今日の意見
2005年3月

   2005年3月31日

    「行政書士用メールアカウント」

 昨年12月始めに、古い行政書士用電子証明書とセットになっていた行政書士用メールアカウント(〜@gyosei.or.jp)の無償交付措置の終了がアナウンスされて以降、年末に、このメールアカウントの有償での継続利用の案内があり、年明け早々、申し込みをしてありました。

 2月下旬に、この有償化された行政書士用メールサービスの案内がありました。それによりますと、Webサービスも付加されて、ウィルス駆除サービスも提供されており、無償時代とは様変わりした全く別のサービスに生まれ変わりました。

 3月4日に利用料金引き落とし等の書類を返送しておいたのですが、昨日、(有)全行団から「行政書士ドメイン・メール&Webサービス 設定報告書」というのがとどきました。メールアカウント設定とホームページの設定に必要なアカウントやパスワードの通知です。

 ユーザーマネージャ機能などを含めた全サービスは、4月1日から利用可能だそうです。

 これまで、”〜@gyosei.or.jp”のメールアドレスは、ごく限られた場面でしか使ってきてないのですが、ウィルスやスパンメールが届くのは、日常的に使っている別のメールアドレスではなくて、大部分、この”〜@gyosei.or.jp”アドレスからでした。

 ウィルス駆除サービスなども提供されていますから、このあたり、改善されるかな、と期待しています。メールやホームページの仕様も、かなり高度なものですから、工夫次第で、おもしろいホームページが作れるかもしれません。

 僕自身のホームページは一つも公開していないので、事務所案内のホームページでも作ってみようかな、などと考えはじめています。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月30日

    「不法残留者1万人減少・・・」

 法務省が発表したところによれば、今年の1月1日現在、前年に比べて不法残留者が1万2千人余り減少したと、日経新聞が伝えている。

 ただし、それでも不法に日本に在留している外国人の数は、20万人を超えるという。

 政府は、昨年からの5年間で不法在留者を半減するという目標を掲げており、昨年の1年間で5万5千人以上の外国人が、入管難民法違反で強制退去処分となっている。

 これは、前年よりも9千人余り多い数である。

 しかし、不法に日本に入国する外国人の数は減ってはいないため、実際は、不法残留者の数は、前年の5%程度の減少に留まると見られているようだ。

 日本は、その地理的な状況や、歴史的な状況から、国際化ということに成熟した社会的対応が遅れていると言われている。

 国際的な舞台では、日本の動きはいつもどうもぎこちないし、また一人一人の国民の意識にも、外国人と容易に親しくなれるという生活様式ではない。

 にもかかわらず、日本は、今後数年で団塊の世代が次々に現役引退していくため、最大で約110万人程度の労働人口が減少すると見られている。

 また、全体の少子化傾向には歯止めがかかっておらず、こうした人口減少に対処するための一方策として、入国・滞在する外国人に対する政策のあり方が大きな問題となることが見込まれている。

 「不法な入国・滞在」を排除し、「適法な入国・滞在」を促進するためのバランスのある政策の実行は、困難な中にも重要なことであることは論を待たない。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月29日

    「年度がわり」

 あと三日で平成16年度も終わりです。1月から3月は、確定申告などの大きなイベントもあり、あわただしく過ぎていきました。

 先週末から今週初めにかけて、官公署では職員異動内示も終わり、少し浮き足立った様子。行きなれた窓口の顔ぶれも、ここで大きく変るでしょう。

 同業の方の事務所移転の話もちらほらと聞きます。こういう仕事をしていると、12月から1月への年越しよりも、3月から4月への年度がわりの方が、変化が大きいですね。

 振り返ってみると、平成16年度は世界的な規模で度重なる大災害があり、私事公事にわたり気分的に落ち着かない一年でした。それをうけて、来年度は大きな変化の年になりそうな予感があります。

 その変化がどんなものであれ、日々の課題に、ひとつずつ誠実に対応していこうと思います。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月28日

    「『首相』の『相』という字の部首は?」

 先日、ものの本を読んでいて、ふっと驚いたことがありました。

 「首相」の「相」という字の部首は、てっきり「木へん」だと思っていたら、これが大違い。何と「目へん」だったんです。

 そして、「相」の意味は、@すがた、ようす。Aいっしょに、たがいに。・・・とあって、「大臣」という意味でもあるという。

 日本国憲法は、民主主義をその骨格としている法律ではあるが、時々、妙な言葉が無造作に使われている。

 「大臣」という言葉がその最たるものだろうが、「首相」という言葉も実は、似たり寄ったりだったことになる。

 内閣総理大臣、国務大臣など、「大臣」という言葉は、ふんだんに出て来る。

 「大臣」とは天皇を国の支配者として、国民を全てその臣下とし、臣下の中の大いなる者という意味で「大臣」だ。一体、これが主権在民の憲法の言葉だろうか。

 そう思っていたら、なんと「首相」という言葉も、決して国民の代表者としての行政権のトップにいる最高責任者、という意味ではなかった。

 「首」なる「臣」という意味だったのである。

 やっぱりこういう言葉はいけない。

 天皇が支配者として存在しているのではない以上、日本に「首相」や「大臣」を名乗る者があるべきでない。

 「首相」や「大臣」という名称を廃止し、もっと国民の代表者として国民に奉仕する者としてのふさわしい職名に変えるべきでしょうね。

 たとえば、内閣総理「大臣」は、内閣総理「長官」・・・で、いかが?

