9：00〜
総合司会 富岡クリニック 高橋正臣
9：10〜
一般演題
座長 日高リハビリテーション病院 大塚恭弘 白根クリニック 林恵美子
グルファスト(R)は２型糖尿病における食後血糖推移の改善作用をもつ速効型インスリン分泌促進剤です。 今回、糖尿病透析患者に対し、非透析日にグルファストⓇを投与することでグリコアルブミン値（ＧＡ値）が改善した２症例を経験したので報告します。
【目的】透析患者の“つまみ力” が筋力評価指標として有用であるかどうか検証する。
【対象】上肢に麻痺・拘縮などがなく、本人に承諾を得られた当院で維持透析を行っている透析患者286名
【方法】B＆Lエンジニア社製ピンチメーターを用いて“つまみ力”の測定を行った。測定方法は左右各3回測定を行いその平均値を用いた。また、ノギスを使用し母指球筋の厚さ、手掌の長さ、前腕の周囲径の測定を行う。 比較内容は1）母指球筋、手掌長さ、前腕径との比較2）性別3）年齢4）原疾患5）血液検査での比較を行った。
【結果】透析患者のつまみ力は、手掌の大きさ（厚さ、長さ）、前腕径（周囲径）に依存した。透析患者のつまみ力と握力には相関を認めた。手掌の大きさ（厚さ、長さ）、前腕径（周囲径）は、糖尿病患者と非糖尿病患者では同じであった。血液検査ではBUN、Cr、Ca、IP、TG、TP、ALBとつまみ力は正の相関を認めた。
【結論】透析患者のつまみ力は、簡便な筋力評価方法として有用である。
【はじめに】当院の洗浄方法として、透析装置メーカー推奨である次亜塩素酸Naによる洗浄を週6回、追加で酢酸による洗浄を週2回行ってきた。しかし、この洗浄方法ではコンソール末端でのET測定値は10EU/L以上、細菌数は10CFU以上の値を示し今までの洗浄方法に限界を感じていた。そこで当院は昨年11月から洗浄薬剤を変更し透析液清浄化に取り組んだので報告する。
【方法】清浄化の取組みとして、従来の方法であった次亜塩素酸Naによる週6回の洗浄を、過酢酸系除菌剤ミンケアを導入し、ミンケアによる洗浄を週6回、追加で次亜塩素酸Naによる洗浄を週2回行った。清浄化の指標としては、ET値、細菌数の測定、コンソール内部の評価を行った。
【結果】ミンケア変更後、1ヶ月目ではコンソール末端でのET値、細菌数はともに上昇したが、2ヶ月目以降からは減少していった。コンソールへの影響については、つまりは数回あったが大きなトラブルはなかった。
【目的】腎性貧血に対する十全大補湯の効果について検討した。
【対象】当院維持透析患者の内エリスロポエチン製剤及び、鉄剤を投与しているにも関わらず、ヘモグロビン（Hb）10g/dl以下の患者10名を対象とした。
【方法】対象患者へ十全大補湯7.5g/日を6ヶ月間投与し、投与前後6ヶ月間のHb、RBC、MCV、MCH、MCHC、フェリチン、EPO投与量、の比較を行った。
【結果】十全大補湯投与前平均Hb7.0±1.2ｇdl/から8.0±2.2ｇ/dlへ上昇し、EPO投与量は投与前週平均7500±1500単位から投与後週平均4500±1500単位に減量した。
【結語】腎性貧血患者に対する補助療法として十全大補湯の有用が示唆された。
【目的】止血が困難な患者に対し、新しい止血器を用いて省力化を含めた使用を評価する。
【方法】止血困難患者5名に対しブリードセイフ（メディキット社製）を用いて、個々に適したバルーン内圧を設定して止血を行い、用手止血時間と比較を行った。また、省力化と従来の伸縮バンドとの使用感についても比較を行った。
【結果】用手止血時間では12.03分でブリードセイフ止血時間では11.61分で若干ブリードセイフ止血時間が短い傾向を示した。
【考察】
【結語】自分で止血が行えない患者が増えている現状でブリードセイフの使用は有効と思われた。また、人的省力化にも寄与できると思われます。今後は長期使用時においての使用回数や保管方法の検討も必要と思われた。
現在、SARSや新型インフルエンザウイルスなどはもちろん、感染症対策の1つとして、患者に対し非接触で検査をおこなうことによって、接触リスクの低減が進められている。しかし、体温計は従来、直接患者に接触しなければ測定できなかった。
今回、当院では非接触式放射体温計であるテクニメッド社製サーモフォーカス（以下サーモフォーカスとします）を使用することにした。そこで、サーモフォーカスと従来の水銀体温計、電子体温計を比較、検討したので報告する。
