寒さでどんよりとなった空の下で、やせこけた木が身を揺らし私がさらけ出している皮膚の部分が「寒い」と悲鳴をあげる。 風がいつにもなく冷たい。 今日は雪でも降るのだろうか。 私は気温以上に冷たい人の群れの中で、身を震わせながら携帯電話を片手に道を急いだ。 恋人の笑顔が遅刻した私を快く迎えてくれる。 私はそのまま部屋の中にもぐりこんだ。 冷えきった私の体を少しづつ暖めてくれる。私はテーブルの上にあったコーヒーをひとくちだけ口に入れた。 そして私の体を、暖かいその体はそっと包み込み、暖めてくれた。 それなのに。 なぜだろう。 苦しい。 こんなにも体が熱い。どうしてだろう。 アツイ。 どうしてこんなことになってしまったのかわからない。 いつのまにか私はここに迷い込んでいた。 どうしてこんなに苦しいのだろう。何もわからない。 遠くから時計の音が聞こえる。 まるで灼熱地獄に迷い込んだかのように私の体はどんどん火照ってくる。 しかし私の横にいるはずの笑顔がない。 私はいったいどうしてしまったのだろう。 苦しさに体を縮め、目をつぶる。 苦しい! くるしい・・・。 私は目をあけた。 目の前には見慣れた部屋の景色が広がっている。 恋人の安らかな寝顔が私の隣にある。 はっとして、私はコタツから身を乗り出した。 END |
授業中に書いたやつです。急に思いついて…。いかがでしょう? 主人公の性別は決めてません。勝手に想像してください。 |