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月27日

    「最近のノートパソコン」

 ここ2〜3ヶ月、必要があって様々なメーカーのノートパソコンに触ってみる機会がありました。カタログ上での比較、店頭での試用、お客さんが購入したもの設定、自分自身で購入したもの設定など、いろんな接し方ではありますが、かなりの数の最新機種を試してみました。

 最近の新しい機種に触ってみて驚くのは、やはり高機能化と小型化でしょうか。低価格化していることにも驚かされます。それから、液晶の画面表示が美しいことにもビックリしてしまいます。

 とりわけ目をひくのが、無線LAN機能の標準装備化と、小型ノートパソコン(数年前は「サブノート」というような呼び方をしていたマシン)にまで、DVDのマルチ(スーパーマルチ)ドライブが内蔵されたものが登場していることでしょうか。

 液晶が10〜12型で、重量2Kg以下。1.5Kg以下のものでもDVDに書き出せるドライブを内蔵したものまでありますから、ホント驚きです。このくらいのサイズなら、バッグに入れて持ち歩いてもそれほど邪魔になりません。

 これほど小型でも、ハードディスクの容量は、40Gbから60Gbがあたりまえです。10年前は大きくて重たく、そして極めて高価だったノートパソコンの内蔵ハードディスク容量が、せいぜい数十Mbだったことを考えると、信じられないような進化です。

 事務所のデスクトップパソコンの性能と中身をそのままバッグの中に入れて持ち歩ける時代になりました。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月26日

    「いよいよ球春・・・・」

 昨日(24日)から、いよいよ春の選抜高校野球大会も始まり、野球好きには楽しみな季節になりました。
(ただ、昨日は急に寒さがぶり返して、驚きましたが・・・)

 選抜高校野球だけではなく、プロ野球のオープン戦、アメリカ大リーグのオープン戦と、眼がウロウロするほど嬉しいですね。

 野球というスポーツは、熱心な国ではとても普及していますね。そんな国では、野球ができない子供は肩身の狭い思いをさせられるようです。

 こと日本に限って言えば、日本に野球というスポーツを広めた功績のある文人として、正岡 子規の名前が挙げられます。

 実は、「ベースボール」を日本語の「野球」と翻訳したのは正岡 子規だと思っていたのですが、どうも事実は違うようですね。無類の野球好きだったことから、後世そう言われるようになっただけで、翻訳したのは、中馬 庚さんという方。

 しかし、「野球」という言葉は、実は「ベースボール」の訳語として使用される前から、子規はこれを使っていたんですね。

 それが、なんと、自分のペンネームとして。
 つまり、彼は、自分の幼名の「のぼる」をもじって、自分のペンネームを「野球」と書いて「のボール」と読ませていたことがあるくらい野球好きだったんです。

 団塊の世代の申し子として、筆者なども、ちょっとした広場に来ると自然に次のような気分になってしまいます。


  まり投げて 見たき広場や 春の草

                      子規

 そして、もう団塊の世代は次々と現役引退する時節ともなりました・・・

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月25日

    いろいろなことが起きてきます

 3月20日、丁度福岡市に入った辺りで、地震に遭遇。
 高速上なので揺れは感じなかった。

 翌21日には、高速道路をはじめ交通機関は復旧した。
 何事もなかったかのように、岡山に向けて帰ったが、
 この1週間でいろいろなことが起きています。

 仕事のことや、偶然いろいろなところで知った人に出会ったり。
 努力の結果、うまくいった仕事もあれば、
 落とし穴が待ち受けているものもありで、
 本当にいろいろなことが起きています。

 その都度バタバタ慌てふためいているのではなく、
 一つのしっかりした信念を持って事に当たりたいものです。
 自分を見失わないために、そして何事も首尾よく行うために。

 ところで、25日には南海地震や東海地震が起きると
 いわれている地方に出張します。

 「今度は地震が起きないように祈るばかりです。」と思うのではなく、
 何が起きても身体を動かして、謙虚に最善を尽くすのみです。

                                      行政書士 妹尾芳徳



   2005年3月24日

    ◎新・グループウェアを使う:その10 「WEBメール」

 ”ビジネスgoo”のオプションサービスで、「WEBメール」というのがあります。これは、パソコンのアウトルックエクスプレスなどで送受信しているメール(いわゆるPOPメール)を、グループウェア上で送受信可能にするものです。

 この機能、オプションサービスであり、他のグループウェアで同様の機能を無料で利用しているので、特に申し込みはしていませんでした。

 ただ、このシリーズで紹介するために、そのサービス内容を調べてみようと機能紹介ページに行ってみたら、「Webメールサービスのお申し込みは平成17年1月31日より停止させて頂きました。」というメッセージがありました。何か問題があって、”ビジネスgoo”ではサービス提供を止めているようです。

 逆に、私が個人的に利用している(株)アドミラルシステムのホスティングサービスに付随して無料で提供されている”Hotbiz”というグループウェアでは、つい先日から”Webメール”機能が提供されはじめました。

 他に、私が所属するいろいろなグループで利用している”チームギア”という無料のグループウェアサービスでも、”Webメール”機能は最初から提供されており、これは携帯電話からでも送受信できる仕様になっているので、とても重宝しています。

