河上幸恵

  スタ誕第36代チャンピオン。アイドル的な人材を輩出してきた当時のスタ誕ですが、彼女に
ついては王道路線といえるでしょうか。よく伸びる透き通った声と控えめな情感を表現できる
歌唱力、これが彼女の最大の武器でした。一方彼女を選んだホリプロは堀ちえみといういかにも
正統派アイドルの成功に気を良くしてか、大沢逸美とともにアイドルのニュータイプを提示する
形に。同じく老舗のサンミュージックも桑田靖子チャンをデビューさせており、確かに83年
デビュー組の挑戦は凄まじかったんだなぁと感慨すら覚えます。おとなしそうに見えて実は
おしゃべり好きな彼女の性格をメディアで披露する事は殆ど出来ませんでしたが、シングル5枚
リリースは頑張りました。デビュー曲の最高192位を最後にチャートインしないのにシングルを
出してくれたコロムビアに感謝。アルバムが欲しかったなんて欲は云いません。
TVでは86年の『ヤヌスの鏡』での下っ端暴走族役が最後でしょうか。目を皿のようにして見て
ないと見逃してしまうような出演でしたが…。だって逸美姐さんのヘルメットがデカイんだもん。
引退後、地元でバンドのヴォーカルをしていたという噂を聞きましたが、幸せであることを祈ります。

「ブルー・エトランゼ」 三浦徳子/高生鷹/若草恵
C/W 「リボンをほどいて」 三浦徳子/小田裕一郎/大谷和夫
  コロムビア  AH−353

7.21デビューは遅い方ですが、9.21デビューの水谷圭が
新宿音楽祭に出られた処を見るとソッチ方面での露出を考えて
いなかったのでしょう。ジャケ写からもアイドル的な展開すら
考えてなかったのかと思ったり(失礼)。実際彼女の歌唱力を
アピールするような落ち着いた楽曲で、コロムビアはほんの少し
明菜を意識したかも?B面はサビはメジャー転調しますが、
唯一のマイナーアップテンポ曲。当時私の部屋にはこの曲と
脱・プラの宣伝用ポスターが貼ってあり、親からは怖いと大顰蹙
でした(笑)。失礼ネ!!


「春にめざめて」 三浦徳子/馬飼野康二/入江純
C/W 「水で描かれた物語」 三浦徳子/玉置浩二/入江純
  コロムビア  AH−424

千寿製薬の目薬のCMとかには出てましたが新曲がなかなか
出ず、だめかなぁと思った頃にセカンド登場。前曲よりは可愛く
撮れてるジャケ写にホッ。トップにお花のいっぱいついたピンク
の衣裳で爽やかな歌声で歌われると、苦手とするほんわか系
ポップスもステキに聴こえます。B面は一部では有名。名前が
売れる前の玉置浩二の作品です。正直言って当時からこちら
の方がターンテーブルに乗る回数が多かった。勿論シングルと
しては弱いでしょうが、これこそ彼女の良さを十二分に生かした
楽曲だと思います。


「DO-KI ・ DO-KI」 岩里祐穂/岩里未央/戸田誠司
C/W 「カオスの星屑」 尾関昌也/尾関裕司/戸田誠司
  コロムビア  AH−491

まぁこれを仕掛けたのはHSC出身者の伸び悩みに業を煮やした
ホリプロ側だと思うけど、コロムビアにしても河合奈保子以降、
エポックメイキングなアイドルは出現してないので(原真祐美チャ
ンは好きですが)何げに期待してたかも。Shi−Shonenの戸田
誠司氏をアレンジに迎え完全計算のテクノポップ歌謡…という
所までは良いのですが、実際の披露場所が「アイドルパンチ」
とかではねぇ。金かかってる事を売り物にしたら少女隊とかセイ
ントフォーと同じところで語られたのでは?…と斜に構えた風に
云ってますが実際はこのはっぴーにじゅうごなるずんぐりむっくり
なヤツにモーレツにジェラシーしてる私でした(^^;。

「ハートのねじ」 秋元康/水谷公生/鷺巣詩郎
C/W 「ピカソのキッス」 岩里祐穂/岩里未央/鷺巣詩郎
  コロムビア  AH−526

個人的に彼女のベストシングル。上であれだけ歌唱力重視とか
云っておきながら、という感じですがいいんだもん!これこそ歌謡
テクノといった雰囲気の下世話さ満喫の高性能アイドルポップス
です。CMソング(ライオン歯磨きレオ)だけあってサビもキャッチ-
だし、フリも可愛かったし。ただツトム君なる芸名まで貰ってCM
にも共演していたロボットは予算の関係かTVには殆ど登場せず
(ビデオクリップ!はありましたが)幸恵ちゃんもこの衣裳ではなく
薄水色のミニでひっそりと歌っておりました、そこがまた素敵。B面
もいい出来。その後ツトム君は経費回収の為、堀ちえみ「Wa・
ショイ!」で細々と営業されてました…。オマエ幸恵ちゃんファン
なんだろ?!

「心の中のルビー」 三浦徳子/玉置浩二/瀬尾一三
C/W 「卒業してから-AFTER GRADUATION-」 秋元康/国安わたる/瀬尾一三
  コロムビア  AH−591

いよいよやってきたラストシングル。というかよくここまで頑張って
くれました。ようやくヒット歌手の仲間入りをした玉置浩二の曲を
起用し、本来の彼女の魅力を存分に発揮した曲に。テレビ東京
とかでたまに歌っておられましたが、大切に歌ってるなぁという
印象があります。時代がアイドル一辺倒でなかったら…なんて
思ったりしますが、だからここまで生き残っていられたとも云える
ので良しとしましょう。ジャケ写もこの上なく綺麗に撮れてて大
好きなのですが、あら、幸恵チャンいつから右目が二重に?





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