あなたのための世界/藍銅鉱 -azurite- 作品レビュー
 みとせのりこさま

   みずさわゆうき 光の種子を孕む唄


みずさわゆうきの音楽は、常に光を生み出すための種子を孕んでいる。その声に、 詞(コトバ)に、彼女の魂から紡がれる全てに。
この小さな作品集「あなたのための世界」は、そんなみずさわゆうきの描き出す 「光の午後」と「夜」の2極である。

光溢れる午後を唄う「あなたのための世界」は、あまねく地上の全てに分け隔て なく降り注ぐ優しさ、まさしく”みずさわゆうき”の想いや人柄そのものだと言 える。詞だけでなく、その詞を唄うときの声の出し方、息遣いにもその願いが感 じられる。

そして2曲目の「藍銅鉱」は対になる夜を描く。しかしこの夜は不透明の闇では ない。深く澄んだ藍碧の夜の色なのである。それはまさしく鉱石のように、硬質 な存在感の中に一条の光の種子を抱いている。夜は人から視界を奪い、迷わせる 恐ろしいものであるが、みずさわゆうきは、そんな夜が常に、朝という新しい生 命と光を生み出す母胎なのだと知っているのである。

「光の午後」と「夜」の二極に、よりしなやかな色彩をたたえたこの作品は、収 録された音にも声にも、これまでを超える芯を感じる。みずさわゆうきというヴ ォーカリストの真の個性の萌芽をとらえた作品集と言えるだろう。

このCDにより、みずさわゆうきの中にも、また新たな光と音楽の種子をが宿され たのではないだろうか。今後のみずさわゆうきの作品にも期待したい。


モドル?