 どれか一つのグループウェア(グループウェアでなくとも他のサービスでもいいのですが)でこの”Webメール”を使えるようにしておけば、出先でもメールの確認や送信ができ、さらにそのサービスが携帯電話での利用が可能であれば、利便性はさらに増します。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月23日

    「福岡県西方沖地震の被災者の方々にお見舞い・・・」

 3月20日の午前10時53分頃に発生した福岡県西方沖地震について、福岡県佐賀県及び近県のみなさま方に心よりお見舞い申し上げます。

 北九州地方では、震度6程度の地震が発生することはきわめて希だそうで、さぞかし現地でこの地震に見舞われた方々の驚きと不安は大変大きなものであったろうと思います。

 これだけの大きな地震であったのに、人的被害が最小限に食い止められているのは、不幸中の幸いとでも言うのでしょうか。

 ただ、家屋や道路の被害状況はかなり大きなものがあり、復旧にかなりの時間がかかりそうなことが気がかりです。

 特に、玄界島の破壊された集落、道路の状況などを見ると、交通の便などから考えても、復旧へ向けてかなりの尽力が必要だと思われます。

 また、福岡市の高層ビルのひび割れたガラス窓の危険さは言うまでもありません。もし、余震などでこれらの壊れたガラスが一斉に地面に落下したりすると大きな惨事になりそうです。

 このところ、日本には台風や地震といった自然災害が急速に増えているように思います。

 そして、このような国民の急迫した危機に対して、法制度も人的・物的救難体制も悲しいかな、未整備なままです。

 阪神・淡路大地震から、今年でまる10年。そのつらい教訓が本当に生かされるのはこれからです。その大きな部分が、政治や行政を担当する方々の肩に乗っています。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月22日

    ◎新・グループウェアを使う:その9 「ストレージ」

 3月8日付けの「今日の意見」で、モニターとして利用していた”ビジネスgoo”について、正式加入の申し込みをしたことを書きました。

 申し込み時点の問合せでは、「ストレージ」サービスが利用可能となるのは、3月10日からとのことでしたが、その日がきても、何の連絡もないし、「ストレージ」サービスが利用可能にもなりません。

 それで、再度問合せをしたところ、システム障害が発生し、サービス開始の時期が遅れているとのお詫びがありました。実際のサービス開始時期は、14日の午後からということで、やむを得ず待つことにしました。

 14日の午後、「ストレージ」サービスが利用可能になりましたので、早速、試してみました。このサービスはオプション扱いで、まず、各メンバーが利用する「マイスペース」というのを申し込みます。これは、基本コース(ベーシック)で500Mbの容量が提供されて、一人あたり\386です。さらに、500Mbずつ2.5Gbまで増設可能です。

 その「マイスペース」サービスを申し込んだのち、「共有スペース」というのを申し込む必要があります。「共有スペース」は基本コース(ベーシック)が1Gbで\525。さらに、1Gbずつ5Gbまで増設可能です。

 提供される容量と料金からみてとても格安なサービスになっていると思います。以下のURLに説明があります。

 http://biz2.goo.ne.jp/ext/html/price/op4.html

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月21日

    「日本に牛肉を売りに来たライス長官」

 アメリカは驚いた国ですね。

 どうも昔から、アメリカの大統領あたりが外遊すると、それについて来るのが決まって経済界の大物で、きっと何かを売り込みに来るわけです。

 今回、大統領は来なかったけれど、訪日したライス国務長官はストレートに牛肉を売りに来たんですね。

 しかも、日本がアメリカ産の牛肉の輸入再開の時期を明確にしないのなら、アメリカは日本に「経済制裁」をやるぞ、と上院・下院ともにその決議案が提案されているのをバックにした訪日・売り込みなのである。

 これを、常識的には「脅し」と言うんだね。「話し合い」や「交渉」ではないんだわ。

 牛肉買わなきゃ、日本は自分が北朝鮮に「経済制裁」をする前に、アメリカから「経済制裁」をされちゃうわけだ。

 日本が、アメリカの牛肉を買わないわけは明確だ。アメリカの牛肉が、安全な食品であるという確証がないからだ。

 普通なら、買ってもらいたいなら「安全」であることを証明し、納得してもらうというのが正しい経済取引のあり方だ。

 そういう消費者の声に謙虚に耳を貸さないアメリカのやり方、そういうアメリカの独善が、アメリカが全世界から嫌われている大きな理由だということに彼らはまだ気が付いていないようだ。

 ローマは一日では出来なかったかもしれないが、奢れるローマの滅亡は早かったんだよな、たしか・・・

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月20日

    「電子申告・e-Tax」(3)

 e-Taxソフトは、少し試してみると使い方はわかりましたが、自分が必要とする書式をダウンロードしてそれに手入力していくようになっています。一部、自動計算になっていますが、一般的な会計ソフトからデータを流し込むような仕様にはなっていないようです。
 
 私の場合、必要な申告書は、確定申告書Bと青色申告決算書(一般用)だけですから6ページ分です。それに「確定申告等送付票」という電子申告専用の受付票のようなものが必要ですから合計7ページ。

