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第45回(2002.6.16)日高病院6階大会議室

*一般演題

1.内シャント側上肢の深部静脈病変に起因する、静脈高血圧症に対する治療と考案

 日高病院 循環器外科 ○町田政久

 内シャント肢の腫脹、透析時の静脈高血圧などから明らかとなる腋窩・鎖骨下静脈の狭窄・閉塞はしばしば経験される。これに対し病態に応じ種々の治療方法を経験してきたので血管外科医の立場から考察を述べたい。

 

2.特発性間質性肺炎に対する吸着型血液浄化器(アダカラム)を用いた顆粒球吸着療法

 日高病院 ○黛史行

 現在、吸着型血液浄化器(アダカラム)を使用しての顆粒球吸着療法は、潰瘍性大腸炎のみ保険適応疾患と認定されている。今回当院で、保険適応外疾患の1つである突発性間質性肺炎の治療を顆粒球吸着療法で行い、若干の考察が得られたので報告します。

 

3.当クリニックにおけるHDF施行時のトラブルとその対策について

 白根クリニック ○東勇喜

 透析患者の高齢化、治療の長期化に伴い血液濾過透析法(以下、HDF)の適応は拡大しています。現在、当クリニックで行われているHDFのほとんどは輸液ポンプを使用したマニュアル操作で行われている為、常にインシデントやアクシデントと隣り合わせているといえます。今回、昨年1年間で報告されたHDF施行時のインシデントから、その対策を検討したので報告いたします。

 

4.準夜透析中の落雷事故

 両毛クリニック ○小林健史

 今年6月5日(水)午後6時20分、落雷と同時に停電し、2〜3分後に復帰した。さらに5分後に閃光と同時に落雷があった。第1透析室は電灯が消え、20台中3台のモニターが電源を入れても正常に立ち上がらなかった。電灯はすぐに点いた。第2、第3透析室は、電灯は消えなかったが、今春購入した供給装置東レ社製「きょうきゅう君」(40人用)の電源が入らなくなった。急遽、36人の患者はECUM状態で血液ポンプだけは回し、供給装置の故障部位の確認作業を行った。約50分後に、主電源をつかさどるCPUの基盤内にあるヒューズの焼損が判明したので、予定透析時間内の復旧が不可能であると判断して、回収作業に入った。希望した19人については翌日再透析を行った。焼損した部品は夜の内に入手して、翌日の朝からは通常透析に復帰した。

 

5.ポリエーテルスルホン膜PES-150Dの臨床評価

 富岡クリニック ○高橋正臣

 今回われわれはポリスルフォンより安定した物性を示すポリエーテルスルフォンを中空糸として採用したPES-150D(ニプロ社製)について臨床評価を行い若干の考察を得られたので報告します。

 

6.超即効型インスリンを使用した糖尿病性腎症による透析患者の血糖コントロールについて

 日高病院 ○鷹野美枝子

【目的】

 維持透析中の糖尿病性腎症患者の血糖コントロールに近年、わが国でも市販化された超速効型インスリンを使用し、その有効性について検討したので報告する。

【対象】

 当院で維持透析中の糖尿病性腎症患者139例中、インスリン療法を行っている患者47例のうち血糖コントロールが困難な患者5例を対象とした。

【方法】

 超速効型インスリン使用前後3カ月間の血糖値・HbA1c値について比較を行った。

【結果】

 他剤併用例4例、スライディングスケール例1例ともに超速効型インスリン使用前後の血糖値、HbA1c値は下降または下降傾向を示した。

【結論】

 超速効型インスリンは食後高血糖を呈する糖尿病性腎症透析患者に対して有効であると思われた。

 

7.自宅からの通院が困難である高齢透析患者についての検討

 〜グループホームに入所した患者についての考察〜

 日高リハビリテーション病院 ○飯野将弘

 近年全国的に、老年者の人口割合が増加傾向にある。又、核家族化が進み、家族の援助を得る事が希薄であり、自宅からの通院が困難になる高齢透析患者もさらに増加していくと思われる。そのような状況の中、当院入院中の透析患者が、近隣に新設された痴呆対応型共同生活介護施設(グループホーム)に入居し、入院時に比べ自立心・ADLの向上等の好転が確認された。グループホーム入居前後での、患者の変化を考察・検討したので報告する。

 

8.医療費改定に伴う外来透析患者の食費給付廃止

 両毛クリニック ○山口律子

 今年4月からの医療費改定で外来透析患者の食事給付が廃止された。当院では希望者に食費を徴収して今まで通りの食事を給する事とした。食費は当初700円ということであったが、結局今までの食費給付額である630円とした。外来透析患者192例中68例(35.4%)が透析時の給付を断った。給食を断った患者で、自宅で作った食事持参32例、店から買った食事持参5例、自宅で食事摂取31例であった。断った理由は、「有料だから」は48例で「有料だから」以外の20例は「嗜好(好き嫌いがある、味が薄い、おいしくない、量)」、「食事時間」、「家で食べたい」、等であった。

 

9.当院での副甲状腺PEITの現況について

 日高病院 腎臓内科 ○筒井貴朗

 当院では二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺への経皮的エタノール注入療法(副甲状腺PEIT)を2000年8月から導入し、約25例に対して施行した。導入後2年弱が経過し、副甲状腺PEITの功罪について検討したので報告する。

 

*特別講演

「腎臓における細胞周期制御蛋白」

 群馬大学医学部 第三内科助手 ○廣村桂樹先生