測定対象者は当院の血液透析患者、男性138例、女性79例、計217例。全員にサーモフォーカスと水銀体温計、電子体温計の3種類の体温計を用いて毎透析時、透析開始1時間後に測定した。これを計3回施行し、比較した。
各平均値はサーモフォーカス：36.25±0.28℃、水銀体温計：36.16±0.34℃、電子体温計：36.46±0.34℃。水銀体温計を基準にすると、サーモフォーカスは0.09℃、電子体温計は0.30℃高かった。患者の感想は、「水銀体温計はその都度消毒はしているが、なんとなく不潔な感じがするのに対してサーモフォーカスは一切患者に触れないで測れるから良い、水銀体温計は片手で脇に入れるのが大変だったが、サーモフォーカスは脇に入れる手間が省けた」であった。スタッフの感想は、「体温計を回収して洗う手間がないので楽、体温計を取り忘れることがない、患者が寝ていても測れる、検温時間が短縮された、操作が簡単」であった。
高齢化、糖尿病性腎症による透析患者の増加に伴い、足病変は直接的にはADLの低下を招き、閉塞性動脈硬化症、感染症合併などで壊疽、足切断に至ることからフットケアの重要性が指摘されている。当院では平成18年から足のチェックシートを作成し、足の観察をしているので報告する。
対象は平成19年2月現在の当院維持透析患者、男性136例、女性79例、計215例。その内糖尿病患者は79例（36.7％）。平均透析歴は糖尿病患者5年4ヶ月、非糖尿病患者11年3ヶ月。チェックシートにしたがって、1週間の入浴回数、シャワー浴回数、自宅での足の観察の有無、変形の有無、皮膚の異常、血行障害の有無、感覚の異常を調べた。さらに間歇性跛行をチェックした。
透析患者の88％の例に何らかの足病変が発見された。変形は、爪変形、胼胝、外反母趾、鶏眼がみられ、皮膚の異常は、乾燥、角質肥厚、白癬、亀裂、発赤で、透析患者特有の症状である乾燥はもっとも多く100例（46.5％）にみられた。閉塞性動脈硬化症のフォンテイン分類に当てはめると、�掬�103例、�凝�1例、�慧�0例、�古�2例（いずれも糖尿病例）であった。足関節と上腕の血圧比Ankle brachial pressure index(ABI)値はフォンテイン分類�古戮�2例はいずれもABI値が0.89以下の糖尿病例であった。ABI値が0.89以下のフォンテイン分類�掬戞↓凝戮領磴賄�尿病例14例、非糖尿病例21例であった。
第49回日両医学会で留置カテーテルによらないTemporary Vascular Accessとして1）シャント吻合部直接穿刺、2）手関節部橈骨動脈穿刺、3）肘部上腕動脈穿刺、4）大腿静脈穿刺、を報告した。中でも大腿静脈穿刺法は、毎回穿刺するも、止血が容易で合併症も少なく、安定した血流を得ることができる。
平成16年7月より平成19年6月まで大腿静脈穿刺法は15例に実施した。平均年齢65.4歳、原疾患は慢性糸球体腎炎が7例、DM性腎症が6例、腎硬化症が2例、平均透析歴13.2年。内シャント作成回数は1回から8回。人工血管造設は5例に11回実施。大腿静脈穿刺法の適応はすべて内シャント、人工血管の閉塞によるもので、施行回数は1例を除き1回から66回であった。転帰は内シャントに移行が6例、人工血管が4例、動脈表在化1例、死亡3例、1例は現在も続けていて236回に至っている。
現在も続けている症例は、男性、74歳、透析歴は15年4ヶ月、原疾患は慢性糸球体腎炎。脳出血を2回繰り返し、右半身の麻痺と認知障害がある。平成4年12月に左前腕に内シャント形成。平成14年に内シャント閉塞。吻合部の拍動があり、吻合部直接穿刺にて対応。平成17年3月左肘部に内シャント作成、まもなくシャント閉塞。同年4月左上腕にポリウレタングラフトを造設するも翌日閉塞。同月にe-PTFEグラフト造設するもその日に閉塞、5月に再建術するも4時間後に閉塞。その後、左前腕の内シャント吻合部直接穿刺で対応していたが、拍動消失のため大腿静脈穿刺法を施行。平成18年2月21日、グラフト感染でH病院へ入院してグラフトを抜去した。この時にダブルルーメンカテーテルを挿入。2月25日当院へ入院。3月7日までダブルルーメンカテーテルにて透析施行。同年3月9日大腿静脈穿刺再開して退院。現在、患者は右大腿静脈から160ml/分の血流を確保して左内踝の静脈に返すことによって安定した外来維持透析を行っている。
11:00〜
特別講演