 これらを記入していくのに、ページを切り替えたり、内容を確定して保存しようとするたびに、1分から長いときは数分パソコンがじっと考え込んでいるんですから、非常に重たいソフトです。(この申告に使ったパソコンは古いもので、OSはWindows2000、CPUは、ペンティアムVの800MHzというしろものです)。

 申告書への記入内容については、申告書を確定保存する段階や、電子署名する段階、そしてシステムに送信して受付ける段階でチェックされていて、単純なミスは、すぐに検出されます。エラーの原因について、表示される説明が分かりにくく、ちょっと戸惑いました。

 電子署名は、住基カードの公的個人認証サービスによる電子証明書を使いました。公的個人認証サービスの電子証明書が利用できる電子手続が少しずつ増えてきています。

 13日、午前9時のシステム稼動直後に、無事、送信が受付けられたようですから、多分、確定申告は終わったのでしょう。「確定申告等送付票」も無事受信しました。これで一段落。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月19日

    「印刷屋さんが、合併特需・・・」

 つい先日、名刺を新しく作りかえるのに印刷屋さんに行きました。

 普段は、男性二人がマイペースで仕事をしていたはずなのに、今回はお客さんが列を作って順番を待っているような状態で・・・

 聞くと、「合併特需」なんだそうです。
 平成の大合併で、会社の住所などが変った人たちが、名刺や封筒や会社案内の作り直しで、どっと注文が入って来ていて身動きできないほどなんだそうです。

 うーん、この市町村合併は、町の印刷屋さんの陰謀であったか・・・?

 また、今回の広範囲にわたる合併は、市町村の指名願いの提出等にも大きな影響を与えているようですね。

 合併前の市町村に出すのか、合併後の市町村に出すのか、両方に出すのか・・・など、なかなか事態は錯綜しています。

 ともかく、全体として行政の単位が大きくなるので、今までのテリトリーの中では「いい顔」をされていた業者の方々にも、ちょっと「変化のある風」が吹き始めているようで、それかあらぬか、しきりと、これからの発注はどんな風になっていくのか、戦々恐々、疑心暗鬼のところもあるようですね。

 全国的にも、いま、指名願いで大奮闘中の行政書士さんが多いと思います。

 それぞれの市町村の要求する書類を、それぞれの要求する期限までに間違いなく提出する作業は、本当に気が抜けません。

 みなさん、体に気をつけて、もうひとふんばり頑張りましょう。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月18日

    「アンシャンテ」

 昨夜は、異業種交流のセミナーと懇親会があったので、夕方からバスで出かけました。日中は、ずっと雨が降るうっとうしい天気だったのですが、夕方、その雨も上がりました。

 岡山駅前に出て、時間があったので地下街の書店に寄りました。そこで時間つぶしのつもりで本を見ていると、一冊の本が目にとまりました。ファンタジーのコーナーでした。

 その本のタイトルは『エンデの遺言――根源からお金を問うこと――』というもの。妙に引かれて、その本を手に取ったとき、不思議な感覚を覚えました。

 思い返してみると、10年くらい前までは、書店に足しげく通い、書棚に並んでいる本から様々の刺激を受けながら、いろいろな物事について考えていたものだなと、ふとそのころの感覚がよみがえったのです。

 ライブドアのM&Aがマスコミを賑わしているこの時期に、エンデのお金に対する問題提起に関心を寄せるということは、本質的に、私の指向がこういうベクトルにあるのだろうな、と変に納得したりもしました。

 そう考えたら、妙に肩の力がぬけ、リラックスした気分になりました。常々、ひどい頭痛持ちなのですが、その傷みがスッと消えてなくなったのです。その本の隣に並んでいた、同じく『エンデの警鐘――地域通貨の希望と銀行の未来――』という本と、柳田邦夫さんの『砂漠でみつけた一冊の本』というのを買い、晴れ晴れとした気分で、地上に出ました。

 外も真冬の寒さはなく、日中の雨で湿気をふくんだ夜気は、既に春先のもので、そこでも不思議な開放感を覚えました。見上げると中空には半円の朧月。魔法にかかったような夜でした。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月17日

    「最近、雲雀の声を聞かない・・・」

 このごろの季節には、決まって雲雀の声を聞きました。

 空高く、吸いこまれていくように高く高く舞い上がりながら鳴く雲雀の姿をよく見かけたものです。

 子供の頃は、上空に舞いあがっていく雲雀の姿を、首が痛くなるほどずっと追いかけて見ていたものでした。

 また、姿は見失ったのだけれども、高い空のどこかで鳴いているその声を聞いていたものです。

 ところが、最近、ふと気がついたのですが、雲雀の声を聞きませんね。そう友人に話したら、そう言えば聞かない、と不思議がっていました。

 雲雀の声も聞かないし、まして黄金色の麦畑もありません。

 一面に広がった黄金色の麦畑と天空の雲雀は、この季節の主人公でしたのに。

 それでも、春はやって来ました。

 その従えて来る風物は変っても、季節は変らずやって来るということでしょうか・・・

 ただ、やはりこの季節には、鋭く鳴きながら空の高みに一直線に上っていく雲雀の声を聞きたいですね。


  雲雀より 空にやすらふ 峠かな

                   芭蕉

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月16日

    「電子申告・e-Tax」(2)

