毎日スポーツ人賞/グランプリに平泳ぎ世界新の北島康介選手
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「2002毎日スポーツ人賞」のグランプリと5部門の受賞者が決まった。グランプリに輝いたのは、昨年の釜山アジア大会男子二百メートル平泳ぎで世界新記録をマークした北島康介。他のスポーツ賞と一線を画す部門賞として、毎日スポーツ人賞の個性を示す文化賞は、プロ野球の応援スタイルに新風を吹き込む千葉ロッテマリーンズ応援団に贈られることになった。また、今年、米大リーグ・ヤンキースの一員となる松井秀喜は、読者の投票が参考資料となるファン賞を受賞。昨年のサッカー・ワールドカップ日韓大会で決勝トーナメント進出を果たした日本代表チームに国際賞、昨年引退した“角界の鉄人”錣山親方(元関脇・寺尾)は感動賞、東京六大学野球の通算奪三振記録を四半世紀ぶりに塗り替えた早大・和田毅は新人賞と、昨年のスポーツ界を彩った顔ぶれがそろった。
◇グランプリ
昨年10月の釜山アジア大会(韓国)競泳男子二百メートル平泳ぎで、日本男子勢としては30年ぶりの世界新記録(2分9秒97)を樹立した北島康介(東京SC)がグランプリを受賞した。北島は「たくさんのスポーツファンの皆さんからも評価していただいたと聞き、大変光栄です。今年の世界選手権、来年のアテネ五輪に向けても励みになります」と語った。
昨夏に右ひじを痛めて練習が不足した上に、前夜には腹痛を起こす悪コンディションで臨んだレースでの世界記録樹立を「余計なことを考えず、泳ぎだけに集中できた結果」と振り返る。一方で「もっと速く泳げる手応えと、自信を持つきっかけになった」とも。現在は所属クラブの仲間とスペイン・グラナダで昨年末から約3週間の高地トレーニング中で、これまで以上に無駄のない泳ぎの確立を目指している。
◇文化賞
試合後に観客席のごみを片付け、好プレーを演じた他球団の選手にも拍手を送る。千葉ロッテマリーンズ応援団は、トランペットなどの「鳴り物」にメガホンという画一的なプロ野球の応援に、声援主体の新スタイルを確立したことやマナーの良さで高い評価を集めた。
95年にバレンタイン監督(前メッツ監督)が就任したのを機に、親しみやすさを重視して始まったのが現在の応援スタイル。「12球団一の応援団」と評価する声は多い。チームの大ファンだったことからロッテ本社に入社し、ファンクラブ運営などを担当する球団職員の横山健一さんは「ファンの方に感謝しています。もっとたくさんの人に応援に来てもらえるよう一緒に頑張っていきたい」と話す。
◇ファン賞
巨人からフリーエージェント(FA)となり、米大リーグに挑戦する松井秀喜。FA宣言時には「裏切り者と思われるかもしれない」と日本球界を去ることに苦渋の表情をのぞかせた。しかし、東京・銀座での巨人の優勝パレードで沿道の大声援を受け、「想像していた以上に温かい気持ちで送り出してくれる気持ちが伝わってきて救われた」という。
プロ入り10年目となった昨年は、3冠王こそ逃したものの、自身初となる50本塁打。メジャーでもさらなる活躍が期待される中、松井は「僕は野球少年に勇気をもらってきました。これからはテレビを通じていいプレーを見せたい」と話す。常にファンの気持ちを忘れない「日本の4番」は、ヤンキースとの正式契約のため、いよいよ海を渡る。
◇国際賞
昨年、日本と韓国の共催で行われたサッカーのワールドカップ(W杯)で悲願の決勝トーナメント(ベスト16)進出を果たした日本代表が「国際賞」を受賞した。
日本代表はW杯出場2度目で地元開催。過去に開催国が1次リーグで敗退した例はなく、ベスト16が使命だった。フィリップ・トルシエ監督の下、4年がかりで強化した日本代表は自信に満ちた戦いぶりで1次リーグは2勝1分けと快進撃。初出場の98年フランス大会とは見違えるほどの進化を証明した。
選手団長としてチームを支えた日本サッカー協会の木之本興三常務理事は「監督と選手が一丸となって戦った結果である。この名誉に恥じないよう、06年ドイツ大会の出場を目指したい」と喜びを語った。
◇感動賞
感動賞に選出された錣山親方(元寺尾)は「これまで賞には縁がなかっただけにうれしい。今後の励みになります」と喜びを語った。
鹿児島県出身で初土俵は79年。父は双差し名人といわれ栃錦、若乃花時代の名脇役だった鶴ケ嶺。長兄の十両・鶴嶺山、次兄の関脇・逆鉾とともに3人関取となり話題になった。しこ名の寺尾は母親の旧姓。
全盛時でも185センチ、116キロの小兵。しかし、小気味よい突っ張りと素早い動きで横綱、大関を上回る人気を集め、歴代1位の関取在位110場所、同2位になる通算出場1795回などの出色の記録を残した。
昨年秋場所を最後に土俵を去り、近く独立して部屋を持つことになっており、5月31日の両国国技館での引退相撲で髷(まげ)とお別れする。
◇新人賞
東京六大学リーグで江川卓(法大、元巨人)の持つ通算最多奪三振記録(443)を25年ぶりに更新。昨秋のリーグ戦で476奪三振を達成した早大の和田毅(21)=ダイエー入団=が新人賞に輝いた。
99年に島根・浜田高から早大人間科学部に進み、1年秋にリーグ戦デビュー。安定したフォームと球の切れ、打者のタイミングを巧みにずらす投球術を持ち味に実力を伸ばした。4年で才能が花開き、夏の日米大学野球で敢闘賞。チームとして52年ぶりの春秋連覇に貢献した。
活躍の舞台は春からプロのマウンドに移る。1年目の目標は「2ケタ勝利と新人王」。「福岡のファンに愛されるようになって、その力を自分の力に変えていきたい」と新天地での飛躍を誓う。
【選考委員】青木半治氏(日本陸上競技連盟名誉会長)▽阿久悠氏(作詞家)▽内館牧子氏(作家)▽鳳蘭氏(女優)▽篠田正浩氏(映画監督)▽北村正任(毎日新聞社主筆)