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第49回(2004.6.13)日高病院6階大会議室

*一般演題

1.行動変容プログラムによる介入を試みて

 富岡クリニック ○飯塚広美

 最近、体重増加が著明な患者が多くみられるが、それは自己管理の意識の乏しさなどが考えられる。そこで今回、セルフケア向上を図るため行動変容プログラムを用いて体重管理への介入を試みたので報告する。

 

2.排便状況調査による塩酸セベラマー投与患者の選択

 日高リハビリテーション病院 ○林高志

 前回の日両医学会において報告した調査結果をもとに、便秘のない患者を選択して塩酸セベラマーを投与し、腹部症状の出現状況を調査しました。腹部症状の出現した症例に対しては下剤を追加投与し、塩酸セベラマー内服の継続を図りました。服用患者29名中、3名で便秘増悪、下痢にて服用中止となりましたが、他に腹部症状を訴えた患者では下剤の投与にて排便コントロールが得られました。

 

3.塩酸セベラマーの使用経験

 白根クリニック ○林秀輝

 透析患者の高リン血症に対し塩酸セベラマーが使用されるようになった。今回私達は、沈降炭酸カルシウム(カルタン錠)から塩酸セベラマーに変更し、効果を比較したのでご報告致します。

 

4.透析支援システムの導入を試みて

 平成日高クリニック ○関奈緒美  当院では本年1月より電子カルテが導入された。電子カルテの導入により、コストを含めた大量の情報をペーパーレスで一元管理が可能となった。しかし、透析部門での特殊項目が電子カルテでは処理が不可能である為、当院では独自に透析支援システムを開発し、4月より運用開始している。現在、電子カルテと透析支援システムの併用により看護業務を行っているが、現段階での問題点について検討したのでここに報告する。

 

5.当院における透析装置メンテナンスの現状報告

 平成日高クリニック ○高橋祐介

 現在、平成日高クリニックには臨床工学技士が少なく、透析装置のメンテナンスは主として男性看護師が行っている。元々基本的な機器に関する知識が備わっていたわけではないがメーカーの主催する機械講習会等に参加し、故障機器に対応できる看護師を育成してきた。今回は当院で行っている透析周辺装置の機械管理方法とメンテナンスによる実績について報告する。

 

6.当院透析患者のC型肝炎ウィルス感染状況 ―過去5年間の検討―

 両毛クリニック ○鈴木佐苗

 本年3月31日、日本透析医学会及び日本透析医会から各透析施設に対し、『ウィルス性肝炎防止対策の徹底』の緊急勧告が出された。それによれば、わが国慢性透析施設あたりのHCV抗体新規陽性率は年間2.2%という高値を示しており、調査施設のうちで1人以上の新規陽転化の施設が41.4%存在したと示されている。そして、過去1年に肝炎の新規感染者が出た施設とHCV抗体陽性者が3割を超える施設に対し、特に対策の徹底を求めた。 そこで今回、当院のウィルス性肝炎の感染状況を過去5年間にわたって検討した。

HCV抗体陽性者の年次経過 *患者数は年末、2004年のみ5月末
1999 2000 2001 2002 2003 2004
透析患者数 177 180 193 204 202 207
HCV抗体陽性者 計 19 20 20 21 21 17
HCV抗体陽性率 (%) 10.7 11.1 10.4 10.3 10.4 8.2
HCV抗体陽性者の転院又は死亡 0 1 3 3 3 5
HCV抗体陽性者の新規透析導入又は転入 1 2 3 4 3 1
当院透析患者の新規HCV抗体陽転者 0 0 0 0 0 0

当院のHCV抗体陽性率は8.2〜11.1%であり、かつ新規HCV抗体陽転者は0であった。 感染事例の発生施設では透析で使用する生理食塩水、血液抗凝固剤、EPO製剤などの薬剤の共用で起っているとされている。当院では、作業台から薬剤は直接個々の患者に配分し、使用後は直ちに医療廃棄物容器に廃棄するシステムになっている。したがって、注射器、薬剤が使用前のものと使用後のものが混在する機会はない。さらに、個々の患者で使用したペアンは透析終了後に金属バケツに入れてオートクレーブ滅菌を行って洗浄、再使用している。

 

7.留置カテーテル法によらないTemporary Blood Access

 両毛クリニック ○田島將隆

 

血液透析(HD)を安全かつ円滑に施行する上でBlood Accessの確保は必須条件である。しかし、シャントなしでHD導入をする場合、通常のHDでシャントがあっても充分な血流が得られない場合、シャントが閉塞してしまった場合には緊急にBlood Accessの確保が必要になる。一般には、このような場合にダブルルーメンカテーテルの留置が行なわれる。しかし、当院では、カテーテル留置によらないTemporary Blood Accessで対処しているので報告する。

 

過去3年間に行なわれたTemporary Blood Access例(,穿刺施行例(穿刺回数)

全透析患者数 207名(平成16年6月現在)
男性 女性
シャント吻合部直接穿刺 14(30) 8(16) 22(46)
手関節部橈骨動脈穿刺 6(41) 6(41)
肘部上腕動脈穿刺 4(14) 2(53) 6(67)
大腿静脈穿刺 5(17) 2(15) 7(32)
29(102) 12(84) 41(186)

 

現在広く行われているTemporary Blood Accessは留置カテーテル法である。しかし、カテーテル留置は患者のADLを損ない、それが原因で病状の悪化を引き起こすことにもなりかねない。その他、感染、出血、抜管の危険性を伴う。 当院では、今回報告した留置カテーテルを使わないTemporary Blood Access法ですべて対処しており、外来患者のシャントトラブルで入院させることはない。なかでも大腿静脈穿刺法は羞恥心という問題を除けば確実で安全な方法である。

 

*特別講演「当院における下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療」

 板橋中央総合病院 血液浄化療法センター

 ブラッドアクセス治療センター 部長 ○赤松眞先生