 これまでどおりの紙申告にするか、電子申告にするか決めかねていたのには、別の理由もありました。確定申告書の控えに税務署で受付印を押してもらったものが必要だったのです。

 これは、娘が保育園に通っているためで、保育料の決定をする資料として、確定申告後に、確定申告書の控えに受付印をもらったもののコピーを福祉事務所に出す必要があったのです。

 このあたり、電子申告にした場合、同様な問題が発生する申請手続きが各種あると思いますが、電子申告が制度的に始まったばかりということもあり、手続き的には統一がとれていないと思われます。

 私の場合、一応福祉事務所に確認して、電子申告が受付けられた段階で返送される「確定申告等送付票」を申告書の写しとともに提出することで対応してもらうことにしました。

 一応、この問題をクリアできる目処もついたので、領収書等の整理や記帳上の処理を終えた先週末の段階で、電子申告を使ってみることに決めました。

 といっても、電子申告用のソフトは一応パソコンに組み込んであるというものの、その使い方については、全く白紙で、どういう手順で電子申告というものが可能になっているのか、電子申告用のソフトはどのように使うのか、会計ソフトと連動するのか、など疑問符だらけでした。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月15日

    「サルトルも夏目漱石も、ケチョンケチョン・・・」

 最近読んだ面白い本がありまして、それは、『百年の誤読』という本です。

 ぴあ株式会社というところから出版されています。

 著者は、岡野 宏文さんと豊崎 由美さん。

 正確に言えば、このお二人がこの百年間にベストセラーになった話題の名作を対談形式で、快刀乱麻のごとく解剖して、食える読み物と食えない読み物に情け容赦なく分別処理していく・・・という体裁の内容です。

 1900年(明治33年)に出版された徳富蘆花の「不如帰」から、昨年話題をさらった「世界の中心で愛をさけぶ」まで、まあ、片っ端からぶった切っています。

 その切り方の凄まじさ、爽やかさ・・・

 思わずのけぞって笑ってしまうこと請け合いです。

 この二人にかかったら、夏目漱石もサルトルもミッチャムも養老孟司さんもまったく顔色なし。機関銃のごとき悪口雑言。

 思うに、このお二人、偽善、お利口さんぶり、お上品ぶり、インテリぶりがだいっキライなんでしょうね。そのキライの一途さにはブレーキがないんです、はい。

 (こんなに楽しい悪口雑言があってもいいなぁ・・・と何故か納得してしまいます。)

 こんなに、本を楽しく読ませてもらって、たったの1,680円(税込み)です。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月14日

    「電子申告・e-Tax」(1)

 昨年6月に国税の電子申告を利用できるように、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」を提出したことは、昨年6月14日に”「電子証明書と電子署名」(49)……e-Tax の全国運用開始”という見出しでこのコーナーに書きました。

 このe-Tax システムの概要については、以下のURLに情報があります。

 http://www.e-tax.nta.go.jp/index.html

 その後、7月21日付けで「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」というのが届きました。その通知書には、指定された期日(私の場合8月31日でした)までに、e-Tax システムにログインして暗証番号の変更をするようにという指示がありました。

 その通知に同封されたソフトウェアをパソコンに組み込み、指定の暗証番号変更手続もすませてはおいたのですが、その後、忙しさにかまけて、特に何もしない状態で、年が暮れました。

 今年の1月20日に、「税務署からのお知らせ」というメールが届きました。それは、以下の内容でした。

「税務署から、お知らせがあります。受付システムにアクセスの上、メッセージボックスをご確認ください。このメールに対する返信は受け付けておりませんので、お問い合わせは、ヘルプデスクにお願いします。」

 それで、メッセージボックスというのを確認しようとしたのですが、これが、システム稼動時間しかアクセスできない仕様になっていて、平日の午前9時から午後9時までの間以外は、「只今メンテナンス中です。」というすげないメッセージが帰ってきます。

 メッセージボックスにアクセスしなければならないことを思い出すのがいつも午後9時過ぎてから、という日が何日か続き、実際にメッセージボックスを開くことが出来たのは、2月になってからでした。このあたり、24時間365日のフル稼働にしてもらいたいものです。

 メッセージの内容は、確定申告時期の簡単な通知でした。2月15日が過ぎて、確定申告の時期になったのですが、実際に、電子申告を利用してみるか、これまでどおり紙申請でいくか決められないまま、日にちだけが過ぎていきました。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月13日

    「今年もやっぱりビル・ゲイツ氏・・・」

 先日、アメリカの有力経済誌『フォーブス』に世界の大富豪の順位が発表されました。

 それによると、10億ドル(約1040億円)以上の資産を持つ「大富豪」は世界に691人。昨年より、104人増加したようです。

 そして、世界一の大富豪になったのは、やっぱりマイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏。氏は、これで11年連続して世界一の大富豪に輝いたことになる。

 同氏の資産は、465億ドル(4兆8,360億円)というから途方もない資産。

 ところで、アメリカでは、最近、新生児の死亡率が途上国なみに悪化しているという数値が発表されたばかりです。

 貧しさのために、産まれたばかりの赤ん坊を衛生的な環境で育てたり、病気のときに病院にかかることもできない貧困層が徐々に拡大していることが、この新生児に死亡率を高めている原因だとされているようです。

