*一般演題
1.肺血栓塞栓症による重症呼吸不全患者に対する緊急PCPSの経験 〜当院一例目の症例を通じて〜
日高病院 ○小池明生
近年、重症呼吸不全の救命手段の1つとしてPCPS(経皮的心肺補助法)が積極性に導入され、その有用性が報告されています。今回我々はテルモ社製経皮的心肺補助キット(キャピオックスカスタムバッグ)を使用して肺血栓塞栓症患者に対し、PCPSを施行しました。当院での第一例目の症例であり、その経過ならびに注意点等について報告します。
2.副甲状腺機能低下症を呈した症例の活性型ビタミンD剤休薬効果
富岡クリニック ○高橋正臣
当院透析患者で副甲状腺機能低下症を呈した為、活性型ビタミンD剤を休薬した12症例について検討したので若干の考察を加え報告します。
3.当院におけるインシデント・アクシデントレポートの統計調査
白根クリニック ○飯塚由香里
医療ミスや医療事故の報告が年々増加している昨今、当院では昨年5月より従来の事故報告書を見直し、新たにインシデント・アクシデントレポートとし使用開始しました。この1年間の統計調査及び対策等について若干の考察をまじえ発表します。
4.当院における栄養摂取の現状
日高病院 ○小林千恵子
透析看護の実際においては透析生活の安定を図る上で食事指導は重要な位置を占めている。透析看護体制の中に生活栄養班が設置され一貫した食生活指導を行う為のアンケートを作成し、食事指導の見直しと検討を行った。
5.Restless legs syndromeを呈した血液透析患者の一例
両毛クリニック ○関塚佳恵
患者は73歳、男性。外科医で病院長。平成11年1月洞不全症候群でペースメーカー植え込み。平成12年1月25日血液透析導入。4時間週2回透析で当院に平成12年2月8日転院し、維持透析施行中であった。次第に尿量が減少し、生化学データも悪化してきたので、週3回透析を勧めるも拒否。平成13年4月ころより下肢の倦怠感が出現して特に透析中、就寝時はじっとしていられないほどだった。5月8日より週3回透析にしたが、自宅でペンタジンとアタラックスPの注射をしていた。5月9日透析開始してからまもなくネオドパストン100mg1錠を投与したところ、30分で症状が劇的に改善した。
6.失明をきたした糖尿病性腎症との関わり
日高病院 ○鷹野美恵子
今日、糖尿病性網膜症由来の新規失明患者は毎年3500名を越し、後天的失明全体の17.8%で、身体障害者認定を受ける原因の第一位に上げられるほどになっている。しかし失明をきたしたからといって糖尿病の血糖コントロールを行わなくて良いというわけではない。ほうっておけば、その他合併症の進行を早めることになってしまう。重症化しないようにする為には、良好な血糖コントロールを保持しなければならない。そこで今回若くして失明をきたした糖尿病性腎症患者に、メディセーフボイスを使用し、血糖コントロールが改善された例を経験したので報告する。
7.透析患者の頭痛と鎮痛剤の服用
両毛クリニック ○飯野友子
当院で透析を受けていて頻繁に頭痛を自覚している患者は全患者191例中61例(31.9%)であった。そのうち34例(全透析患者の17.8%)がフェナセチン含有製剤のセデスGを内服していた。頭痛出現は透析日に関連して多かったが、頭痛を自覚する患者と自覚しない患者で透析歴と年齢、透析前BUN値、透析中の収縮期血圧の最高値と最低値の差、体重増加率を比較したが、有意差はなかった。頭痛の性状、セデスGの服用感を検討した結果、透析そのものによるよりも患者の心理的要素が頭痛という表現をとっていることが示唆された。
8.施設紹介
馬庭病院 ○林高志
9.血管内ステント留置術及びグラフト(人工血管・自家静脈)移植後のマルチスライスCTによる血管内画像評価
日高病院 放射線科 ○間庭博子
最近のハードウェア及びソフトウェアの発達により高品位な3次元画像が短時間で作成できるようになり臨床で有用な情報として提供できる様になりました。
その中で視点を管腔構造内部におき内腔面を広い範囲で観察できるFly Through(仮想内視鏡像)を用いて血管内ステント留置後、及びバイパス手術後の2例につき画像評価を行いましたので報告いたします。
10.透析患者の腎出血に対する緊急腎動脈塞栓術の経験
日高病院 循環器外科 ○町田政久先生
透析患者の突然の腎出血例を経験した、CTの後血管造影を行い、腎動脈塞栓術の適応と判断した。プラチナコイルとスポンゼルによる塞栓により止血に成功し、腎摘手術を回避できた。
*特別講演
「リスクマネージメント」〜医療事故防止への取り組み〜
テルモ株式会社 学術情報部 ○酒井聖先生