題材が心中とは…一応これから
ソロではばたく期待度大のアイドル歌手なのでは?それとも元々そういう扱いだった
のかしらね。デュオ時代のお国巡りに対抗して世界の恋愛物語シリーズでも企んで
いたのかな。最初はTV露出もそこそこあったのですが突然の結婚・半引退状態で
全ておじゃんに。若気の至りなんでしょうからそこは許すとして、私は離婚寸前の頃
休業のはずの彼女がこの曲でTV出演するのを見ています(@三波伸介の凸凹大学校)
衣裳も普通のブラウス、覇気なく淡々と歌い、番組ラストのインタビューでは三波氏から
「結婚生活はどうですか」とキツ〜いネタ振りされる始末(失笑)。私も子供ながらに
「生活困ってんのかしらねぇ」と心配しとりましたが、よもや↓こうなるとは。


後から前から
   豊兵衛/佐瀬寿一/若草恵
C/W 夢まくら
   豊兵衛/佐瀬寿一/若草恵
     SV-7036 ビクター 80.08.21

突然のポルノ復帰、エロ歌謡で再デビュー。これはかなり衝撃的でした。といっても
それはヌードやポルノ出演に対してではなく、元アイドルが生活の為に事務所の
後押し(若しくは○せしめ)を受けてポルノ出演という「ザ・芸能界」を至極解りやすく
体現されている処ですね。この曲を歌っている頃まではその悲惨さの側面を上手く
スパイスにする作戦だったと思います。彼女も映画より迫真の演技で傷心のバツイチ
アイドルキャラを演じてらしたし。その芸能人気質には頭が下がる思いです。
曲はご存知の通り、タイトルのインパクトほど凄い歌詞ではありません。但し「後から」
てのがアナr(略。B面の一戦交えた後の気だるさと虚しさの表現力もその後の彼女の
路線を見ていく中で貴重な曲です。一応映画デビューは『愛の白昼夢』、この映画と
曲のヒットにより81年正月映画として『後から前から』が制作されています。


もっと動いて
   豊兵衛/茅蔵人/茅蔵人
C/W テキーラ
   松本隆/平尾昌晃/萩田光雄
     SV-7086 ビクター 81.02.05

前作のヒットを受けて更にランクアップを目指した勝負作。狙いも逃げ道(前作よりも
より狡猾なポルノ映画式タイトルとか)もリフで魅せる彼女のアクメの瞬間も完璧。
痴女のように艶めくエロ歌謡メロと野獣の如く突っ走るアレンジ、まとわりつくギターに
昇天するかのようなシンセ使い…と、プロのセックスの醍醐味を体感できる曲構成も
流石の一言。清純派を気取る作戦から、過去も性癖も全て御開帳するアピール方法に
転じた彼女だからこそ存分に表現する事が出来た淫猥歌謡の決定版と云えるでしょう。
衣裳も毛皮に金のレオタードというイモラル極まりないイデタチで、何やら親指突き立てて
これ見よがしに掻きほじるふりつけも手淫めいててステキでした。B面は「ロミオ〜」の
次作予定分?と思わせる作家陣ですが程よくぬめりが効いていてカップリングとしても
最高です。惜しむらくは映画タイトルと連動させられなかった事、『淫乱若妻(秘)
テクニック・もっと動いて!』なんてどーよ?


モア・セクシー
   −/若草恵/若草恵(構成:畑中葉子)
C/W 経験
   安井かずみ/村井邦彦/高田弘
     TLP-3028 ビクター 非売品

アルバムプロモート用に作られた盤、その後主演3作目の『モアセクシー・獣のように
もう一度』に使用される関係もあっての事かもしれません。路線が決まって初のアルバム
だからしょうがないとはいえ、これじゃおとなのおもちゃ屋に売ってるエロレコードと
おんなじじゃないのさ(苦笑)。しかもアルバムの目玉がコレなんですから…。かろうじて
歌詞部分があるのはまさかテレビでこの曲をお歌いになるつもりだったのかしら?
いや歌ってこそ彼女の存在意義があると思うのですがまぁ間違いなく放禁よね、ぢゃ
なんでサンプル盤が存在するのかしら?…う〜ん、謎だわ。これがおとなのおもちゃ屋で
売ってない事を祈るばかりです。


ダスターシュート・ベイビー
   容蓮華/松宮恭子/松井忠重
C/W 癖になりそう…
   森雪之丞/小杉保夫/松井忠重
     SV-7161 ビクター 81.10.

