|
アトピー治療への疑問 〜その2 スキンケア?〜
アトピー性皮膚炎の治療に欠かせないのがスキンケアです。乾燥して、荒れていると皮膚に違和感を感じます。かゆみや痛み、ざらざらした感じなどです。
その上、荒れたままの皮膚にしておくと異物が侵入しやすくなります。通常ならば侵入しないはずのダニやほこりといったものが皮膚の中に入り、アレルギーを引き起こさせやすくなるからです。また、荒れた皮膚は防衛機能を失っています。そのため、雑菌が繁殖しやすくなります。皮膚で感染症を起こすと、炎症が強まるだけではなく、かゆみも増強します。
このような点から、乾燥したり、荒れたりしている皮膚を保護することは重要なことです。医師たちはスキンケアを勧めますが、当然のことといえます。ただし、医師が勧めるスキンケアとは保湿を指します。特に、ワセリン系の油脂類でしっかりと保護することです。時には、薬品を保湿剤の代わりに使用することもあります。
しかし、ここに疑問があるのです。本当のスキンケアとは何かを皮膚に塗るだけではないのです。塗ることも大切ではありますが、それだけでは不十分なのです。スキンケアの本来の形は、皮膚が持っている機能を自然と取り戻していくことを助けることです。
例えば、よく利用されるワセリン。これは皮膚をしっかりと保護しすぎるために、皮膚の再生を妨げてしまいます。ですから、使いすぎると皮膚がごわごわしてきたり、色素沈着(*黒っぽくなってくること)を起こしたりしてしまいます。
また、雑菌が繁殖して炎症やかゆみを強めているときに、もっとも大切なスキンケアは清潔です。つまり、流水や石けんで洗い流すことです。その上で、消毒をして雑菌を少なくすることが重要です。それにもかかわらず、ただ単に保湿剤を塗っている人があまりにも多いのです。これでは、雑菌に「もっと繁殖して下さい」とお願いしているようなものです。
このような視点が欠けているのが現代のスキンケアといわれるものです。医師たちは「洗い流すのが当たり前だろ」と思っているかもしれません。しかし、それは医師や看護師など医療スタッフに当てはまるもので、通常の方には通じません。ですから、しっかりと伝えることが必要なのです。
欧米では、アトピー性皮膚炎の方に対する入浴療法が取り入れられて効果を上げています。温めのお湯に10〜15分くらい、1日に3〜4回浸かるのです。そうすると、皮膚上の雑菌は8割くらい洗い流されます。その上、皮膚に十分な水分を与えることになるので、皮膚が再生しやすい状態を作るのです。ですから、入浴だけでもかなり効果が出ることがあります。
感染症がひどい場合は、洗い流した後消毒を行います。その上で、抗生物質などを使用するとより効果的でしょう。それなのに、薬だけ処方して塗っていればよい、という感覚では思うように快復していきません。雑菌を減らしてから保湿をすることが大切です。
ただし、消毒などは行いすぎると、かえって皮膚にダメージを与えてしまうこともありますから、医師とよく相談をしながら行うようにして下さい。抗生物質なども同様です。ただし、すぐに薬に頼るのではなく、もっとやるべきことがあるということを知っていただきたいと思います。
もう一つスキンケアで重要なポイントがあります。スキンケアというと外から何かを塗るということと考えがちですが、実は内側からのスキンケアが重要だということです。皮膚は外から増えていくわけではありません。体の内側から作られていくのです。ダメージを負っている皮膚を早く回復させるためには内側からのアプローチが必要なのです。
そこで、大切なのが栄養と睡眠と血行促進です。皮膚だけではありませんが体は食べたものから作られているのです。当然のことですが、食べ方が悪いと良い皮膚は作られないのです。健康な皮膚を作るために適切な栄養素を補給することが大切です。その栄養は血液に乗って運ばれます。血行が悪いとやはり思うように再生はされません。
また、皮膚は眠っている間に作られます。それも、夜中の10時〜2時位の間がゴールデンタイムです。ですから、この時間帯に眠っていることもスキンケアといえます。寝不足では十分な皮膚が作られないからです。
こういった内側からのアプローチがあってこそ、外からのスキンケアが生きるのです。保湿ばかりがスキンケアではないのです。その上、皮膚に塗るものが皮膚自体の再生を損なうものでは、いつまでたっても健康な皮膚が作られてくるわけはありません。医師たちはもう一度、スキンケアについて考え直して欲しいと思っています。
|