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第60回(2009.12.6)日高病院6階大会議室 

 

日時:平成21年12月6日(日) 9:00〜

【総合司会】 平成日高クリニック 横山真由美

【一般演題座長】 日高リハビリテーション病院 林高志  両毛クリニック 簾谷裕子

開会の挨拶

 日高病院 安藤義孝 理事長

「演題1」−当院スタッフの新型インフルエンザ集団感染−

 〇石塚夏美  両毛クリニック

【はじめに】新型インフルエンザに当院スタッフ5人が罹患したのでその経過を報告する。

【経過】 8月30日(日)夜、ナース26歳が38.5℃、咳、痰があり、オラセフとビソルボン投与、 翌日には37℃代に解熱。月曜日、火曜日は休んだ。9月2日(水)朝に来院して、 未だ37℃程度の微熱が続いているということでインフルエンザ迅速検査をしたところ A型陽性であった。同日昼、勤務中の46歳ナースが前日から咽頭痛、咳があり、 体温36.5℃であったがインフルエンザ迅速検査をしたところ陽性。さらに24歳ナースも 前日から軽度の咽頭痛、咳があり、36.5℃であったが、インフルエンザ迅速検査でA型 陽性であった。3人の共通の接触機会を聴取したところ、8月29日(土)に退職ナース (30歳)の送別会をスタッフ11人が参加して市内居酒屋で行ったとのことであった。 3日(木)、参加者の残る全員を検査したところ、29歳、23歳の2人のナースがA型陽性で あった。しかし、この2人は平熱でまったく無症状であった。その後の事情聴取で 抗原陽性になった5人と陰性の退職するナースの計6人は27日(木)に1台の車両に 同乗し宇都宮に出かけて食事をしたりしていたことが判明した。その際、抗原 陰性ナースは鼻水が出て頻繁にティッシュを使用していた。5人の抗原陽性者には タミフル75mg2Cap5日分投与し、全員順調な経過をたどり、1週間後の抗原陰性を 確認して順次職場に復帰している。その後、職員、患者に新規発生はない。 3週間の間隔で採取した季節性インフルエンザのA型、B型の抗体価(SRL)は、 感染者で陽性であったが、この期間での上昇はなかった。

【考察】 間隔をおいての季節性インフルエンザの抗体価に変化がなかったことから、新型インフルエンザと考えられる。2例の無症候例があったが、新型インフルエンザには30%程度の不顕性感染例があることも報告されており、spreaderとして重要である。当院の感染者は、手洗いはもちろん、いつもマスクをしていたのがその後の感染拡大を引き起こさなかった大きな要因と考えられる。感染は乗用車のような狭い空間では容易に起こり得るが、今回の居酒屋ではある程度の空間的距離が維持されており、これが感染予防につながったと考えられる。                   

【結語】 インフルエンザ感染者が発生した場合には、周囲の接触者を詳しく検索して対処することが感染拡大の予防になる。

「演題2」−炭酸ランタン(ホスレノール)の臨床効果の検討−                

 〇山田彰子  白根クリニック

 炭酸ランタン(以下ホスレノールと略す)は、非カルシウム、非アルミニウム性のリン吸着薬です。リン酸と結合すると、極めて難溶性の高いリン酸ランタンが形成され、解離することがなく糞便中に排泄され、腸管からのリン酸吸収を抑制し、血清リン濃度を低下させると考えられています。透析患者の高リン血症は骨・関節障害に影響を及ぼすだけではなく、生命予後を左右する重大な因子であり、高リン血症の予防・治療が重要視されています。そこで、今回当院にて維持透析を行っている患者のうちホスレノールを服用している患者3名の服用前後IP、Ca、PTH、値および活性型VitD製剤、高リン血症治療薬の投与量を比較・検討した結果、若干の考察が得られたのでここに報告します。

「演題3」−高リン血症治療薬の飲み易さについてのアンケート調査−                

 〇松井孝介  富岡クリニック

 透析患者のリンコントロールは大変難しいことで、コントロール不良な場合、各種の合併症が懸念されます。しかし、高リン血症治療薬は飲みにくいため、内服が守られないことがあります。これを防ぐために、今回、当院にて使用している5種類の高リン血症治療薬の飲み易さのアンケート調査を行い若干の考察を得たので報告します。

「演題4」−当院透析患者の誕生月スクリーニング検査について−                

 〇西澤広子  日高リハビリテーション病院

 透析患者は腎がんの発生率が健常人に比べて高く約数十倍になるとも言われています。そのため今年度より腎がんに対するスクリーニングとして、患者の誕生月に腹部CTを行うことにしました。併せて循環器系の疾患に対するスクリーニングとしてホルター心電図、消化管出血に対するスクリーニングとして便中ヘモグロビン検査も行うことにしました。これまで約半数の透析患者に対して検査が終了しましたのでその結果について報告したいと思います。

「演題5」−無酢酸透析施行前後のQOLの変化−(カーボスターが著効した一症例)               

 〇高橋佑介  平成日高クリニック

【目的】酢酸フリー透析液カーボスター(味の素ファルマ社製)のQOL改善効果を従来の透析液(キンダリー液AF3号:扶桑薬品社製)と比較検討しました。

【方法】使用透析液は被験透析液:カーボスター、対象透析液:キンダリー液AF3号です。評価項目として、試験開始前と終了時のSF‐36を用いてQOLを評価しました。

【結果】SF−36の変化はカーボスター群・キンダリー液AF3号群ともに使用前後のSF−36の変化に有意差はありませんでした。今回の試験でカーボスターが著効した一症例がありました。カーボスター使用開始してから2ヵ月後には血圧下降時に介入回数が減少しました。SF−36の変化は、日常役割機能(身体)と日常役割機能(精神)に変化がありませんでしたが、他のスコアが上昇している結果になりました。

多剤投与対策シンポジウム

 座長:安藤義孝理事長 池内広邦院長

1. 各施設の多剤投与現状報告(横山真由美)

2. 各施設担当医よりの報告

1) 平成日高クリニック(伊藤先生)

2) 白根クリニック(高橋先生)

3) 富岡クリニック(磯松先生)

4) 日高リハビリテーション病院(小林先生)

5) 両毛クリニック(池内先生)

―特別講演―『腎臓病からみた高血圧』

『講師』 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター内科医長 前澤晃 先生

閉会の挨拶

 両毛クリニック 池内広邦 院長