 アメリカは自由の国。

 成功したごくごく少数の者と、圧倒的大多数の産まれたばかりの子供を無事に生存させることさえ困難な人々を日々生み出しているシステム。

 さてさて、そのアメリカ流のシステムを日本も真似をしようとしている・・・

 証券取引法違反で逮捕された某日本人が、149位でこの大富豪ランキングに登場しているのも、何かの皮肉のように見えてしまいます・・・

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月12日

    「携帯電話メールの応用」

 昨年十一月頃から携帯電話メールを使い始めたことは、以前、このコーナーに書いたことがありましたが、今回はその応用編です。

 もともと、パソコンメールでも長文を書く癖があるのですが、携帯電話メールでも、文字数制限ぎりぎりまで書いてしまい、受け取り手を辟易させてしまうという悪癖があります。最初知らなかったのですが、DoCoMoの携帯で、500文字までしか受信できないそうですね。

 それで思いついたのですが、出先で短い原稿を書くときには、携帯電話で書けばいいのではないかと。

 これまで、出先で文章を書く場合でも、パソコンが必須という固定観念がありました。入力の効率や、データのやりとりから考えて、パソコン以外では、ザウルス等のPDAを試したことはあるのですが、実用には程遠いものでした。

 しかし、携帯電話は予想外に使えそうです。携帯電話メール宛てではなく、パソコンメール宛てに送るのであれば、数千文字入力できます。書き上げたら、自分自身のパソコンメール宛てに送っておけば、データのやりとりの問題はありません。

 実は、今、申請取次者の更新研修を受けるために、大阪の研修会場に来ているのですが、岡山から大阪までの新幹線で、岡山県行政書士会の会報紙『行政岡山』用の原稿を一本書きました。それから研修会場のホテルに来て、待ち時間でこの原稿を書いています。どちらも千文字強ですが、それなりに入力できています。

 当然、パソコンの方が入力は速いのですが、出先でパソコンがなくても、携帯電話は常に持ち歩いているわけですから、入力端末としては、とても身近な存在ですね。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月11日

    「河豚の毒の効用・・・」

 長い間、疑問に思っていたことがありました。

 それは、「河豚の毒は何の役に立っているのか」という疑問でした。

 普通、毒を持つ動物は、その毒を使って獲物を捕らえるか、または敵から身を守るかします。そのための「毒」なわけですよね。

 ところが、河豚の毒というやつは、それで敵をやっつけたり、獲物をとったりすることには使えません。

 自分が死んで(殺されて)、それを食った相手が死ぬという毒ですから、相手をやっつける前に自分がやられてしまっていることが毒が毒としての効力を発揮させうる条件なわけです。

 つまり、もの凄〜く敗北主義な毒なわけです。

 ところが、世の中にはスゴイ人がいました。こういう「無用の毒」ならば、「無毒の河豚」を養殖できるのではないか、と考えたんです。で・・・「無毒の河豚」の養殖に成功しました。

 しかし、何と、その時、「河豚の毒」の効用がわかったんです。毒を失った河豚たちは、なんと共食いをし始めた、というのです。

 「河豚の毒」は、敵を倒すためでも、獲物を倒すためのものでもなかった。そうではなくて、「共食い」をしないための毒だったのです。

 人も、人を殺せばその「毒」で自分も死ぬという体の仕組みにしておけば、今とは異なる人類になっていたかもしれません。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月10日

    「EMS」

 「EMS」というと、DOSの時代からパソコンを使っている人は、拡張メモリの呼び名として記憶に残っているかもしれませんが、最近、この「EMS」という文字をよく目にします。郵便局から、「EMS」の案内が、このところポストによく入るのです。

 この「EMS」は国際スピード郵便のことですが、なんの略なんでしょうね。ちなみに、DOSの拡張メモリは「Extend Memory Specification」の略でした。

 googleで、「EMSとは」というキーワードで検索してみると、この略語、いく種類もあるのが分かります。語呂がよいのでしょうか。

 国際スピード郵便の「EMS」は、先日、上海在住の友人から本を数冊送って欲しいと頼まれたときに初めて利用しました。本を三冊、このサービスで送ったのですが、送料は二千円弱で、2〜3日後には届いていましたから、安いし早いし、ちょっと驚きました。

 昨日、ポストに入ったチラシによりますと、1通からでも無料で集荷にきてくれるとか、専用包装材やラベル印字サービスも無料で提供してくれるとのことです。

 外国への小荷物配送は、それほど頻繁には発生しないのですが、このサービス、ちょっと面白いですね。ポストに入っていたチラシにはアンケートハガキが付属していて、それには、「EMS」の詳しい資料を希望されますか?という項目もあります。資料を請求してみようと思っています。

 以下のURLにも説明があります。

 http://www.post.japanpost.jp/service/intel_service/ems.html

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月9日

    「中国で敗訴した清水建設・・・」

 清水建設が中国の大連に建設した旧マイカル大連商場の工事代金の滞納分を支払いを求めた訴訟を起こしたのは、2000年10月のことである。

 契約工事代金は、総額で1億9600万ドル。しかし、そのうち追加工事分も合わせて、8050万ドルが滞納していた。

 通常、契約で決められた金額を滞納した側に支払い命令が出るのは、法の常識というものである。

 しかし、中国の裁判所は、逆に清水建設は工事代金を貰い過ぎだとして、約1500万ドル余を、旧マイカル大連商場の運営会社である大連国際商貿大厦有限公司(国貿大厦)に返還するように命ずる判決が出たのである。

