アトピーカウンセリング講座 第14回

アトピーを知ろう。
アトピー性皮膚炎とステロイド剤
〜その3 ステロイド依存〜

「本当にアトピー性皮膚炎だったのかな?
 アトピー性皮膚炎の方の検査結果を聞いているとそう感じることがあります。一般的にアレルギーの指標といわれているIgE値やラスト検査などでも異常がないのに重症の皮膚炎になっているからです。
 これは単に検査がすべてではないということもあるかもしれません。しかし、最初は虫さされや手荒れ、吹き出物から始まっている方も多いのです。その時にステロイド剤を使用してしまったためにかえってひどくなってしまったように感じるのです。
 確かに、ステロイド剤は効果があります。ですから、「悪くなったら塗ればいい」そんな軽い気持ちで利用し始めるのです。しかし、これが後々大きなしっぺ返しになるとは夢にも思わないでしょう。
 薬には耐性という現象があります。いわゆる「慣れ」ということです。お酒を例に取るとわかりやすいと思います。最初はちょっとで酔っぱらっていた人でも、毎日飲んでいたりすると量が飲めるようになってくるのです。最初ビール一杯だけで酔っていたのに、それが二杯になり、度数の高いウイスキーや日本酒に変わっていくのです。それでも飲み続けていくと、飲んでも飲んでも飲み足らないという状況になります。
 アルコールに限らず、薬物にはこの耐性という現象が起る可能性があるのです。ステロイド剤も薬剤です。同じように耐性現象が出ることがあります。つまり、量が増えていくという現象です。最初はちょっとの使用で炎症が治まっていたものが、徐々に使用間隔が短くなったり、使用量を増やさないと症状が消えなくなっていくのです。これは耐性ができはじめてきているということです。薬が効きにくくなってきていても、ステロイド剤を使用すれば少しは楽になります。ですから、より使用量が増えていくのです。それでも炎症が改善しなくなると一段階上の効果があるステロイド剤を利用していくのです。
 そのステロイド剤が聞かなくなるとさらにその上、という形になります。最強のステロイド剤の軟膏が効かなくなると次は内服です。より多く体にステロイド剤を入れることになります。内服しても症状が抑えられなくなったら点滴です。このようにエスカレートしていかれた方もいらっしゃいます。
 耐性ができると薬剤を大量に使用しないと最初に得られたような効果が得られなくなるのです。こうして使用量が増えていき、薬を切れなくなります。依存状態です。ステロイド剤の使用量を考えてみてください。
「徐々に使う間隔が短くなっていませんか?」
「使用量が増えてきていませんか?」
「今の薬よりワンランク上のものに変わってきていませんか?」
 こういった現象があれば、体がステロイド剤に耐性ができはじめているのです。この時に適切な対処を行っていく必要があります。それはステロイド剤の使用量を減らすことです。ステロイド剤以外の方法で炎症を取り除くことを考えることです。その処置を行っておかないと本当に「ステロイド依存」に陥ってしまうからです。