島崎棟梁、最軽量椅子に挑む。

島崎棟梁の自宅には、自作のテーブルや椅子がたくさんあります。
どれも無垢の木を使い、木の良さを生かした、島崎棟梁らしい家具ばかりです。

中でも目を引くのが、とても華奢(きゃしゃ)な椅子で、骨組みがとても細く、座面はなんと、紙でできています。

実はこの椅子を最初に見たとき、ピンときました。
これはジオ・ポンティ(イタリア)設計の「スーパー・レジューラ」(1952年発売)という椅子にそっくりです。「スーパー・レジューラ」とは最軽量という意味で、重さ1.7kg、小指一本で持ち上げられるほど軽い椅子です。
島崎棟梁に話しを聞くと、この椅子はスーパー・レジューラを真似て造ったのだそうで、さらに、本家本元より軽いと言うのです!

早速こちらの椅子に座らせてもらいました。本物のスーパー・レジューラは本でしか見たことがないので比較はできませんが、やはり骨組みの細さゆえに、椅子全体が柔らかい感じはしますが、それ以上に壊れそうだという不安感は感じません。

島崎棟梁いわく「真似て作るのは簡単だが、これを考えた人はすごい」と椅子を造りながら実感したそうです。
棟梁とは言え、やはり、昔に学ぶことは多いようです。


「スーパー・レジューラ」エピソード:
ジオ・ポンティが実験と言って、アパートの窓から椅子を放り投げると、壊れるどころかボールのように弾み、椅子は全く無事だった。

「スーパー・レジューラ」はイタリア・カッシーナ社で造られています。
URL:http://www.cassina-ixc.jp