 争点はいくつかあったが、根本的な問題は、日本の商習慣と中国のそれとでは全く異なっているという認識が、清水建設側には希薄だったようだ。

 また、裁判制度も日本と中国とでは、根本的に異なっている。

 私たちが一番奇異に感ずるのは、係争中の建物の評価を裁判所に求め、裁判所がその建物の価値が契約金額に値しないと判断したら、裁判所が鑑定した工事代金を支払えばいい、という論理だ。

 建築された当時と、裁判になった築後5年では、当然のことながら「評価」は落ちる。双方にいろいろ主張はあるのだろうが、契約が無視されては商取引は成り立たない。

 1月28日には、清水建設はこの判決を不服として北京最高人民法院に上訴している。(中国は2審制なので、ここで「判決」は確定する。)

 商習慣、法制度が異なる国で取引を行なうことは、なかなか大変だ。

 こうしたことは、しかし、日本の多くの企業が今後とも十分に研究しなければならないことなのだろう。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月8日

    ◎新・グループウェアを使う:その8 「正式加入へ」

 2月の初めからモニターとして利用してきている”ビジネスgoo”ですが、ストレージサービス(インターネット上のディスクスペース)も利用できるようにして、本格的に使いたいと考え、昨日、正式加入の申し込みをしました。

 3月1日に正式加入の案内メールが届いており、そこにあった手順にしたがって申し込みしました。説明書きを読む限り、即日、フル機能で利用できるものと思っていたのですが、申し込み後もストレージサービスが有効にならないので、インフォメーションに電話して尋ねました。

 その回答によりますと、4月1日から正式加入の申請をしたことになっているので、ストレージサービスの利用も、4月1日からということでした。どうも、説明書きの理解が不正確だったようで、正式加入日を変更することが可能か尋ねました。

 それは可能ということで、4月1日からの加入申請を一旦解除して、即日申し込みに変更してもらいました。ただ、ストレージサービスの利用が可能になるまでには、3営業日必要だそうで、10日の利用開始となるそうです。これは、ちょっと残念でしたが、やむをえません。10日にそのサービスが利用可能になったら、いろいろ試してみたいと思います。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月7日

    「経審の虚偽申請防止システムを17年度中に構築」

 このほど、国土交通省は、経営事項審査(経審)の虚偽申請の防止システムをこの17年度中に完成しさせる予定であることを公表しました。

 いよいよ本格的に経審の評価システムの威力が試されるときでもあります。

 国土交通省では、平成16年度中から経審の虚偽申請防止システムの構築に力を注いできました。同年度においては、大臣許可業者に関して、以下の10項目のチェックポイントを設けて、虚偽の可能性のある業者の抽出し、その上で、申請内容の真実性を証明するための追加書類等の提出を求めてきたところです。

 その10項目とは以下のようなものでした。

 1.虚偽申請に関する情報のある業者
 2.完工高と技術者数の相関チェックで対象になった業者
 3.X1評点の増加または減少が急激な業者
 4.総資本回転率の高い業者
 5.Y点の伸び率が急激かつ一定以上の業者
 6.Y点の審査過程で、疑義項目数が多い業者
 7.Z点(技術力)の伸び率と人件費の増加がアンバランスの業者
 8.外注比率が高い業者
 9.消費税確定申告書の課税標準額より完工高の額が大きい業者
10.税務署公示のデータと経審申請のデータに齟齬が生じている業者

 こうした項目に該当しても、それがそのまま「虚偽申請」とみなされるわけではありません。しかし、申請の真正性を確認するために追加書類等の提出を求められることになります。

 建設業界としても、虚偽申請をするような不良業者を抱え込んでいることは業界全体にとって大きなマイナスイメージです。

 私たち行政書士が、こうした虚偽申請の根絶の先頭に立たなくてはならないことは、その社会的使命からも、もはや自明のことと言わなくてはならないと思います。

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月6日

    「確定申告の準備が……」

 毎年、確定申告の締め切りが近づくのこ時期になると、あわてて準備をするのですが、今年も、一昨日から本格的に準備にとりかかりました。

 一昨日から準備を始めた、などと書くと笑われてしまいそうですが、例年、この時期にならないと取り掛かれないので困ったものです。

 申告を終えると、毎年反省して、次の年は、日々、きちんと記帳と領収証の整理などをしておき、すぐに申告の準備ができるようにしておこうと考えるのですが、年度末の忙しさに終われているうちに、春が来て、夏も過ぎて……、といった調子ですぐにこの時期を迎えてしまいます。

 今年の申告準備に、あと1日か2日かかりそうですが、できるだけ次の週で片付けてしまいたいと考えてます。そして、次の年度こそは、日々の会計処理をして行こうと思うのですが……。さて、実行できるでしょうか。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月5日

    「司法試験なんてもうやめたら?」

 新聞報道によれば、法務省の司法試験委員会が、2月28日に、2006年の司法試験の合格者を900〜1100人に、翌2007年にはその2倍の合格者を目安にすると決定したそうです。