いよいよエロ路線定着で次はどんな猥虐なネタかまして来るかと思ってましたが
正直マト外れ。「堕胎」「認知」をベースにした斬新な内容に柔肌が吸い付くような
キメ細かい描写は流石と思いますが、前2作にあったイモラルで腐爛した淫臭は
感じられないな。作詩の容蓮華って誰かのペンネームなんでしょうけど女性ぽい
観点を感じますね(なにげに松宮恭子じゃないのォ?)歌詞がこれですから曲も
サビでイカせるという狙いに欠けてて喰い足りない。まぁ制作サイドがこの路線からの
シフトチェンジを図っていたのもあるでしょうが(アルバムとかそうだし)、せめて
シングルだけでも潮吹いて欲しかった。それでもエロ歌謡としては及第点、後日
放送禁止になっておりました。B面は主演映画タイトル(『セクシーぷりん・癖になりそう』)
にもなり実質営業用の曲でしょう、放禁を見越しての作品なのかも。内容はタイトル
負けですが曲としてはこちらの方が好きかな。云っとくけどシブがき隊より先よ。


丸の内ストーリー
   とべあきよ/古田喜昭/戸塚修
C/W 左手で愛して
   容蓮華/松宮恭子/戸塚修
     SV-7204 ビクター 82.04.05.


前作と同タイミングでリリースされたアルバム『メタモルフォーゼ』の目玉曲でしたが
有線で火がつきシングルカット。原曲は曲より冒頭のセリフの方が長く曲中も
たけしが延々合いの手を入れてて面白かったのですが、シングルヴァージョンの
方はセリフも半分くらい削除、合いの手もラストのみというショボイものに。放禁には
ならない内容だとは思いますがまぁお遊びの曲ですので飽きない程度にといった
処でしょうか。歌っている処は一度だけTVで見ましたが当然セリフ部分はカット、但し
セットには電話が置いてありイントロも途中からブチ切れで始まるというもの(@笑アップ
歌謡大作戦)、まさかカラオケのたけしの声に合わせて一人艶技してたとか?じゃ
放送されなかったのは?疑問は残ります。B面は思わせぶりなタイトルですがこちらも
アルバムからのカットで穏やかなバラード。ラブホでコトの後に腕まくらで眠るオンナを
連想させて好きな曲です。ちなみにその後のアルバム『強行突破』では「丸の内ストーリー
Part2」も存在、そんなに内容は変わんないんだけどね。


愛はMUSIC
   岡田冨美子、Keith Forsey/Giorgio Moroder/笹路正徳
C/W Solitude
   容蓮華/松宮恭子/馬飼野康二
     ビクター SV-7316 83.


この曲がソロとしては最後のシングルとなりますが、私にとってはオマケみたいな
もの。映画『フラッシュダンス』の日本語主題歌、麻倉未稀・山本リンダとの競作カヴァー
でしたが彼女が歌う必然性は希薄。第一プロの営業用のブッキングか、ビクターで
ある程度のキャリアと歌唱力を持つ歌手にとりあえず歌わせるというコンセプトに
基づいて選ばれたか、どちらにしても歌いこなしている以上の話題性はないと思うの
ですが…ジャケ写の写真も「もっと動いて」の頃のものでカワイソウ。でもエロだけで
3年も続けるわけにもいかないので分岐点ではあったのでしょう。個人的には
B面の「Solitude」の方が断然好きです。これもアルバム『香艶的夜總會』からの
カットではあるのですが何しろアルバム曲はいい曲が多いので(特に『香艶〜』は秀逸)、
A面になるとは思いませんがシングルカットしてくれるだけで幸せ気分ではあります。


夢人同志   葉子&ナタリ
   荒木とよひさ/奈太理ユウキ/川口真
C/W 夢人同志(カラオケ)
     ビクター SV-9045 85.07.21


どういった経緯でこの曲が作られデュエットする事になったのか全くもって不明ですが
カナダからの手紙煮崩れヴァージョンとでも考えればいいのかしら。お相手のナタリ
なる人の経歴も調べたんですが出て来ず、この人の作ったデュエットソングのお相手
として選ばれただけなのではという感じです。見た目プロレスラーだけど違うわよね。
曲は元ヤンのアニさんアネさんのピュアラブソングとして聴けばいい感じ、お互いに
鬼畜プレイを多数経験してきたからこそ生まれるこのピュアピュアな会話、という設定
とそれを上手く表現する控えめな二人の歌唱がたまらなく現実感を醸し出しております。
毒をさんざん経験してないと最後の恋人を見極めるコトなんて出来やしないのよね、
わかるわその気持。これがラストシングルとなりますがデュエットで始まりデュエットで
終わる、彼女の歌手活動の締めくくりとしては理想的ではありますが、復帰もした事だし
是非是非また歌ってくれる事を心底願っております。ライブとかの話もあるみたいだし
期待しております!!
★アルバムは後日ご紹介致します。


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