 どうやら、司法試験というのは、試験を行う前から合格者の人数が決まっている奇妙キテレツな試験らしい。

 試験の問題も決まらず、受験者数も決まっていないのに合格者の数が決定されている試験など、およそ試験の名に値しないと考えるのは、私一人ではないと思えます。

 試験とは、その学力や知識がある一定以上の合格基準に到達している者のみを合格とするから、試験なのです。その合格者数が、たとえ100人しかいなくても、合格ラインに到達していない者は不合格になるというのが試験の絶対の「掟」です。

 そうではなくて、来年は何人程度を合格させようというのは、「採用試験」に過ぎません。法曹になるための試験は、またまた「採用試験」に堕してしまうのでしょうか。

 司法試験の合格者が毎年ほぼ一定である。試験問題の難易度や受験者数の変動にもかかわらず、毎年司法試験の合格者数が一定なのは、それは司法研修機関の「修習定員」に合わせて合格者数が決められ、学力や能力で合否が決定されているのではない・・・という批判から始まったのが司法改革の大きな流れを産んだきっかけだったはず。

 それが、またまた、先に合格者数が決まる試験になってしまいそう。

 こんなありさまでは、「法科大学院」がどうのこうのという問題よりも、司法そのものの質が根本から問われかねないのではないでしょうか?

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月4日

    印鑑証明書と職印証明書

 3月7日(月)から新不動産登記法が施行される。

 不動産登記の専門職の司法書士と土地家屋調査士は
 それぞれの所属の単位会が職印証明書を発行し、
 資格者代理人であることを証明することになる。

 さて行政書士はどうかといえば、先月岡山県において
 受付された県外業者の指名願いでは、行政書士が代理人
 として申請する場合には、行政書士個人の実印と、
 印鑑証明書の提出を求められた。

 現在では行政書士には職印証明書という法的根拠がない
 ために、個人の実印と印鑑証明書で代理人として申請の
 真実を担保したのだろうと思うが、いずれは資格者代理人
 として職印証明書を提出するようになるのだろう。

                                      行政書士 妹尾芳徳



   2005年3月3日

    「あたりはすっかり春めいて・・・」

 まだまだ安心はできないんでしょうが、このところすっかり春めいた日々が続いています。夕方暗くなるのが、ゆっくりになりました。

 ・・・と言っても、東西南北に長い日本列島のことですから、暖かさには文字通り「温度差」があるでしょうね。

 花屋さんの店先も、鮮やかな色の花が増えました。

 我が家の庭にも、木瓜(ぼけ)の花が咲き始めています。

 たぶん、河原に行けばきっと土筆も見つかるでしょう。

 幼い頃に両手にいっぱい摘んで帰って、そのハカマをとって食べました。子供には、そうおいしいものではありませんでしたが、この季節には思い出す懐かしい記憶のひとつです。

 あでやかな紅梅は、きっといまが盛り。

 今日、知り合いの娘さんの高等学校の卒業式があったそうで、お祝いのケーキのおすそわけをいただきました。

 古い葉は捨てて、新しい芽を伸ばすために野焼きなども行なわれているようです。その野焼きした野を末黒野(すぐろの)と言うのだそうです。

   暁の 雨やすぐろの 薄(すすき)はら

                       与謝 蕪村

                                      行政書士 八尾信一



   2005年3月2日

    「9万アカウントを突破」

 昨夜、このサイトのアクセスカウントが9万カウントを突破しました。

 妹尾行政書士がこのサイトを開設したのが2001年の始めですからそれから数えて4年。八尾行政書士と私が2002年の7月から共同編集作業に参加するようになってから3年になります。

 このように長く続けてこられたのも、ひとえに多くの読者のみなさまに支えられてのことと感謝いたしております。

 9万カウントに達した記録として、「今日の意見」にこの記事を書き記します。10万カウントに達するのはいつ頃になるでしょうか。

 今後ともよろしくお願い致します。

                                      行政書士 寺見敬三



   2005年3月1日

    「個人情報保護法の施行・・・」

 インターネットなどの普及とともに爆発的に多くなってきたのは、個人情報の流出事件でした。

 こうした個人情報の流出が日常生活に不安や懸念をもたらすほか、流出した情報が悪質な犯罪に使われてしまうことなども看過できない状況です。

 この4月1日からは、こうした個人情報の保護に関する法律が施行される手筈になっており、個人情報の流出による企業の信用下落や個人が全く知らない間に犯罪の被害者になってしまうというような事態にならないよう、最低限の歯止めがかかっていくことが期待されています。

 ところで、先日、本屋さんでいい本を見つけました。

 『これだけは知っておきたい 個人情報保護法』
 (岡村 久道+鈴木 正朝・著 日本経済新聞社・発行 500円+消費税)

 キャッチフレーズが、「これで十分! 75ページでわかる決定版」

 上着のポケットにポイと入ってしまうほどの大きさの本です。

 何かの時間待ちかなにかの間にも、ひょいと勉強してしまえる手軽さです。

 中身は、例えば、「個人情報」「個人データ」「保有個人データ」などの概念を説明するのに・・・

 「名刺は、特定の個人が識別できるので個人情報です。それをスキャナーで読み込みデータベース化したら、個人データです。そして、これを6ケ月を超えて継続利用することとする場合には、保有個人データとなるのです。」

 ・・・という分かりやすさです。

 忙しくても、ひょいと取出して読めるところがお薦めです。

                                      行政書士 八尾信一